ウルトラマンネクサスの世界は地球防衛組織TLTが情報統制を
敷いておりビーストによる被害を受けた跡はホワイトスイーパー
といわれる部隊が存在するだけでなく、直接被害を受けたり目撃
したりした者をメモリーポリスが記憶消去するなど徹底している。
その様子は姫矢編でいかんなく描かれておりゴルゴレム編でビー
スト事件でゴルゴレムから捕食された保呂草は酔っぱらって崖下に
転落死したという形で処理され、遭遇したグラビアアイドルの七夏
やカメラマン助手の潤平は記憶消去されていた。
そういった流れを受け継いだ憐編は最初ではあるものの雰囲気が
違ったのだが、今回は怪物バンニップ伝説として一般人達には受け
継がれているのが分かる。
バンニップ伝説とは一つ目の鳥に遭遇した者はバンニップから殺
され、一つ目の鳥の姿を見た生存者は記憶を消されるというもので
ビーストを見た者が記憶を消されるという事を暗示している形だ。
面白いのがバンニップ伝説についてはMPの面々も意外に気にし
ている事で、どんなに情報統制を敷いても人の口に戸は立てられな
いという事を示しているのだが伝説の出所を推測してみると姫矢編
で根来甚蔵を匿ったUFO研究家の山田太一郎・青野康・広川武雄ら
の面々に行き着く。
彼らはビースト事件について妙に詳しく根来を驚かせたわけだが
根来が保呂草の写真をスポーツ紙に載せるようなマネをするのでは
なく、ヨタ記事の中に真実の情報を混ぜて流す事でMPを含めた情
報機関のチェックをすり抜けられると語っていた。
つまりビーストをバンニップという怪物に見立て、これを見た者は
記憶を消されるという形で発信し広げていたわけである。
残念ながらバンニップ伝説について触れられたのは憐編の最初の
部分だけで途中からは全く登場しなくなったわけだが、放送短縮が
なければMPとUFO研究家3人組との何らかの絡みがあったかも
しれないと思うのだ。