明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2017)福島原発に中身不明のコンテナが4000基も!ずさんなことばかり続けている東電に放射能汚染水を海に流させるなんてとんでもない!

2021年04月10日 23時00分00秒 | 明日に向けて(2001~2200)

守田です (20210410 23:00)

存在を把握すらしてなかった?コンテナが出てきた

またしても東電の放射性物質に関するあまりにずさんな管理実態が明らかになりました。中身不明のコンテナが構内に4000基もあることを事故から10年経って白状したのです。
事態の発覚は先月の東電の把握してないコンテナの発見からでした。福島県と東電が福島原発構内を確認中に、旧研修棟東側で詳細不明のコンテナ4基が福島県によって発見されたのでした。
コンテナを調べたところ、表面から1センチで毎時1.5ミリシーベルトの高い放射線値が計測されました。

この現場確認が行われたのは、3月初旬に構内の排水路で雨水の放射性物質濃度が上昇したことが発端。
3月25日には排水路上流にある廃棄物一時保管エリアで、高線量のゲル状の放射性廃棄物の塊が見つかりました。周辺の鋼鉄製コンテナから漏れ出した可能性が浮上しました。
これを受けて、福島県が周辺のコンテナなどの調査を東電に求め、一緒に確認に入る中で上述の4基を見つけたのです。東電は「存在すら把握してなかった」と述べたそうですが怪しい・・・。




中身不明のコンテナが4000基も

この事態のあとに、東電は放射性物質を入れてあるものの、中身が不明のコンテナが約4000基もあることを明らかにしました。
東電によれば構内に約8万5千基のコンテナがあり、事故やその後の廃炉作業などで汚染された資材やがれきが納められています。
約4万6千基が可燃性のがれき、約3万1千基が使用済みの防護服、約3千基が不燃性のがれきなのだそうですが、残りの約4千基の中身が把握されていないというのです。

なぜこうなったのか。もともと東電が事故から1年間はなんの記録もつけなかったためです。その後、記録を取り始めたものの、2017年11月まで何をどこに入れたのか把握していませんでした。
そのまま6年8カ月も放置したのち、ようやく照合を開始したものの、約4千基の内容が分からぬまま、今日までそのままにしておいたのです。またしても問題を知りながら対処をさぼっいたのです。
しかも今回も東電はこの事実を黙り続けていた。福島県が確認に入らなければ隠されたままだったでしょう。


東電による4000基のコンテナ問題の会見 TBS NEWSより

放射性物質のまともな管理もしない東電に汚染水を流させてはダメ

今回も明らかになったのは東電の放射性物質に対する管理のあまりのずさんさです。
そもそも東電は事故後少なくとも2年間、核燃料デブリを冷やした放射能汚染水が地下水と混入して海に流入していることを知りながら黙っていました。このころ同時に、コンテナにもなんの記録もつけずに放射性物質を詰め込んでいたのです。
柏崎刈羽原発ではこの間、核物質を扱う原発の運転室に不正な入室を許したり、不正入室を阻止するためのセンサーが壊れているのを知りながら対処をしてなかったことなどが相次いで発覚しています。

どう考えてみても東電には核物質の管理に対するまともな責任感がないのです。もちろん「これ以上放射能汚染をさせない」というモラルなど、まったくもちあわせていません。だから発覚するまで黙ってあれやこれやの杜撰なことを続けてきているのです。
政府はそんな東電に、放射能汚染水を海洋放出させようとしています。まったくもって言語同断です!いやこんなずさんな管理を10年間許してきた責任を、原子力規制委員会や経産省、菅政権がとるべきです。
もはや東電に核物質を扱う資格などありません。原発の運転からも、事故収束ー廃炉作業からも撤退させ、廃炉公社を創設すべきです。いわんや放射能汚染水の海洋放出など許されてよいはずがない。

海洋放出反対の署名を集めましょう!どんどん拡散してください。
http://chng.it/JnTfZgSxjh

#放射能汚染水海洋放出反対 #福島原発事故から10年 #中身不明のコンテナ4000基 #廃炉公社の設立を #東電の放射性物質管理はずさんすぎる

*****

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明日に向けて(2016)政府が放射能汚染水海洋放出を13日にも決めようとしています!抗議を集中しよう

2021年04月09日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2001~2200)

守田です(20210409 23:30)

13日関係閣僚会議での決定がめざされている

菅政権が放射能汚染水の海洋放出を13日の関係閣僚会議で決めようとしていることが本日(9日)、報道されています。許しがたいです。
ちなみに政府と東電は、放射能汚染水を「処理水」と言い換えていますが大ウソです。何よりこの水には大量の放射性のトリチウムが含まれています。
またALPSという放射性物質の除去装置で取り除くとされてきた他の多くの放射性物質も含まれており、なかでも放射性炭素14については、もともとALPSでの除去対象になっていません。


政府が汚染水海洋放出に向かっていることを報じるNHK NEWS 7

政府と東電はあたかもトリチウム以外の放射性物質の除去が可能になったかのように偽りつつ、海洋放出に向かおうとしていますが、こんな騙しに基づいた海洋放出など認められるわけがありません。
そもそも東電は、福島原発事故から2年間は、汚染水の海へのダダ漏れを知っていたのに放置していました。すでに激しく海を汚染したのです。
いや海には1,3号機からベントで放出したり、2号機の格納容器の破裂によって漏れ出した大量の放射性物質も降っています。だからもうこれ以上の汚染を許してはなりません。

前号でも示しましたが署名運動が行われているのでぜひご協力ください。
福島原発事故10年、汚染水を海に流さないで! 原発もうやめよう!
http://chng.it/JnTfZgSxjh


「薄めれば大丈夫」とこんな説明が

トリチウム放出に向けても大ウソがつかれています。「薄めれば大丈夫」というものです。
この点での政府の説明をNHKが図示しているので参考にしましょう。この中でトリチウムが水素の仲間であることが説明された上でこのような文言が並んでいます。
「放射線のエネルギーが弱い」「水蒸気・雨水に含まれ水道水や私たちの体内にも」「通常の原子力施設でも発生、薄めて海・大気へ放出」「人体への影響 専門家”濃度がポイント”」


NHKによる政府説明のまとめ1

その上でもともとトリチウムの規制値は1リットルあたり6万ベクレルであること、それをさらに40分の1の1500ベクレルまで薄めること、そうするとWHOの飲料水の基準の7分の1になるとされています。


NHKによる政府説明のまとめ2

それで十分に危険性を低減できたのだから海洋放出して良いというのですが、あまりに語るに落ちています。
そもそもこんなひどい言説を公共放送を通じて流していること自体が問題です。


ラーメンが濃いからといってお湯で薄めれば良いわけがない

一つずつ説き明かしていきましょう。
まず「トリチウムの放射線のエネルギーが弱い」とされる点ですが、一個の原子の発するエネルギーが弱くても、実際の力は原子の数で決まります。だから現実にも6万ベクレルという規制値があるのです。
この値自体、あまりに高すぎますが、それを横においておいても「放射線のエネルギーが弱い」から大丈夫などということにはならないことは明白です。問題は一個の原子のエネルギーではなく総量なのです。

「通常の原子力施設でも発生、薄めて海・大気へ放出」とある点は「他でもやっているじゃないか」という開き直りですが、むしろだからこそ、通常の原子力施設のすべてが危険であり、環境を破壊し続けている元凶であることを明らかにしています。
すべての原子力施設が、たとえ事故を起こさずとも運転してはならないのです。

さらに「人体への影響は濃度による」という点には、トリチウムが明確に危険物質であることが示されており、「濃度による」という言い方はこれまた総量を無視したもの。
「ラーメンが塩辛くて濃い=濃度が高いので、お湯で薄めて飲む」と言っているようなものです。それで良いはずがあるわけない。濃度を半分にしても総量を倍にすればリスクは同じ。総量を増やせば増やすだけリスクはどんどん高まります。


濃いラーメンを薄めれば大丈夫?いやいや塩分の総量は減りませんから

決定されても実行まで2年とされている みんなで力をあわせれば止められる!

最後に大事な点をおさえておく必要があります。
例え13日に決定されたからといって、それで放出が可能になるわけではない点です。そもそも汚染水の処理などできていません。まだこれからなのです。
それに加えて、放出のための設備を新たに作らねばならず、おおむね2年かかるとされています。


決定しても準備に2年はかかるとされている

まずは13日に決定させないために声を大きくしていく必要がありますが、しかし政府にとっても東電にとってもその先も難題だらけです。
この点をしっかりとおさえ、みんなで力を合わせれば止められることを把握しておきましょう。私たち民衆は原発輸出をすべて止めました。これまで20基以上の原子炉を廃炉に追い込んでいます。もんじゅもやめさせました。
だから力をあわせれば汚染水放出も止められます。そのことも踏まえていま、「これ以上放射能で海を汚すな!」という声を高めましょう。


世界各地で反対の声を上げている人々と力を合わせよう 写真は台湾の「自由時報」より 20200513

#放射能汚染水海洋放出反対 #福島原発事故から10年 #薄めても危険性は変わらない #廃炉公社の設立を #東電はウソつき #処理水などどこにもない
 
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明日に向けて(2015)福島原発からの放射能汚染水(処理水ではありません)の海洋放出に反対します!

2021年04月08日 23時00分00秒 | 明日に向けて(2001~2200)

守田です(20210408 23:00)

汚染水海洋放出反対

菅首相は昨日7日、東電福島第一原発で貯まり続けている放射能汚染水の「処分」を巡り、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏会長と官邸で面会。海洋放出への合意を求めました。
さらに政府は13日にも関係閣僚会議を開き、海洋放出処分の方針を決める見通しだとのこと。菅首相は記者団に「近日中に判断したい」と述べています。これに対して東北の漁業者から「安全というなら東京湾に」という怒りの声があがっています。
もうこれ以上、意図的に海を汚すことなどとても許せません。海洋放出反対の声を高めましょう。


さしあたっては署名活動が継続されているのでご案内します。10の言語になっているのでぜひあちこちに拡散してください。
福島原発事故10年、汚染水を海に流さないで! 原発もうやめよう!
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処理水?そんなものどこにもありません!

この問題を論じる際、今回も東電と政府が大きなウソをついていること、騙されてはいけないことを指摘しておきます。
それは汚染水のことを東電と政府が処理水と言い換えていることです。海洋放出しようとしているものが、あたかも危険物を除去したもの=「処理」されたものであるかのような騙しです。
例えば東電(TEPCO)の「処理水ポータルサイト」には「現在、多核種除去設備等の処理水は、トリチウムを除く大部分の放射性核種を取り除いた状態でタンクに貯蔵しています」とうたわれていますが、真赤なウソです。

処理水ポータルサイト
https://www.tepco.co.jp/decommission/progress/watertreatment/


東電は重大な事実を隠してばかり。大うそつきだ!

「多核種除去設備等」とはALPSという核種をとりのぞく装置のことで、トリチウム以外の放射性物質を取り除くとうたわれていますが、うまく機能していません。2018年9月に東電自身が認めています。
なんと処理した水の84%がさまざまな放射性核種の放出基準を満たしていなかったのです。さらに2020年8月27日には放射性炭素14が含まれていること、もともとこれを除去するように作られていなかったことも明らかにされました。
それに加えて大量の放射性ストロンチウムが含まれています。要するに危険物を除去したもの、あるいは低減したものとされる「処理水」などどこにも存在してないのです。こんな騙しをおこなうから東電も政府もまったく信用できないのです。

この点はグリーンピースがとても詳しく報告してくださっています!紹介しておきます。
https://www.greenpeace.org/static/planet4-japan-stateless/2020/10/ba82306e-radioactivewater_jp_fin.pdf




東電に事故収束ー廃炉作業を任せていてはいけない

より大きな問題としてあるのは、東電にもうこれ以上、事故収束ー廃炉作業に携わる資格がないことです。
もっとも重要なのは、東電が福島原発事故を防げなかったことと、事故後、汚染水が1日400トンものオーダーで海に流出していることを認識していながら知らんぷりを決め込み、ダダ漏れを放置していたこと、意図的な汚染の拡大を続けたことです。


汚染水の海への漏れ出しを説明する毎日新聞の図 20130809

またこの間、東電は柏崎刈羽原発のセキュリティ面で、二重三重にも規則を破り続けており、原発運転資格のはく奪寸前にいます。


そんな東電が海を、命を、未来を、誠実に守ろうとするでしょうか?自社しか守ってこなかったのが東電であり、それを一度もきちんとけじめることができてこなかったのが日本政府です。
東電と政府にこれ以上、海を、地球を、環境を汚させてはなりません。もっと広く人材を集めて廃炉公社を作り、作業や工程の透明性を確保しつつ進めることが必要です。もちろんその前に放射能汚染水の海洋放出を食い止めなければ。
みんなで大きな声をあげましょう。署名の拡散にご協力ください。

#放射能汚染水海洋放出反対 #福島原発事故から10年 #廃炉公社の設立を #東電はウソつき #処理水などどこにもない 

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