昔、雪解け、春が来て
渓流、ヤマメやイワナを釣りに出かけ
水芭蕉があったら、
一にも二にも、そこからできるだけ遠くに走る。
きれい美しいと感慨にふけるのは禁物。
水芭蕉は、クマに取って、冬眠中の便秘を
きれいさっぱり、取り除いてくれる絶好の下剤薬。
周りにクマ笹があったら尚更。
クマ笹も毒素を取り除くのであります。
今日見た水芭蕉は箱根で。
強風でしたが仙石原の野焼きを見ながら、
久しぶりにゆっくりした一日でした。
カッコウの声に呼ばれて行くと
ひょっこり出会った山の池に
白い花 白い花
水芭蕉の花たち
心も明るくぱっと咲いた
咲くということはどの花も
それは見事で愛しい
水芭蕉の花は 水芭蕉の花は
清純に可憐に
今夏をはにかみながら呼んでいるのだ
可愛いキャンドルには
オレンジ色の灯をつけて
冷たく澄んだ水鏡に
花の心をうつす
水芭蕉には白い優しい手もある
ぽうっとともっている炎を
近寄ってくるいたずら風に
消されないようにかざしている
詩 三越佐千夫