車内に入りますと、座席は江戸紫と称する青味の強い紫色になっており、青海波、鹿の子、紗綾形に市松などの江戸の伝統文様が織り込まれています。座席の取っ手や仕切りに使われている木も温かみを感じさせます。
間接照明を採用している天井は波打つ形をしており、隅田川の流れをイメージしているとか。
また、窓柱にも木が使われており、そこには大きなトンボの形をした金属装飾が。これも江戸の伝統文様で、縁起のいい文様だそうです。随所に江戸を感じさせるデザインは浅草から出発して、江戸のテーマパーク日光へ向かう列車を意識していますね。
車内を観察しているうちに列車は浅草を発車。北千住で満席になったあと、日光、会津を目指します。しかし、走り始めてしまうとなんだか普通の特急列車の感じ。スペーシアと比べてしまうと格落ちな感じで、りょうもう号に近い雰囲気です。窓も天地方向が狭く感じ、こちらもスペーシアとは違います。通勤特急にも使われる汎用タイプの特急列車ゆえでしょうか。
そんなことを考えているうちにいつの間にか寝ていたらしく、気がつけば栃木を過ぎていました。下今市に到着して連結部分へ向かいます。
切り離しの際には貫通幌と貫通扉は自動で閉まるらしく、会津田島行きが一足早く貫通扉を仕舞って発車準備完了。
しかし、東武日光行きの編成の貫通幌が出っ放しです。どうやら貫通扉を両編成仕舞わないと連結器が切り離せないらしく、駅員さんと係員があたふたしています。反対側ホームに止まっていた東武日光行き普通電車の車掌さんが見兼ねて鍵を貸していました。無事に貫通扉を仕舞って発車準備完了です。運行開始から約1ヶ月。まだ不慣れなところもあるようです。
会津田島ゆきが発車して行くと、後を追うように東武日光ゆきも発車して行きました。ホームががらんとすると急に冷え込みを感じます。半袖では寒いくらいでした。しかし、下今市駅には今話題の列車と車両がいます。
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