27日(水)。わが家に来てから今日で3606日目を迎え、ウクライナ支援に消極的とされるアメリカのトランプ次期大統領の就任を控え、イギリスとフランスがウクライナへの軍隊の派遣について議論している というニュースを見て感想を述べるモコタロです
軍隊か民間軍事会社の派遣を考えているみたいだが だんだんキナ臭くなってきたな
昨日、夕食に「エビの肉巻き」「生野菜とアボカドとモッツアレラチーズのサラダ」「大根の味噌汁」を作りました 海老の肉巻きは本当はパプリカを添えたかったのですが、2つのスーパーで売り切れていたのでピーマンを使いました
米澤穂信著「米澤屋書店」(文春文庫)を読み終わりました 米澤穂信は1978年 岐阜県生まれ。2001年「氷菓」で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞しデビュー 11年「折れた竜骨」で第64回日本推理作家協会賞、14年「満願」で第27回山本周五郎賞、21年「黒牢城」で第12回山田風太郎賞、22年に同作で第166回直木賞を受賞 ほかに「インシテミル」「Iの悲劇」「儚い羊たちの祝宴」など多数
本書は米澤穂信が学生時代から現在まで20年にわたり読んできた本を巡るエッセイ・書評・対談を一堂に集めたものです
430ページを超える本文の中で紹介されているのは約350人の作家、約700冊のミステリー作品です 巻末に書名・作家名別に索引が掲載されているので、エッセイや書評などで誰のどんな作品を取り上げているのかが確認できます あまりにも広範囲にわたるので、何をどのように紹介すればよいのか悩みます
米澤は最初に「ご挨拶より本の話をしませんか」というタイトルで、自己紹介代わりにいきなり好きな作品を10作(順不同)挙げています
①綾辻行人「時計館の殺人」
②泡坂妻夫「乱れからくり」
③辻真先「白雪姫の殺人」
④梶山季之「せどり男爵数奇譚」
⑤横山秀夫「第3の時効」
⑥恩田陸「ユージニア」
⑦天藤真「大誘拐」
⑧山田風太郎「明治断頭台」
⑨伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」
⑩北村薫「六の宮の姫君」
これらの作品のどこが素晴らしいのか、なぜ好きなのかについて解説しながら、他の作品との比較を行っています このうち米澤が作家デビューする上で大きな影響を受けたのは綾辻行人と泡坂妻夫の2人の作家であることが分かります
米澤は「ミステリを読む楽しみ」について、「知と理の文芸であるというところがたまらない魅力です」と語っています どんなミステリーも理屈にかなう解決法・解釈でなければ読者は納得しないでしょう
著者はデビュー当時、書店に勤めていたそうで、全国の書店が減少していくことに対し考えるところがあるようです 彼は次のように語っています
「需要の一部が通信販売に置き換えられた以上 本屋の数は減らざるを得ないし、実際に減ってもいる しかしそれでも、本屋が絶滅するとは思わない 本屋に行くのは欲しい本を買うためでなく、欲しいと思っていなかった本が欲しくなるからなのだ 知らない本と出会う楽しみを忘れがたいから私は本屋に行くし、それこそが本屋にしかない代替不可能な楽しみだと信じている」
これは良く分かります 私の本の選び方は①新聞の書評を読んで興味をもった本を買う、②書店でクルージング(書店を徘徊することです)しながら面白そうな本を探し、直感で選ぶーという2通りです。ネットで注文したことは一度もありません
対談は次の4本が収録されています
①心に刺さるミステリー10冊+2( ✕ 柚月裕子)
②笑えるミステリー10選( ✕ 麻耶雄嵩)
③ミステリーにとって必要なものは何か?( ✕ 有栖川有栖)
④創作と自分( ✕ 朝井リョウ)
米澤は最後に「ご挨拶より本の話をいたしましょう」を置き、「あとがき」に代えて海外の作家によるミステリーを10作選んで紹介しています
①アント二イ・バークリー「最上階の殺人」
②アガサ・クリスティー「杉の柩」
③ダシール・ハメット「血の収穫」
④ラッセル・ブラッドン「ウィンブルドン」
⑤エド・マクベイン「キングの身代金」
⑥ロバート・ファン・ヒューリック「紗蘭の迷路」
⑦E・L・カニグズバーグ「クローディアの秘密」
⑧ミルチャ・エリアーデ「ムントゥリャサ通りで」
⑨ヒラリー・ウォー「失踪当時の服装は」
⑩サー・アーサー・コナン・ドイル「シャーロック・ホームズの冒険」
米澤はここでも、なぜこれらの作品が好きなのか、どういう点が素晴らしいのかについて解説しています 解説を読むとどの作品も無性に読んでみたくなります
全編を読み終わって思うのは、本書で紹介された作品のうち実際に読んだことがある本は限りなく少ないという事実です 本が好きだとか、ミステリーが面白いとか言っても、プロの作家にはとても敵わず「井の中の蛙大海を知らず」であることを思い知らされます 本の世界も「読めば読むほど知らない本が増えていく」ということでしょうか
米澤穂信ファンはもちろんのこと、ミステリー・ファンには特にお薦めします
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