人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

今月はモーツアルト「弦楽五重奏曲第5番 ニ長調 K.593」が作曲された月 ~ 死の前年、1790年12月に作曲 / マンション大規模修繕工事の外壁補修箇所の現場見学をする

2024年12月22日 00時02分22秒 | 日記

22日(日)。昨日午前、マンション管理組合の理事会が開かれたので出席しました 会議の前に大規模修繕工事中の外壁補修箇所等の現場見学を行いました 理事会メンバーだけでなく一般住民にも事前に呼びかけましたが、寒さのせいか参加者は理事3名だけでした 午前10時に玄関前に集合し、ヘルメット・軍手・安全ぺルトを着用し、エレベーターで屋上に上がり、14階から2階まで建物の周囲に張り巡らされた足場を歩きながら工事担当者の説明を受け、外壁やベランダの補修箇所を見学しました 足場がかなり狭く、鉄パイプが頭上にも組まれているので、何度もヘルメットをぶつけました ヘルメットがなければ確実に頭を怪我しています 30分ほど見学して下まで降りたのですが、足がガクガクし筋肉痛が出ました 見学終了後、現場事務所で理事会が開かれ、現場責任者から工事の進捗状況等の説明があり、約1時間で終了しました

     

ということで、わが家に来てから今日で3631日目を迎え、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告は20日までに米ブルームバーグ通信の取材に応じ、日産とホンダが経営統合で協議に入ることについて「日産はパニックモードにある。率直に言って、両社間の相乗効果を見つけるのは難しく、実用的な取引ではない」と批判した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     刑に服さないで日本を脱出したゴーンの発言は 小さな親切大きなお世話だろうな

         

12月はモーツアルト「弦楽五重奏曲第5番 ニ長調 K.593」が作曲された月です モーツアルトの死の前年、1790年12月に作曲されました 当時は人気が落ちて仕事がなく、経済的に困窮していたばかりか、健康面も思わしくなく、演奏会も開けない状況にありました この曲はモーツアルトが世を去った翌年の1792年にウィーンのアルタリア社から出版された際、楽譜に「ハンガリーの音楽愛好家のために」と記されていたため、ハンガリーの裕福なヴァイオリン奏者ヨハン・トストに依頼されて作曲したものと考えられています

第1楽章「ラルゲット ~ アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

偶然にも、所有していたLPレコードを売却した際、手元に残した3枚のレコードのうち1枚がこの曲のLPでした アマデウス弦楽四重奏団+セシル・アロノヴィッツによる演奏ですが、つくづく味わい深い演奏です タンノイアーデンで聴くからなおさらなのかも知れません

     

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50年以上聴いてきたLPレコード約1500枚を売却する ~ 査定結果は来週に持ち越し

2024年12月21日 00時05分30秒 | 日記

21日(土)。わが家に来てから今日で3630日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は19日、年末恒例の大型記者会見に臨み、ウクライナ侵攻について「目標達成に向け前進している」と強調する一方、「現在の状況を考えれば、もっと早く決断すべきだった。特別な準備なしで始めた」とも言及し、この約3年間の自らの変化を「私は冗談が少なくなり、あまり笑わなくなった」と語った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     プーチンの野望のせいで 世界中が冗談が少なくなり ほとんど笑わなくなっただよ

         

昨日の夕食は隔週金曜日のローテにより「鶏の唐揚げ」にしました 唐揚げには生ビールでよろしかったでしょうか

     

         

前日のオーディオ関連機器の売却に続いて、LPレコード約1500枚を売却しました いくつか買取業者を調べて、クラシックに強い鑑定者がいる「セタガヤレコードセンター」を選びました 事前の電話で買い取り判断の基準を訊いたところ、①基本的にクラシックは高値で売れるケースは少ないこと(どこの業者でも同じ)、②レア盤などの例外を除き国内盤は2足3文(1円とか2円!)にしかならないこと、③輸入盤は初版盤ならある程度の値はつくこと、④オペラはDVDに押されて値が付かないことーなどが分かりました それを前提として買い取ってもらうことにしました 極端な話、ほとんどのLPはゴミとして出すつもりで手離さないと引き取り手がいないということです

これらのレコードは、1970年代から80年代中頃にかけて(つまりCDが登場する前)に集中的に買い集めたものがほとんどです 当初は約2000枚ありましたが、途中でプリメイン・アンプとLP500枚とを物々交換で放出したため1500枚が手元に残ったものです

引き取ってもらったLPレコードは下の写真の通りですが、あらかじめメール添付で業者に写真を送付しておきました

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    

     

昨日は11時半ごろ2人の担当者が来て、約40分以上かけてLPレコードを段ボール箱(29箱!)に詰めていきました 作業を見ていたら、山口百恵のLPが混じっていたので、ちょっと待って プレイバック  と思いましたが、いい日旅立ち させてやろうと そのまま引き取ってもらいました

なお、あらかじめ電話で売れそうなレコードを尋ねたら、いわゆる「往年の名ヴァイオリニスト」復刻版のLPが多少高値で売れそうだということが分かりました

例えばヨハンナ・マルツィ(12枚)⇒    

     

     

ジネット・ヌヴー(3枚)

        

ジョコンダ・デ・ヴィート(4枚)

       

     

以上のほか、輸入盤LPに何枚か値の付くレコードがあればいいな と思います 査定の結果は来週中ごろになるとのことですが、あまり期待していません

残されたレコード棚が主を失って寂しげです 美空ひばりの名曲を思い出します・・・・あいだ閑散と~

     

なお、手元に3枚だけ残しておきました 1枚は、「LPを売る時にはこれだけは売らない」と決めていたコルンゴルト「ヴァイオリン協奏曲」(Vn:ウルフ・ヘルシャー)です これは独身時代に1年間通ったフルート教室の友人O君(当時W大学大学院生)の横浜の自宅で聴かせてもらい、モーツアルト、ベートーヴェン、ブラームス以外に「こういう世界もあるのか」と衝撃を受けた作品でした それ以来、私のレコード収集範囲が急激に拡大し、当時500枚程度だったLPがその後2000枚に達しました

     

次はモーツアルト「弦楽五重奏曲 ト短調 K.516 & ニ長調 K.593」(アマデウス弦楽四重奏団+セシル・アロノヴィッツ)です 何でもいいからモーツアルトのLPを1枚残しておきたかったのです ジャケットがビジュアル的に映えるので額に入れて飾ろうと思います

     

3枚目はショパン「ピアノ協奏曲第2番 & ピアノ・ソナタ第2番」(P:マルタ・アルゲリッチ)です アルゲリッチは何枚も持っていましたが、やはり1枚は残しておきたいと思いました これも額に入れて飾ります

     

タンノイアーデン他のオーディオ機器は売買契約済みですが、業者の引き取りは来週金曜日なので、それまでの間にこれら3枚のLPを存分に聴いておこうと思います

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約40年間聴いてきたスピーカー「タンノイアーデン」などオーディオ関連機器を売却する / 膨大な写真を断捨離する

2024年12月20日 01時07分21秒 | 日記

20日(金)。断捨離の一環として部屋の片隅で静かに眠っていた過去の写真を整理することにしました どこの家庭でもそうでしょうが、ほとんどが子供たちが小さい頃の写真です

     

写真を見ただけでは分かりませんが、見た目以上のボリュームです ネガと一緒に入っている袋もあれば、小さなアルバムに収納してあるのもあります 取りあえず、袋やアルバムから写真だけ取り出して、1枚1枚見ていきました 同じような写真が多数あるので、これはといった写真だけ残して、ほとんど捨てる方向で整理していきました 大ざっぱに①長女の分、②長男の分、③家族・親戚の分に分けてそれぞれの袋に入れていき、捨てる写真は別の大きな袋に入れました 捨てる分の袋を娘に見てもらい、どうしても残しておきたい写真があれば選んでもらうようにしたいと思っています まだ、半分しか終わっていません 今日以降、終わるまで続きます

ということで、わが家に来てから今日で3629日目を迎え、読売新聞グループ本社代表取締役主筆で、元プロ野球読売巨人軍取締役最高顧問の渡辺恒雄氏が19日肺炎で死去した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     彼ほど新聞は立法・行政・司法に次ぐ「第4の権力」を体現した新聞人はいないな

         

昨日の夕食は、あまりにも寒かったので「博多豚骨鍋」にしました 〆はラーメンにしましたが鍋もラーメンも美味しかったです

     

         

長年愛用してきたオーディオ関連機器を売却しました 先月下旬には真空管アンプ「マッキントッシュ MC240」を、今月上旬にはCDプレイヤー「マランツ CD5005」と昇圧トランス「DENON  αS1」を売却したので、今回が第3弾(最終)となります    今回処分するのは主にLPレコードを聴くためのオーディオ装置です

今回の処分のきっかけは、中山美穂さんが自宅の浴槽で急死したという12月6日のニュースでした テレビのニュースを見ていた娘がこぼした「わが家でも他人事ではないよね いつ何があるかわからない 大きなスピーカーや多数のレコードやCDがあるけど、後に残された者はどう処分したらいいか困ってしまう」という言葉です。現在、居間には幅68センチ ✕ 奥行き39センチ ✕ 高さ100センチの大型スピーカー「タンノイアーデン」(ペア)のほか、レコードプレーヤー、プリメイン・アンプ、FMチューナー、小型CDプレーヤー等がかなりのスペースを占めています 娘の主張は「たいていベッドに寝ながら小型オーディオ・セットで聴いていて、居間でレコードやCDを聴く機会がほとんどないじゃないの。大きなオーディオ機器を置いておく意味がないと思う」というものです 私が居間で聴かないのは、腰痛のためソファーに座らないようにしているからです したがって、娘の言う「聴かないのなら オーディオ機器を置いておく意味がない」というのはその通りなのです とくに大型スピーカーはベランダに出るガラス戸を塞いでいる関係にあるので、居間からベランダに出られないので邪魔になっているのです その一方で、「タンノイアーデン」は約40年前の独身時代にレコード・コンサートを通じて知り合った知人から「JBLのスピーカーを買うので、今まで使っていたタンノイをペアで15万円で譲る」と言われ、願ってもない提案だったことから喜んで買い取り、長年聴いてきて気に入っていたので愛着があります

(スピーカーの上にのっているのは音出し確認のために聴いたモーツアルト「弦楽五重奏曲ト短調K.516&ニ長調K.593」(アマデウス弦楽四重奏団+セシル・アロノヴィッツ)によるLPです)

     

さてどうすべきか 20数年前にLP・CD中心主義からライブ・コンサート中心主義に移行したこともあり、残された人生の中でレコードプレーヤーでLPを聴く機会はどれほどあるだろうか?と自問しました その結果、①当面、ライブ・コンサート主義からLP・CD中心主義に戻るつもりはない、②腰痛は当分完治しそうもないので、今後も寝ながら聴くのが中心となる、③娘の不安を少しでも解消したい・・・ということから、居間にあるオーディオ機器とLPレコードをすべて売却処分することにしました その旨、”趣味は断捨離”という娘に伝えると「誕生日プレゼントはいらないくらい嬉しい」と喜びました それを聞いた私は、「それほど大きい精神的な負担を与えていたのか」と今さらながら反省しました

人生には大きな決断をしなければならない時が何度か訪れます 今回はまさにその時です

ということで、とりあえずオーディオ機器を先に売却することとし、MC240を買い取ってくれた「オーディオランド」に連絡して、売却希望機器一覧をメールで送り、査定価格を出してもらったうえで、現物を見てもらいました

最初は約40年前に入手し、長年聴いてきたスピーカー「TANNOY ARDEN」です

     

     

次はターンテーブル「MICRO  BL-91」(ベルト・ドライブ) & トーンアーム「FIDEILITY-RESERCH  FR64」です

     

次は上からCDプレーヤー「TEAC  PD301」、FMチューナー「QUAD FM4」、そしてLPレコード500枚と物々交換して入手したプリメイン・アンプ「ROTEL  RX1050」です

     

最後はカートリッジ7本です

     

現物を見てもらい契約書にサインをして現金を受け取りましたが、当初の査定価格の通りでした 当方としてはこの日に機器一式を引き取ってもらいたかったのですが、年末で混んでいるとのことで来週27日(金)に改めて引き取りに来ると言われました。仕方ないですね

11月から12月にかけて売却したオーディオ機器は以下の通りですが、売却額は秘密です。悪しからず

     

ということで、今日はレコード引き取り業者が来るので約1500枚のLPレコードを引き取ってもらいます

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フランチェスコ・アンジェリコ ✕ 中村恵理 + 清水華澄 + ダヴィデ・ジュスティ + エギルス・シリンス ✕ 新国立劇場合唱団 ✕ 読売日響でベートーヴェン「交響曲第9番」を聴く

2024年12月19日 00時04分22秒 | 日記

19日(木)。1月19日(日)14時からの1月度N響Aプロが新国立オペラ「さまよえるオランダ人」と開演時間がダブるので、N響を前日の18日に振り替えました。2025年は何回振り替えするんだろうか

ということで、わが家に来てから今日で3628日目を迎え、米紙ワシントン・ポストによると、起業家イーロン・マスク氏の7月以降のXへの投稿に対する閲覧数は1330億回で、トランプ氏の15倍、米議員全体の16倍だったが、米大統領選でトランプ氏を支援したマスク氏がXでの発信力の高さを背景に政治的な影響力を強めている構図が浮かび上がる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     フォロワーでもないのにXにマスクの投稿が次々と届く 恣意的運用の極致と言える

         

昨日、夕食に「タンドリーチキン」「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」「シメジの味噌汁」を作りました タンドリーチキンは柔らかく焼けて美味しかったです

     

         

昨夜、サントリーホールで読売日響「第677回名曲シリーズ」を聴きました プログラムはベートーヴェン「交響曲第9番 ニ短調 ”合唱付き”作品125」です 出演はソプラノ独唱=中村恵理、メゾ・ソプラノ独唱=清水華澄、テノール独唱=ヴィデ・ジュスティ、バス独唱=エギルス・シリンス。合唱=新国立劇場合唱団、管弦楽=読売日響、指揮=フランチェスコ・アンジェリコです

指揮をとるフランチェスコ・アンジェリコは1977年、シチリア島のカルタジローネ生まれ モデナ音楽院でチェロを学び、2003年よりルガーノのスヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院で指揮を学ぶ 2013~17年にインスブルック・チロル響の首席指揮者、15~17年にインスブルック・チロル歌劇場の首席指揮者を務める

ソプラノ独唱の中村恵理は大阪音楽大学・同大学院修了。新国立劇場オペラ研修所を経て、2008年にアンナ・ネトレプコの代役として英国ロイヤル・オペラにデビューし一躍脚光を浴びる 2010~16年にはバイエルン国立歌劇場のソリストとして専属契約し、「魔笛」「ホフマン物語」などで主要キャストを務める 16年にウィーン国立歌劇場にデビュー、22年には英国ロイヤル・オペラに「蝶々夫人」のタイトルロールで出演し好評を博した

メゾ・ソプラノ独唱の清水華澄は静岡県出身。国立音楽大学・同大学院を首席で修了 新国立劇場オペラ研修所を経て渡伊。2007年に「仮面舞踏会」ウルリカで二期会デビュー。24年には佐渡裕プロデュースオペラ「蝶々夫人」スズキ役で出演し好評を博す

テノール独唱のダィデ・ジュスティはイタリア生まれ。フェルモ音楽院を優秀な成績で卒業し、レナータ・スコットらに師事 レナータ・テバルディ国際声楽コンクール第2位入賞など受賞歴多数

バス独唱のエギルス・シリンスは1961年、旧ソ連・ラトビア生まれ。ラトビア音楽アカデミーを卒業、ラトヴィア国立歌劇場にデビュー ワーグナーの作品を中心に世界中の歌劇場で活躍している

     

ベートーヴェン「交響曲第9番 ニ短調 ”合唱付き”作品125」はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1818年頃から24年にかけて作曲、1824年5月7日にウィーンのケルントナートーア劇場で初演されました   第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ、ウン・ポコ・マエストーソ」、第2楽章「モルト・ヴィヴァーチェ」、第3楽章「アダージョ・モルト・エ・カンタービレ」、第4楽章「プレスト ~ アレグロ・アッサイ」の4楽章から成ります

     

新国立劇場合唱団の混声コーラスメンバー56人がオケの後方にスタンバイします 次いでオケのメンバーが配置に着きますが、弦楽器は14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の並び。コンマスは林悠介です

ソリストの4人と指揮者が登場し、ソリストは合唱団の手前にスタンバイします 14日の佐渡裕 ✕ 新日本フィルの「第九」の時は第2楽章が終了したタイミングでソリストが入場しました   指揮者によってまちまちですね

アンジェリコの指揮で第1楽章に入ります     印象的なのは弦楽器、特にヴァイオリン・セクションの切れ味鋭いシャープな演奏です 速いテンポで演奏された第2楽章では、ファゴット、オーボエ、フルート、クラリネットといった木管楽器の好演に加え、ティンパニの鋭い打ち込みが演奏に推進力を与えていました 第3楽章は一番好きな楽章ですが、メロディーを奏でる第1ヴァイオリンと、ピッツィカートで盛り立てる他の弦楽セクションとのアンサンブルが美しく、心が休まります この曲のメインは何と言っても第4楽章です これまでのメロディーを全否定し、新しい音楽を求めます バス独唱のエギルス・シリンスが「おお、友よ この調ではない・・・」と歌い出します 良く通る声ですが、ほとんどワーグナーの楽劇を聴いているような気分でした その後、他の3人が加わりますが、テノール独唱のダィデ・ジュスティはまるでイタリア・オペラを聴いているような気持ちになりました ごく自然に第九を歌っていると感じたのは女性の2人でした

特筆すべきは新国立劇場合唱団の混声コーラスです とても56人で歌っているとは思えない訴求力で、迫力のあるコーラスを聴かせてくれました 私は、世界に通用する日本の合唱団はバッハ・コレギウム・ジャパンと この新国立歌劇場合唱団の2つだと思っています

満場の拍手の中、カーテンコールが繰り返されました

     

     

     

     

ところで、Xの投稿を見ていると、時々「第九」を5回も6回も聴いている人を見かけます もちろん別の指揮者、別のオーケストラを聴き比べて楽しんでいるわけですが、私にはちょっとついていけません 2回が限度です まあ、分からなくもないですが・・・というのは、私は「好きな曲はいろいろな指揮者やオーケストラで聴き比べたい」と思う方だからです 例えば、ベートーヴェンの「交響曲全集」のCDは、フルトヴェングラー、クレンペラー、セル、コンビチュニー、クリュイタンス、シェルヘン、ブロムシュテット、スイトナー、ワルター、ジンマン・・・と10種類以上揃えています したがって、同じような心境で複数の「第九」をライブで楽しんでいるのだと思います もう一つ12月に「第九」を何回も聴く理由は、日本では12月と言えば「第九」の季節で、極端な話 どこのコンサートホールでも「第九」しか演奏されていないからです 「第九」はオーケストラにとって最も集客力の期待できる=儲かる公演で、在京オーケストラのほとんどは1回だけでなく何回も演奏する傾向にあります その昔は「年越しの餅代稼ぎ」のために演奏していたと何かで読んだ記憶があります 今で言えば「冬のボーナス原資稼ぎ」のために演奏しているということになるかもしれません しかし、これはオーケストラ側の事情であって、聴衆側としては「第九のほかに選択肢がない」というのは困った状況です

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エド・マクベイン著「キングの身代金」(堂場瞬一 新訳版)を読む ~ 黒澤明監督「天国と地獄」の原作となった警察小説の金字塔

2024年12月18日 00時01分06秒 | 日記

18日(水)。わが家に来てから今日で3627日目を迎え、米ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は16日、ロシアによるウクライナ侵略に参加する北朝鮮兵について「かなりの犠牲者が出ている」と述べ、後方任務を担ってきた北朝鮮兵に関し「最前線への移動が今まさに始まった」との見方を示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     「ウクライナ戦で戦死するか 北朝鮮で餓死するか 選ぶ権利があります」金正恩より

         

昨日、夕食に大学時代の友人S君が贈ってくれた「鯖を塩焼き」にして、「生野菜とモッツァレラチーズのサラダ」とともに食べました 鯖は新鮮で美味しかったです

     

         

エド・マクベイン著「キングの身代金」(堂場瞬一 新訳版:ハヤカワ・ミステリ文庫)を読み終わりました エド・マクベインは1926年ニューヨーク生まれ。架空の街アイソラ市を舞台に87分署のキャレラ刑事らが活躍する「87分署シリーズ」のほか、本名エヴェン・ハンター名義の「暴力教室」など傑作を数多く発表した。1986年にアメリカ探偵作家クラブ賞巨匠賞を、1998年にイギリス推理作家協会賞ダイヤモンド・ダガ―賞を受賞。2005年没

製靴会社のたたき上げの重役ダグラス・キングは、社長の座をめぐって他の重役たちと対立している 重役たちは自分らの持ち株とキングの持ち株を合わせれば老社長を追い出せるとみて、キングを抱き込もうとするが、キング自身も密かに株を買い集めるために資金をかき集め、買い付け金を準備し、会社乗っ取りの一歩手前のところまできた そのとき、彼のお抱え運転手レイノルズの息子ジェフが誘拐される 誘拐犯は運転手の息子をキングの息子ボビーと間違えて誘拐したのだが、犯人はキングに身代金を払えと要求してくる 身代金を払う金はある。しかし、払ってしまえば株の買い占めは出来なくなり、権力闘争で敗北する キングは妻ダイアンや運転手らからジェフの命を助けるため身代金を払うよう懇願され、逡巡する スティーブ・キャレラら87分署の刑事たちは、電話の逆探知などにより犯人を追求する

     

本作は「警察小説の金字塔」と呼ばれる傑作ですが、本書を原作として黒澤明監督が「天国と地獄」(1963年)を製作したのはあまりにも有名な話です 原作と映画の共通点は①主人公が製靴会社の重役である(しかも名前が「キング」に対し「権藤金吾(キンゴ」)、身代金の引き渡しが移動中の交通機関でなされること(原作「走っている自家用車から投げ捨てる」と映画「走っている特急列車のトイレの窓から投げ捨てる」)といった点です

ミステリ評論家直井明氏が巻末の「『キングの身代金』余談」で次のように書いています

「マクベインの作品はいくつも映画化されているが、彼が気に入った唯一の作品が黒澤明監督の『天国と地獄』だった 彼は『クロサワが作ったのは彼自身の作品であり、”キングの身代金”から人違いの誘拐というアイデアだけを使って、彼自身のプロットを展開して素晴らしい映画を作った』と語っている

本書の物語の背景には「格差社会」が横たわっています 製靴会社の重役(上流階級)と最下層の犯人の社会・経済的落差です 犯人は貧困から手軽に脱出するための手段として”金持ちの家の子供の誘拐”を思いつくわけです。黒沢映画の素晴らしいのは、金持ちの権藤家を高い丘の上に設定し、犯人がみすぼらしいアパートの一室から見上げるシーンを映し出したところです

333ページの大作ですが、面白さに読む手が止まりませんでした ラストを読んで、首謀者にも五分の魂があったか、とほっこりしました ミステリーファンに限らず 広くお薦めします

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