融通無碍 翼を休めてみませんか

新温泉町浜坂にある日本キリスト教団浜坂教会の
牧師日記

「私たちの間に」

2023年10月20日 | 聖書のお話

「私たちの間に」 ルカによる福音書 17章20~27節

 世界を見渡してみたとき、「神の国」を建国するという理由で、すでにそこに住んでいる人たちを追い出したり、殺してでも目的を実現させてかまわないと考える人たちがいます。宗教は、自己利益のために、差別したり他人を不幸にしてもかまわないという傲慢さを内包しているのです。

 ナチスドイツは、ユダヤ人を絶滅せんとして大量殺戮を行いました。その思想はナチスドイツのみならず、「ネオナチ」として現代でも広がっています。こんにち、イスラエルがパレスチナ住民に対して行っている大量殺戮は、かつて自分たちが受けたのと同じことをしていると言えなくはないでしょうか。

 ファリサイ派の人々が、「神の国はいつ来るのか」と尋ねたので、イエスさんは「神の国は、見える形では来ない。『ここにある』『あそこにある』と言えるものでもない。実に、神の国はあなたがたの間にあるのだ。」と答えました。

 悲しいかな、私たちが作り出す目に見える国は、略奪、破壊、殺戮を繰り返すばかりです。なぜなら、私たちの間に自分を愛するように他人を愛するという心が皆無だからです。イエスさんは、互いに愛し合う者の集まるところが神の国であると教えています。

 


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