「土の中から叫んでいた」 創世記 4章1~12節
神さまは、兄カインの捧げ物に目を留められませんでした。しかし、弟アベルの捧げ物は、目に留められました。そのため、兄カインは、とても腹が立ちました。カインは、神さまになだめられても怒りが収まりませんでした。そして、アベルを野に誘い出し、襲って殺してしまいました。
「勝てば官軍」という諺があります。戦いに勝利すれば、悪者でも正義になるという意味です。カインは、アベルの死をもって、アベルとの戦いに勝利しました。それによって、自分は正義だと思ったのではないでしょうか。けれども、神さまは、殺されたアベルが土の中から叫んでいると言って、戦いに勝利することがイコール正義ではないことを教えられました。
私たちは、神さまに理由を尋ね求めることが多いように思います。この場合は、なぜカインの捧げ物に目を留められなかったのか、その理由は何かということです。しかし、神さまに対する向き合い方とは、神さまが捧げ物に目を留められなかった理由を尋ね求めるのではなく、その事実を謙虚に受け止めて、神さまが捧げ物に目を留めてくださるように自分の生き方を変えてみるということではないでしょうか。