高尾山 薬王院・本社
薬王院は高尾の山の中にある。山頂へは、この境内を通り、登っていく。
秋の綺麗な空に誘われて、高尾山に行きました。もう何度か行ったので、物珍しくもないと思っていたところ、驚きがありました。人、人、人、人。どこへ皆、行脚して行こうというのか。
ケーブルカーは何十メートルも、横数人ずつの列で続いていました。大晦日から元旦の初詣のように人が並んでいる。いつもは乗るケーブルカーを諦めて、ハイキングコースに回りました。登山と言えば緩やかですが、散歩と言えばかなりきつい勾配のある坂です。頂上まで90分。その路も、行脚の行列で埋め尽くされてました。
きつめの坂道には若い男女、男同士と女同士、親子、中高年からちょっとお年寄り、ベビーカーの子まで・・・。そして、ほんとに目立ったのは外国人の多いこと。アジア系の人も少なくないけど、欧米人の多さ。なんか、ロスアンゼルスかどこかの観光地に来たような気がしてきました。京都や奈良、鎌倉ならいざ知らず、こんな(と言ったら怒られるでしょうか)山に、よく来ましたねえ、という感じです。
ついこの間(?)まで、高尾山といえば、中高年の方のハイキングコース、親子連れ、その中にポツリと、ディズニーに行きそびれた若い人が来ている感じの賑わい程度でした。観光客はそこそこいましたが、ちょっと並べばケーブルカーやリフトにも乗れたのです。山頂は好天で、富士山が見えますが、さほど広くはない頂の広場に、やはりイベント開催のように人がかたまっていました。
先ほどから思い立っていたのですが、どうもこれは、ミシュランの「3ツ星観光」にあるようです。日本の山では富士山とこの高尾山が3ツ星観光地に指定されたとのこと。おかげで、テレビの旅番組でもよく取り上げられているようです。手ごろの場所で、紅葉時期、3ツ星のお墨付き。これなら、若き人も外国の人も来てみるのは分かります。
前に来た頃は、山頂に着いても閑散として、「若い人は、休みの日にはこういう所に来ないで、都心に行っちゃうんだろうねえ~」なんて言いながら、のんびり散策していたのがウソのようです。世界遺産とかに指定されると急に観光客が増えて土地が荒らされてしまうということをちらと聞いたりすると、経済的に土地が潤うこともいいことだし、いつまでも賑わってほしいと思う反面、すぐに荒れたり廃れたりしないで、とも思います。
烏天狗・大天狗(高尾山 薬王院)
薬王院は、真言宗のお寺です。四天王門の前、本堂そして本社の前と、大天狗と烏天狗が対になって3ヵ所で立っています。本社の前の両脇に立っているのが有名でしょうか。これは修験道の山伏の姿からきているもので、天狗像は神格化されたものです。もとは不動明王に仕える随身(護身の家来)です。本社は、改めて見ると色鮮やかに朱を主体に塗られ、柱と柱を渡す梁の木に彫られた鳳凰、龍、獅子などの鳥獣、壁面に描かれた仏道の絵に眼が惹かれます。
アメリカの女子高生なのか、ひとり群れから離れ、四天王像や仁王像、天狗の像や壁画など、熱心にカメラを向けているのが印象的でした。大きな身体の外国青年が、みやげ屋の饅頭を一口、おいしそうに食べているのを見ると、こちらも幸せな気分になり、「国際観光地」高尾山がこれからも賑わうようにと願いました。
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