人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

チョン・ミョンフン ✕ 前田妃奈 ✕ ハン・ジェミン ✕ 東京フィルでベートーヴェン「ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲」&「交響曲第3番”英雄”」を聴く

2025年02月26日 00時14分36秒 | 日記

26日(水)。月曜日にモーツアルト・シンガーズ・ジャパンの「ツァイーデ」「騙された花婿」「カイロの鵞鳥」公演に関するtoraブログを X に投稿したところ、当日出演したソプラノ歌手の種谷典子さんから(旧ツイッターでいう)「イイね」をいただきました    嬉しかったので彼女の X をフォローすることにしました   すると、1分後に種谷さんが tora の X をフォローしてくださいました   とても嬉しいです 音楽関係者では指揮者の原田慶太楼さんに次いで2人目です これで X のフォロワーは107人になりました

ということで、わが家に来てから今日で3697日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は24日、ロシア国営テレビのインタビューで「(レアアースの埋蔵量は)我々はウクライナより格段に多い。新領土も含め、米国など外国企業と協力する用意がある」と述べ、一方的に併合を宣言したウクライナ4州を含めた地域での共同開発を米国に呼びかけた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     強欲トランプがレアアースの話を持ち出すから 狡猾プーチンが割り込んでくるんだ

  どういう風の吹き回しか、娘が「(今週中でコンサートのある)火・水・木は、自分の夕食は自分で作ります」と言い出したので、お言葉に甘えて夕食作りは3日間お休みします 

         

昨夜、サントリーホールで東京フィル「第1011回サントリー定期シリーズ」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 ハ長調 作品56」、②同「交響曲第3番 変ホ長調 作品55 ”英雄”」です   演奏は①の指揮・ピアノ独奏=チョン・ミョンフン、ヴァイオリン独奏=前田妃奈、チェロ独奏=ハン・ジェミン、②の指揮=チョン・ミョンフンです

ヴァイオリン独奏の前田妃奈は2022年ヘンリク・ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリンコンクール優勝 現在、東京音楽大学アーティストディプロマコース在学中

チェロ独奏のハン・ジェミンは2006年韓国生まれ。2021年にジョルジュ・エネスク国際コンクールで最年少の15歳で優勝

韓国出身のチョン・ミョンフンは卓越した指揮者であるとともに、1974年の第5回チャイコフスキー国際コンクール・ピアノ部門で第2位入賞という輝かしい経歴の持ち主 ちなみにその年の第1位はソ連のアンドレイ・ガヴリーロフで、第4位にはハンガリーのアンドラーシュ・シフが入っている

     

オケは10型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの東京フィルの並び ステージ中央には蓋を取り除いたグランドピアノが客席から鍵盤が見える形で設置されています これはチョン・ミョンフンが指揮をしながらピアノを弾く(弾き振り)ための配置です コンマスは三浦章宏です

1曲目はベートーヴェン「ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 ハ長調 作品56」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1803年から翌04年にかけて作曲、1808年2月18日にライプツィヒで初演されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「ロンド・アラ・ポラッカ」の3楽章から成ります

ソリスト3人がステージ中央に進み、配置に着きます ピアノに対峙し 客席に背を向けたチョン・ミョンフンの指揮で第1楽章が低弦による重心の低い演奏で開始されます やがて独奏チェロと独奏ヴァイオリンが入って来てピアノが加わります ハンのチェロがよく歌います ヴァイオリンがやや線が細いという印象を受けますが、気のせいだろうか チョンのピアノは流石としか言いようがない軽快さです 第2楽章では冒頭、ハンの独奏チェロがロマン溢れる演奏を繰り広げ、前田の優しさに満ちたヴァイオリンが続きます チョンのピアノが加わり極上のアンサンブルが展開します この曲に限らず、ベートーヴェンの曲で一番素晴らしいのは緩徐楽章だと思います アタッカで第3楽章に入りますが、ここでもハンのチェロが主導権を握ります チェロ、ヴァイオリン、ピアノという順番で演奏されるポロネーズ主題が心地よく響き渡ります 堂々たる演奏によるフィナーレは爽快でした

満譲の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました

     

本公演を聴くにあたり、チョン・トリオ(Vn:キョンファ、Vc:ミュンファ、P:ミョンフン)&チョン・ミョンフン指揮(弾き振り)フィルハーモニア管弦楽団によるCD(1998年録音)で予習しておきました

     

プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第3番 変ホ長調 作品55 ”英雄”」です この曲は1803年から翌04年にかけて作曲、1804年6月にウイーンのロプコヴィッツ侯爵邸で試演の後、1805年4月7日にアン・デア・ウィーン劇場でベートーヴェン自身の指揮により公開初演されました 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「葬送行進曲:アダージョ・アッサイ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・モルト ~ アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

弦楽器が14型に拡大し、2管編成のところホルンだけ3本でスタンバイします

チョン・ミョンフンの指揮で第1楽章に入りますが、冒頭の力強い2つの和音は魂がこもった渾身の演奏でした この2つの和音が全曲の演奏を決定づけたと思います オーボエとフルートを中心とする木管楽器群がよく歌います ホルンも絶好調です この曲も緩徐楽章の第2楽章が白眉でした オーボエが醸し出す寂寥感が印象的です 深みのある弦楽アンサンブルが美しく響きます 第3楽章のハイライトはホルン三重奏です 高橋臣宣率いるホルン陣の演奏は立体感がありました 第4楽章では、フルート、オーボエが再び大活躍し、ホルンが輝きを増しました チョン・ミョンフンは集中力に満ちた指揮により東京フィルの面々から持てる力を全て引き出し、スケールの大きな演奏を展開しました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました つくづくチョン・ミョンフンは指揮もピアノも素晴らしい、と思いました

     

     

     

     

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P.D.ジェイムズ著「女には向かない職業」を読む ~ 女探偵コーデリアが科学者の息子の死の真相究明にあたる

2025年02月25日 00時02分35秒 | 日記

25日(火)。昨日の朝日新聞朝刊に、人気の本の著者が各地の学校を訪ねて特別授業をする読書推進授業「オーサー・ビジット」が紹介されていました 2人のうち1人がジャーナリスト池上彰氏でした。池上氏は閉校が決まっている札幌聖心女子学院で特別授業を行いました 生徒から英語の他に習得すべき言語について聞かれた池上氏は「外国語を話せること以上に重要なのは、『語るべきもの』を持つこと。そこに教養が表れる」と答えています

これは的確なアドヴァイスです いくら英語が話せても、「自分が語るべきもの」がないのは、英語で話す意味がないからです つまり「話す内容がないこと」は無教養を晒すことになるということです これを読んで、ハタと思ったのは「語るべきもの」がなければ、ブログは書けないということです これまで このブログで何度か書きましたが、「インプットなくして アウトプットなし」ということです

ということで、わが家に来てから今日で3696日目を迎え、米連邦政府の複数機関の廃止などを主導している富豪のイーロン・マスク氏は22日、連邦政府職員に対して 「前の週にした5つ」を箇条書きにしてメールするよう指示し、従わなければ解雇すると告げたが、一部も政府機関トップがマスク氏のメールに従わないよう職員に指示するなど、混乱が生じている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     前の週にした5つ・・・・仕事と仕事と仕事と仕事と仕事と書けばいいんじゃね?

         

義父の納骨式のため先週金曜日の夜に帰省した息子が昨夜、宮城県白石市の単身赴任先に戻るので、夕食時にピザパーティをやりました 息子がお土産に買って来てくれた宮城県産の赤ワインを飲みながら食べましたが、もう満腹です

     

         

P.D.ジェイムズ著「女には向かない職業」(ハヤカワ・ミステリ文庫)を読み終わりました P.D.ジェイムズは1920年オックスフォード生まれ。1962年にアダム・ダルグリッシュ警視シリーズ第1作「女の顔を覆え」でデビュー 71年「ナイチンゲールの屍衣」、75年「黒い塔」、86年「死の味」で3度、英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞を受賞したのをはじめ、数々の権威ある賞を受賞 2014年没

本書は1975年1月にハヤカワ・ミステリとして刊行した作品を文庫化したものです

「探偵稼業は女には向かない。ましてや22歳の世間知らずの娘には」と誰からも言われる。名探偵はただ頭が切れて行動力があればよいというものではない。無残な死体を見なければならないこともあるし、相手に脅かされることもある、時には殺されそうになることさある しかし 女主人公コーデリア・グレイは、探偵事務所の所長で相棒のバー二イ・プライドが不治の病を苦にして自死したことから、強い意志をもって単独で探偵事務所を経営することになる 最初の依頼は、微生物学者ロナルド・カレンダー卿から、大学を中退し 予告もなしにケンブリッジのマークランド少佐という人物の庭師に就職し、首を吊って21歳で死んだ息子のマークの死の理由を調査してほしいというものだった コーデリアはカレンダー卿のもとに赴き、彼の秘書エリザベス・レミング、研究助手のクリス・ルン、マークの友人たちと会い、話を聞き出すが、自殺ではなく誰かに殺されたという予想外の事実が明らかになる

     

まったく先が読めないストーリー展開に読む手が止まりません いつの間にか何人もの関係者が死んでいることに後で気が付いて驚きます

それにしても長い 瀬戸川猛資氏が「コーデリア姫とダルグリッシュ探偵」という見出しの解説を書いていますが、それには「ジェイムズ・ミステリは敬遠したくなるような特徴をもっている    陰鬱荘重な雰囲気、分厚さ、極端に改行の少ない文章、相当な本格ファンでも途中で投げ出したくなるような描写の執拗さ・・・」と書かれています

この中で、私が強く感じたのは「描写の執拗さ」です 1つのことを描写するのに10くらいの言葉を使っている、という印象を持ちます ここまで”執拗”に書く”必要”があるのだろうか、と思うほどで、好意的に言えば「丁寧で緻密な描写」であり、投げやり的に言えば「10のうち9は無駄な描写」と言いたくなるような文章です しかし、読み進めていくと、彼女の文章表現に慣れてくるせいか、「これが著者の魅力でもあるのだろうな」と思えてくるから不思議です いつの間にか371ページの大書を読み終わっています

ミステリーファンはとっくに読んでいると思いますが、まだの方にはお薦めしておきます

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モーツアルトの未完オペラ三部作:「ツァイーデ」「騙された花婿」「カイロの鵞鳥」を聴く ~ 「モーツアルト・シンガーズ・ジャパンVol.6」公演

2025年02月24日 00時08分46秒 | 日記

24日(月・休)。わが家に来てから今日で3695日目を迎え、ロイター通信が2月13~18日に行った調査によると、米国のトランプ大統領の支持率は就任直後の47%から44%に低下し、不支持率51%を7ポイント下回った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     世界を相手に喧嘩を売っているトランプ政権が いつまでも支持されるわけがないぜ

         

昨日、王子ホールで「モーツアルト・シンガーズ・ジャパン  Vol.6 ~ ピアノ伴奏で楽しむモーツアルト オペラ・プロジェクト」公演を聴きました    プログラムはモーツアルトが20代で手掛けた未完のオペラ3部作(「ツァイーデ」「騙された花婿」「カイロの鵞鳥」)です   出演はツァイーデ/チェリドーラ=種谷典子、エヴジェニア/アウレッタ=全詠玉、ベッティ―ナ/ラヴィ―ナ=重田栞、ゴーマッツ=望月哲也、太守ソリマン/ブルケリオ/カランドリーノ=伊藤達人、ドン・アストルバレ/ビオンデルロ=金山京介、キキビオ=近藤圭、ボッコニオ=鹿野由之、ピアノ=髙田恵子です

王子ホールは前回いつ来たのか思い出せないほど遠い昔です 銀座三越の裏だったよな、と思い出しながら何とか辿り着きましたが、ホールが2階にあることは忘れていました

     

全315席の小ホールということもあって、会場は満席です 自席はⅠ列4番、左ブロック右から2つ目です

公演は、企画の宮本益光が狂言回し役を務め、各曲の冒頭でその作品の作曲の背景やストーリー内容などを、モーツアルトがウィーンから故郷ザルツブルクにいる父親に出した手紙を紹介しながら進めていきます

1曲目は「ツァイーデ(後宮) K.344」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1779年から80年にかけて作曲したジングシュピール(歌芝居)ですが、未完に終わりました 物語は「ツァイーデはトルコの王に気に入られ後宮にいるが、その暮らしが気に入らない 同じ土地出身の奴隷と恋仲になり駆け落ちするが捕らえられてしまう。太守ソリマンは逃げたツァイーデに怒り狂う」という内容です 物語の構成は、この曲の直後の1781年から翌82年に作曲された「後宮からの誘拐」に生かされています

ツァイーデを歌った種谷典子と太守ソリマンを歌った伊藤達人は、ともに新国立劇場オペラ研修所の出身者ですが、私は彼らが研修生時代から聴いています 二人ともモーツアルトの「フィガロの結婚」等に出演していました あの頃のイメージのまま、この日に間近に姿を見てアリアを聴いたのですが、二人ともすっかり成長し貫禄が出てきて、歌唱も見違えるように魅力に溢れていて驚きました 種谷の歌ったアリア「安らかにお休み、いつまでも」と「虎よ! ひたすら爪を研ぐがいい」が素晴らしかった

前日聴いたオペラ研修所の若き研修生たちも、いつかはこの二人のように頭角を現して、オペラ劇場で活躍する歌手に成長してほしいと思います

     

休憩後の1曲目は「騙された花婿 K.430(K6 424a)」です この曲は1783年に作曲されたオペラ・ブッファ(喜歌劇)ですが、未完に終わりました 物語は「ちょっと間の抜けたお金持ちおじさんのボッコニオは若い美女エウジェーニアと婚約する 彼女には婚約者ドン・アスドゥバーレがいたが、戦死したと聞いていた ところがその婚約者が帰ってきたから大騒ぎ」という内容です

この曲は未完であるのに「序曲」があります 髙田恵子さんのピアノ独奏で軽快に演奏されましたが、いかにもブッファの序曲といった ユーモアのセンスを感じる曲でした

伊藤が歌ったアリア「いったいどこにこんな眼が見出せるだろうか?」は良く通る高音が絶好調でした

最後の三重唱「なんという災難だ!」は楽しく聴けました

最後の曲は「カイロの鵞鳥 K.422」です この曲は1783年に作曲したドラマ・ジョコーソ・ぺル・ムージカ(オペラ・ブッファ)ですが、未完に終わりました 物語は「幽閉された恋人を救うため『カイロからのプレゼント』として鵞鳥(がちょう)を贈るが、実はその鵞鳥は作り物で、中に人が隠れている」という「トロイの木馬かよ」という内容です

全員出演のフィナーレ「仕事だ、お前たち、早く、早く!」は、モーツアルト特有のアンサンブルの魅力溢れた合唱で、「フィガロの結婚」のフィナーレを思い起こしました

個人的には新国立オペラ研修所出身の種谷、伊藤の二人に肩入れしてしまいますが、言うまでもなく宮本をはじめ他の歌手陣も素晴らしい歌唱を披露しました

ピアノ1台でオーケストラ役をこなした髙田恵子さんの活躍は特筆に値します

また、未完のオペラを補筆しピアノリダクションを担ったキハラ良尚氏の仕事がなけれは、この日の公演は成り立たなかったと言えます 客席からステージ上に呼ばれカーテンコールに応えましたが、素晴らしい仕事に大きな拍手が送られました

宮本益光氏の構成による本シリーズはモーツアルトのオペラの魅力を十二分に引き出しているという意味で、素晴らしい企画だと思います これからも日程の許す限り聴きたいと思います

この公演をもって、金曜を除く6日連続コンサートという怒涛の1週間が終わりました 先週はコンサート以外にも確定申告や義父の納骨式などもあったので、いささか疲れました 幸い今日は何の予定もないので ゆっくり過ごし、明日からの3日連続コンサートに備えたいと思います

     

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新国立劇場オペラ研修所2025春公演「フィガロの結婚」を観る ~ モーツアルトのオペラの楽しさ・素晴らしさが伝わってくる研修生たちのパフォーマンス

2025年02月23日 00時15分11秒 | 日記

23日(日)。昨日は午前中に義父の納骨式があったので出席しました この日のために金曜日の夜に帰省した息子を含めて5人の家族による内輪の式でした   お寺は元麻布の麻布山善福寺で、福沢諭吉先生のお墓があることで有名です お経をあげてくれたのは4年前に亡くなった義母の時と同じ女性の僧侶さん(長髪)で、縁を感じました。義父母の墓はいわゆるマンション・タイプで、義母の骨壺が収められている仏壇に納骨しました

その後、義父と住んでいた義妹の住むマンションの隣のMホテルのレストランで会食し、私だけオペラ公演を観るため、前菜とサラダとメイン・ディッシュまでいただいたところで、お先に失礼しました

     

     

ということで、わが家に来てから今日で3694日目を迎え、トランプ米大統領は21日、米FOXニュースラジオのインタビューに答え、ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領が望めば「(ウクライナ)全土を手に入れられる」と述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     トランプは主権国家ウクライナを何だと思ってるんだ!  あくどさはプーチンと同じ

          

昨日、新国立劇場(中劇場)で「新国立劇場オペラストゥディオ(オペラ研修所)2025春公演:モーツアルト『フィガロの結婚』」初日公演を観ました 出演者はオペラ研修所の第25期 ~ 第27期生が中心です   3日間のダブルキャスト公演で、初日公演の出演者は次の通りです   アルマヴィーヴァ伯爵=松浦宗梧、伯爵夫人=大竹悠生、フィガロ=駒田敏章(賛助)、スザンナ=野口真湖、ケルビーノ=後藤真菜美、マルチェリーナ=牧羽裕子、バルトロ=松浦鉄平(賛助)、バジリオ=永尾渓一郎、ドン・クルツィオ=矢澤遼、アントーニオ=的場正剛(賛助)、バルバリーナ=谷菜々子、二人の花嫁=有吉琴美、島袋萌香。管弦楽=ザ・オペラ・バンド、フォルテピアノ=星和代、指揮=佐藤正治、演出・演技指導=デイヴィッド・エドワーズです

     

「フィガロの結婚」はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)がボーマルシェの原作に基づくロレンツォ・ダ・ポンテの台本により1785年から翌86年にかけて作曲、1786年にウィーンのブルク劇場で初演されました

アルマヴィーヴァ伯爵の召使フィガロは、伯爵夫人の小間使いスザンナと今日結婚式を挙げることになっている 初夜権を放棄したもののスザンナに気がある伯爵はその権利の復活を企んでいる 一方、伯爵夫人は、夫の冷めゆく愛を嘆いている そこで夫人、フィガロ、スザンナが結託して伯爵の鼻を明かそうと企む 恋する思春期の小姓ケルビーノをスザンナの衣装で女装させて伯爵をおびき出そうとするが失敗する 一方、フィガロに横恋慕の女中頭マルチェリーナはフィガロに借金返済が無理なら自分と結婚するよう強要し裁判となるが、フィガロがマルチェリーナの子であることが発覚し、一転して喜びの再会となる その後、夫人とスザンナはお互いの衣装を換えて、伯爵の浮気現場を押さえようと画策する 事情を知らないフィガロは混乱するがすぐに事態を理解する 伯爵はまんまと策略にひっかかり、夫人に平謝りして全員が喜びの中大団円を迎える

     

自席は1階14列34番、センターブロック左から2つ目です。会場はほぼ満席状態です

結論から書くと、研修生たちの最良のパフォーマンスにより モーツアルトのオペラの楽しさがストレートに伝わってくる素晴らしい公演でした

個人的には女性陣の高度なパフォーマンスが印象に残りました 筆頭はスザンナ役の野口真湖さんです。クレバーでウィットもあるスザンナを、美しくリリカルな歌唱で歌い演じました ひと言で言えば「スザンナの声」の持ち主です この公演は「フィガロの結婚」というよりも「スザンナの結婚」という方が相応しいと思わせる抜群の存在感でした

伯爵夫人役の大竹悠生(ゆい)さんは、2つの重要なアリアをはじめ高度なテクニックで抒情的に歌い上げました

ケルビーノ役の後藤真菜美さんは、”恋に恋する少年”の2つのアリアを初々しく歌い演じました

マルチェリーナ役の牧羽裕子さんは第1幕でのスザンナとの二重唱をはじめ、役の性格を表した歌唱が印象的でした

バルバリーナ役の谷菜々子さんは第4幕冒頭のアリアを抒情的に歌い深い印象を残しました

2人の花娘役の有吉琴美さんと島袋萌香さんは、出番こそ少なかったものの、美しい歌唱を披露しました

面白かったのは細かいところでの演出です   例えば、第2幕で伯爵が部屋の鍵をかけるシーンでは、普通の演出では「カシャ」という音を舞台裏で出しますが、本公演の演出では、その音を出す器具を持った女性が舞台上に現れ、客の面前で「カシャ」と音を出すのです また、第4幕でスザンナが怒ってフィガロを打ちのめすシーンでは、2枚の細長い板(ラヴェル「ピアノ協奏曲」冒頭でムチの音を出す道具と同じ)を持った女性がステージの後方に現れ、スザンナの打つ動きに合わせて「バシッ」と音を出すのです この演出は「音の視覚化」を狙ったユニークな試みだと思います

このオペラは第2幕と第4幕のラストの重唱が素晴らしいですね 何回聴いてもワクワクドキドキします 「モーツアルトが聴けることは何と素晴らしいんだろう 生きていて良かった」と思う瞬間です

佐藤正治指揮ザ・オペラ・バンドとフォルテピアノの星和代は、研修生たちに寄り添いながら、モーツアルトの音楽の楽しさ・素晴らしさをあらためて知らしめたことは特筆に値します

この日出演の研修生たちに、あらためて大きな拍手を送ります

     

         

今日は銀座の王子ホールにモーツアルト・シンガーズ・ジャパンの「ピアノ伴奏で楽しむモーツアルト オペラ・プロジェクト」を聴きに行きます

     

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泡坂妻夫著「亜愛一郎の狼狽」を読む ~ 奇術師でもある著者らしいトリックが巧妙に仕掛けられている8つの短編ミステリー小説 / 高校入試(音楽)の思い出

2025年02月22日 00時02分19秒 | 日記

22日(土)。昨日は朝一番で豊島税務署に確定申告に行ってきました わずかですが、昨年と同じくらいの金額が戻ってくるので、コンサートのチケット代にしようと思います

午後は歯科医に予約を入れておいたので、14時半に大塚駅近くにあるS歯科に行きました 2週間ほど前に奥歯に被せてある金属が取れてしまったので付け直してもらったのですが、1度で済むと思っていたら、やはり「歯石を取る」とか「別の歯が欠けているので埋める」とかで結局3回通うことになりました いつものことなので驚きはありませんでした

ところで、歯科医に行く途中に東京都立B高校があるのですが、校門に「令和7年度入学者選抜試験会場」という看板が立てかけてありました 昨日は都立高校の入学試験日だったのですね 高校入試で思い出すのは、今からン十年前に私が受けた埼玉県立T高校の音楽の試験です 最初にヒアリング試験がありました。ある曲の冒頭部分が校内放送用のスピーカーから流れてきて、その曲名を当てる試験です 曲が流れ出してすぐに、男子生徒が「あっ、田園だ」と叫んだのです すかさず 試験官の先生が「こらっ、静かにしろ」と注意しましたが、あとの祭りです    中学校の音楽の授業で「田園」「運命」「未完成」などは聴いていたのですぐに分かりました   もちろん、正確にはベートーヴェン「交響曲第6番”田園”」と書かなければ正解になりません  叫んだ生徒は何のお咎めもありませんでした あの時は「正解」を叫んだので誰にも迷惑をかけませんでしたが間違った答えを叫んでいたらどうなっていただろうか今の高校入試でこういう生徒がいたら学校側はどのように対応するだろうかなどと考えると夜も眠れません昼寝をします

ということで、わが家に来てから今日で3693日目を迎え、米労働省が20日発表した失業保険統計によると、米国の解雇動向を映す9~15日の週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は21万9000件で、前週の改定値から5000件増え、市場予測を上回った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     マスク率いる政府効率化省が主導するリストラ政策の”成果”! 失業は増える一方だ

         

昨日、夕食に「鶏モモ肉のガーリック・チーズ煮、スパゲッティ添え」を作りました 久しぶりに作りましたが、美味しく出来ました あまりお酒は飲まないようにしているのですが、今回は例外として白ワインを飲みました 料理に良く合いました

     

         

泡坂妻夫著「亜 愛一郎の狼狽」(創元推理文庫)を読み終わりました 泡坂妻夫は1933年東京生まれ。奇術師として69年に石田天海賞を受賞 75年「DL2号機事件」で第1回幻影城新人賞佳作入選。78年「乱れからくり」で第31回日本推理作家協会賞、88年「折鶴」で第16回泉鏡花文学賞、90年「蔭桔梗」で第103回直木賞を受賞 2009年没

     

本書は雑誌「幻影城」に連載された8つの短編をまとめ1978年5月に刊行した単行本を文庫化したものです デビュー作「DL2号機事件」をはじめ「右腕山上空」「曲がった部屋」「掌上の黄金仮面」「G線上の鼬(いたち)」「掘出された童話」「ホロポの神」「黒い霧」が収録されています

主人公の亜愛一郎は雲や虫を被写体にする青年カメラマンで、背が高く貴族的な顔立ち、知的な目をしていて女性にもてるタイプだが、なぜか立ち居ぶるまいは三枚目だ しかし、ひとたび事件に遭遇するや並外れた推理力を発揮し、事件の謎を解明する

個々の作品を読んでいて感じるのは、著者が奇術師であることを反映しているようなトリックが巧妙に仕掛けられているということです 長編小説「乱れからくり」もそうでしたが、この点が他の推理小説家と異なる大きな特徴だと思います 推理小説評論家・権田萬治氏の執筆による巻末の「解説」を読んで、「泡坂妻夫」というペンネームが本名「厚川昌男」(アツカワマサオ)の読みを 組み合わせて作ったアナグラムであることを知りました ペンネームまでがトリックめいています

ところで、その権田萬治氏は私が新聞関係団体(NSK)の広告部で働いていた時(1980年代半ば頃)の直属の上司でした 広告部長を務める傍ら、夜中に推理小説の評論を執筆するという「二足の草鞋」生活を送っていました 彼の口癖は「僕はここをクビになっても、もう一つ収入源があるから、いつでも辞められるんだよ」でした クビになったわけではありませんが、定年前に早期退職し、専修大学教授(ジャーナリズム論、近現代文学)として15年間教鞭を執りながら、評論活動を続けておられました

彼は1976年に「日本探偵作家論」で日本推理作家協会賞を受賞しているほか、評論活動と並行して、江戸川乱歩賞、横溝正史賞、推理作家協会賞、日本ミステリー文学賞などの選考委員も務めていました 一緒に働いていた頃は仕事が忙しく(毎日残業続き)、推理小説を読む余裕もなかったので、権田氏から推理小説の話を聞くこともなかったのですが、「解説」に書かれている泡坂妻夫氏との交流のエピソード等を読むと、もっと話を聞いておけばよかったな、と思います 昨年秋のNSKのOB会に久しぶりに出席されたので、少し話をしましたが、彼から出てくる名前は、松本清張であり、横溝正史であり、新しくて東野圭吾であって、中山七里は出てきませんでした 今年秋のOB会で再会できたら泡坂妻夫との交流について聞いてみようと思います

         

今日は午前中に義父の納骨式に出席したあと、午後 新国立劇場(中)で開かれる新国立劇場オペラ研修所2025春公演「フィガロの結婚」を聴きに行きます

     

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