中国発の新型コロナウィルスの影響で外出を控えがちだ。自宅で映画を楽しむ人も多いだろう。
今回のコロナウィルス騒ぎで連想したこと。
まず、武漢の都市封鎖には驚いた。このニュースでカミュの小説「ペスト」を思い出した人も多いだろう。ペストで町を封鎖する話である。町を封鎖することがありえるのかと思っていたが、中国はやってしまった。
次は、クルーズ船の着岸拒否で、クルーズ船がさまよってカンボジアまで航行した。この件で「さすらいの航海」を思い出した。ユダヤ人を乗せた船が各国に拒否されて、海上をさまよう話だ。
そして、この「真昼の暗黒」である。犯人がペスト菌保持者であることが判明する。48時間内に逮捕しなければペスト禍が生じる。ペスト菌をコロナウィルスに置き換えれば、今の現実に当てはまる。
1950年の作品で、監督はエリア・カザン。サスペンス映画の傑作として映画史に残る。
場所はニューオーリンズ。ドキュメンタリー・タッチの映画で、2年前に製作された「裸の町」の影響を受けていることは確実だ。「裸の町」はニューヨークの生の姿をとらえていた。
クライマックスの犯人が港を逃げ回る場面は迫力十分で秀逸である。
何も知らないで、この映画だけを見れば、その面白さに堪能することだろう。
しかし、我々は、今現在、コロナウィルスの恐怖に日常的に曝されている。その視点からこの映画を見ると、根本的に、この映画の設定は誤っている。
ペスト菌保持者がいることを公表せずに極秘裡に捜査することである。その理由は、公表すれば犯人が逃亡するかもしれないからという。
しかし、犯人が他の者と濃厚接触してペストを感染させる可能性を考えていないのはおかしい。現にペストで死ぬ者も出ているのに。
アカデミー賞原案賞を受賞した作品だが、現実的ではない。
市長は新聞記者に問い詰められて情報公開を決断せざるをえなくなるが、「なんでこんな時に市長でいなければならないのか」とぼやく。
安倍首相をはじめ、他の外国の首脳も同じ気持ちだろう。こういう不安な状態になると、我々は行政に期待しがちだが、行政にできることは限られている。
医者だって、診察したくないというのが本音だろう。診療を休んでいる医院もあるよね。
昨日、医者に行ったけど、医者もマスクがなく困っている。手に入らないと云っていた。洗って使ってますと云っていた。医者でさえ、これだ。
薬もいつもの倍の量を処方したね。4週間分ところを8週間分である。つまり、暫く来ないで欲しいと云うこと。こちらも助かるから歓迎だ。