黒蟹県を舞台とした短編集。
最初の作品がイントロダクションのような内容だったので、そのまま話が続いていくのかと思ったら、次は全く関係の無い話で短編集と気づいた。
1作おきに「神」が登場するほか、登場人物達も微妙に重なったりしているけれどそれぞれの話は完全に独立している。
神が登場する話は何となく完結してる感じだけど、そのほかの話は最初の話と同様に中途半端な感じで終わっている。
短編集じゃなくて一つの長編、または話がもう少し繋がる感じの連作短編集って形にした方が良かったと思う。
今まで読んだ絲山秋子の作品の中では一番良かった、と言うかはじめて良いと思った作品。
2023.11.10
文藝春秋