★真夜中のひとりごと★

二児の母「たっちー」のひとりごとです。

3月24日:戸籍続柄裁判控訴審 判決

2005年04月04日 | ★夫婦別姓
非嫡出子区別記載、プライバシー侵害せず 東京高裁判決 (朝日新聞) - goo ニュース

先にも書きましたように、東京高等裁判所に判決を見に行きました。

「主文を読み上げます。本件控訴を棄却する。」

判決を言い渡した太田幸夫裁判長は、棄却の理由もまったく読まず、なんとも短い悪意に満ちた、まるで吐き捨てるかのように言い放った判決でした。判決を言った後、足早に去っていきました。その歩き方はまるで、
「こんな面倒なことで、国や俺をわずらわせるんじゃない!」
とでも言いたげな、門前払い状態でした。

そんな腹の立つ判決の後、報告会で判決文の詳しい解説を聞きました。
この報告会で、身の程知らずな私は原告のお二人のすぐ横に座っていました(笑)
なんとも光栄なことで、嬉しかったです。

法律をご存知の方が判決文を解説してくれたのですが、その方が判決文を読まれた印象では、その判決文はなんだかひどい文章で、作文をもう少し勉強したらと言う感じだと言っていました。さらに文の中には「非嫡出子」と「嫡出でない子」という書かれ方が両方あったそうです。法律家ともあろう者が、統一した書き方すら出来ないだなんてね。

棄却判決の理由は、大まかに2つありました。

 理由1.何をしてほしいかが明確でない。
 理由2.嫡出子と嫡出でない子の民法で規定している相続分配の差別化は合憲である
     との最高裁判決により、この戸籍上の表記も必要なことである。
     よって、プライバシー侵害に値するとは到底言えない。

理由1については、「戸籍の表記をすべて統一してほしい。」と訴えているので、明確でないと言われるのはなにやら理由になっていないような気がします。

理由2については、最高裁の判決が差別化は合憲だからという理由を持ち出してきましたが、最高裁の賛否は、たった一人の差だったとか。さらにプライバシー侵害は、戸籍の扱いがまだ結構ずさんで、下手をすれば誰でも見られるような状態ならば、プライバシー侵害とは「到底言えない」と強くいうのもなんだかおかしな話です。さらにこの4月から個人情報保護法という法律が施行される直前だったのに関わらず、それ以前のものは無視というのもおかしい。
そして、相続の区別をするために表記を分けている、と言うが、去年の11月1日の戸籍法の改正で、嫡出でない子も、嫡出子と同じ、長男長女表記になってしまったから、これも理由にするにはおかしい。しかし、それは法務省側が独自に行ったことで、今回の裁判を受けてではないから関係ないと言う。
さらに、国際条約違反と原告が主張するが、それは戸籍の表記や相続差別の事など、細かく指摘していないから違うとか、もうなんだか理由と言うより、いいわけやこじつけ状態がならぶ判決文でした。

理由2の相続差別を表している民法の条文を下に表します。

【民法第900条】
同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、左の規定に従う。
1.子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
2.配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
3.配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
4.子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。但し、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。

実は、婚外子相続差別があるのは、日本とフィリピンだけらしいと、別姓を考える会の別姓通信に書いてありました。本当にそうなのか調べるための手段と資料を私には持ち合わせていないので、「だけ」と断言できないのですか、他の先進国が差別相続させていないのなら、それに合わせてもいいのではないかと思います。

私が、ごうさんのにっちゃぱんじ:差別と区別と戸籍と婚外子との記事で、コメントしたように、夫の隠し子や腹違いの子に嫌な感情を抱くのは、もしかしたら女性の結婚改姓思想と一緒で、長年テレビや周囲の大人たちからそう教えられてきて、法律の概念が自分の中に無意識化してしまっているのかもしれないなぁと感じました。

現に、自分に腹違いの兄弟がいたらと考えたとき、そういうテレビドラマを思い浮かべてしまった。テレビドラマとは人の考えを洗脳するんだなぁと恐ろしくも感じました。

しかし、こうした社会問題を色々ずっと考えていたら、最近正常に思考ができなくなってきました(笑)ちょっと考えすぎたみたいです。しばらく夫婦別姓や婚外子問題のことを考えるのは休もうかなと思います。自分の中で考えがある程度まとまって、書きたくなったら、また書こうと思います。

ですが、原告のお二人には、なんとか頑張って欲しいと思います。
他の訴えたくても訴えられない人たちのために。こどもたちのために。
お二人のされていることは本当に偉業だと思います。
この国が、よりよく変わっていってくれること、
そして、世界に平和が広がり、続いていくことを私は祈っています。

この記事を読んでくださっている皆さんもこれをきっかけとして、少しでも自分のこととして、考えて欲しいと思います。みんなが幸せになるにはどうしたらいいのか、じっくり考えて欲しいです。
コメント (1)
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