石垣市郊外の唐人墓を訪れる。
1852年にバウン号事件が起きた。米国カリフォルニア州の金山で働く中国人労働者を乗せたロバートバウン号で起きたものである。
病んで動けなくなった中国人労働者2人をここで海に突き落とした。これに怒った中国人が反乱を起こし船長を殺害した。しかし、首謀者は処刑され、他の者は、ここで強制的に下船させられた。
島の人たちの援助で生活していたが、翌年やって来たイギリス海軍により、多くのものが射殺された。自殺したものもいる。
今から思うと、とんでもない事件だが、19世紀はこんなものだ。動けなくなった労働者を海に突き落としたということは、不良品を在庫処分したようなもので、当時としては当たり前のことだった。
唐人墓は三百人墓と呼ばれ、石積みの墓だった。1971年に中国風の華麗な墓が建てられた。その墓も色褪せてきたので10年ほど前に台湾の業者の手により新たに建て替えられた。
目の前は東シナ海である。
2007年に旅行会社のツアーでここに来たことがある。立て替えられる前の墓は、こんな様子だった。