22日(土)。わが家に来てから今日で3448日目を迎え、東京都知事選の選挙ポスターに同じ人物やデザインのポスターが多数貼られ、有権者に困惑が広がっているが、政治団体「NHKから国民を守る党」は、団体に寄付した人の作ったポスターを掲示版に貼っているとしており、制度の隙間を衝いた掲示板の目的外使用との声も上がっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです
N国党の目的は金儲け その候補者の目的は売名行為だろうから 無視することにした
昨日の夕食は焼肉にしました たまにはいいでしょう 隔週金曜日の「鶏の唐揚げ」の時にだけ飲むサッポロCLASSICですが、たまにはいいでしょう いつもながら なし崩しの人生やってます
昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「第24回すみだクラシックへの扉」公演を聴きました プログラムは①ガーシュイン(ベネット編):交響的絵画「ポーギーとべス」より抜粋、②同「ラプソディ・イン・ブルー」、③マルケス「ダンソン・ヌメロ・ドス(ダンソン第2番)」、④ガーシュイン「子守歌」、⑤同「パリのアメリカ人」です 演奏は②のピアノ独奏=小曽根真、指揮=ヤデル・ビニャミー二 です
ヤデル・ビニャミー二はイタリア・クレーマ生まれ。ピアチェンツァ音楽院で学ぶ。現在、デトロイト交響楽団音楽監督を務める
この日も会場は満員御礼です 新日本フィルは新シーズンに入って、定期演奏会も扉シリーズも満員御礼が続いています。素晴らしいですね
オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び コンマスは西江王子、隣はアシスタント・コンマスの立上舞です
1曲目はガーシュイン(ベネット編):交響的絵画「ポーギーとべス」より抜粋です この曲はジョージ・ガーシュイン(1898-1937)が1934年から35年にかけて作曲した同名オペラから、ガーシュインの仕事仲間ロバート・ラッセル・ベネットが11曲抜粋した作品です
オペラ「ポーギーとべス」は1920年代初頭のアメリカ南部を舞台に、ギャンブルで生計を立てる 足の不自由なポーギーと、彼に匿われたことをきっかけに愛し合うようになった情婦ベスを軸に、貧しい黒人たちの生活を描いています 本公演に先立って開かれた小室敬幸氏の「60分ワンコイン講座」によると、この作品は、アメリカを代表するオペラであるが、同じ貧困をテーマとするアルバン・ベルクのオペラ「ヴォツェック」の影響を受けているとのことです これは意外でした
ビニャミー二の指揮で演奏に入りますが、冒頭から弦楽器のキラキラした演奏を中心にゴージャスなサウンドが展開します とくに、このオペラの代名詞的な「サマータイム」は、最初に弦楽器によりソフトに演奏され、続いて神農広樹のオーボエにより抒情的に演奏されますが、この演奏が素晴らしかった 全体的にジャズのビッグバンドのオーケストラ版といったスケール感のある演奏でした
2曲目はガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」です この曲は1924年に作曲したジャズのイディオムとクラシックの協奏曲形式が融合した異色の作品で、実質的にピアノ協奏曲です ガーシュインは18日間で2台ピアノのスコアを完成させ、ファーディ・グローフェが管弦楽へ編曲しました この曲は当初「アメリカン・ラプソディ―」という題名を予定していましたが、兄アイラのアイディアによって「ラプソディ・イン・ブルー」に変更されました
小曾根真がピアノに向かい、ビニャミー二の指揮で演奏に入ります 冒頭は独奏クラリネットが低音から高音まで一気に駆け上がるグリッサンドで”ガーシュイン節”を奏でますが、客演の中氏のグルーブ感溢れる演奏が素晴らしい また、山川永太郎のトランペットも冴えています 小曽根のピアノとオケとの丁々発止のやり取りが続きますが、お約束のカデンツァに入ります さて、ここからが分からなくなりました いったいどこまでが楽譜通りで どこからがカデンツァなのか? そして、いったいカデンツァはいくつあるのか?・・・それほど、小曽根の演奏は自由奔放・変幻自在で、ほとんど全曲がアドリブのカデンツァではないか、とまで思ってしまいます 個人的には”最長不倒”のラプソディ・イン・ブルーで、まさに”インプロビゼーションが命”の「小曽根ワールド」全開でした
文字通り満場の拍手とブラボーの嵐にカーテンコールが繰り返されますが、小曽根はいつも通り 客席から管楽器のメンバーが見えるようにピアノの蓋を閉じます これは小曽根ならではの気遣いです 演奏後の小曽根の配慮を「あ、蓋ーサービス」と名付けることにします
小曽根はクラリネットの中氏をステージ前方に呼んで、オーケストラをバックに、自身の作曲による ”モーツアルトが父親の夢を見ている” という内容の曲「M’s Dream」(だったと思う)をファンタジックに演奏、再び大きな拍手を浴びました どこまでも”リスナー・ファースト”のエンターテイナー小曽根真でした
プログラム後半の1曲目はマルケス「ダンソン・ヌメロ・ドス(ダンソン第2番)」です この曲はメキシコ生まれのアルトゥロ・マルケス(1950~)が、メキシコ先住民たちが白人中心の価値観に抗おうとした1994年1月の「サバティスタの乱」に共感して作曲した作品です 「ダンソン」とは「コントルダンスとその派生であるハバネラから発展したキューバやメキシコのダンス」を指します この曲は、ベネズエラの指揮者グスターボ・ドゥダメルが2006年に発売したCDに収録したことをきっかけに一躍有名になりました
演奏は、拍子木のような打楽器クラベスによって繰り返されるリズムに乗せて進んでいきます 管楽器も弦楽器もノリノリの演奏を繰り広げますが、打楽器陣が大活躍し、圧倒的なフィナーレを飾りました
2曲目はガーシュイン「子守歌」です この曲はガーシュインが1919年に作曲した弦楽四重奏曲の一部を弦楽オーケストラ用に編曲したものです
穏やかで優しさを感じる曲想で、西江王子のヴァイオリン、長谷川彰子のチェロが抒情的で素晴らしい また、この2人に第2ヴァイオリン首席のビルマン聡平とヴィオラ首席の瀧本麻衣子を加えた弦楽四重奏も心に沁みる演奏でした
最後の曲はガーシュイン「パリのアメリカ人」です この曲はパリ滞在中の1928年に作曲、同年ニューヨークで初演されました ガーシュインはこの曲について、「パリを訪れたアメリカ人が街を散策し、様々な街のノイズに耳を傾け、フランスの雰囲気に魅せられていく印象を描写する」のが目的だったと語っています 彼はパリからタクシーのクラクションを持ち帰っており、曲の前半に登場させています
ビニャミー二 の指揮で演奏に入りますが、軽快な足取りが目に見えるようです やがてタクシーのクラクションがけたたましく鳴らされ、アメリカ人が右往左往する様子が描かれます クラリネットの中、オーボエの神農、フルートの清水(客演)、イングリッシュホルンの森といった木管楽器群が素晴らしい演奏を繰り広げ、金管楽器もトランペットの山川をはじめ、バストロンボーンの鈴木、テューバの佐藤が冴えていました
満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されました ビニャミー二 ✕ 新日本フィルはアンコールに ポンキエッリの歌劇「ラ・ジョコンダ」より「時の踊り」をノリノリで演奏、再び満場の拍手を浴び、会場の温度を上昇させました