良く有る郊外にある古いアパートを舞台にした物語のようなタイトルだけど、常夏荘と言うのは峰生という浜松の山奥にある村にあるお屋敷の名前。
伊吹有喜はずっと好きだったけれど、読み始めて「娘が巣立つ朝」に続いてまた合わない作品かも・・・と思いつつ読んでいくと最後の4分の1くらいで面白くなる。
主人公代わりながらが捉えどころのない話がグダグダ続くので、物語のテーマがさっぱり見えてこない。
その上冒頭に主人公達の家系図が載っているけれど、ここに書かれていない良く関係の分からない分家(?)の人達をはじめ、峰生と東京それぞれに登場人物が大勢いて整理が追い付かない。
半分混乱しながら読み進めると、ネコが登場する辺りからようやくそれぞれの登場人物像が分かってくると同時に話が見えて来る。
そこからは楽しく読めるけれど、すぐに終わってしまう。
読みながら理解しろ・・って書き方でなく、登場人物や物語の背景を早い段階で説明してもらえたら最初から楽しめたのかも。。
2024.8.8
ポプラ社