40年前の5月5日に最終回を迎えた人造人間キカイダーの魅力は途中から
登場したハカイダーなどが語られるが、やはり悪の組織ダークの首領プロフェッ
サー・ギルを演じた安藤三男の魅力抜きには語れないだろう。
プロフェッサー・ギルが他の敵キャラと違うのは生身の人間だという事。
ショッカーの大幹部であるゾル大佐や死神博士らはオオカミ男やイカデビルと
いった怪人体を持っているし、イナズマンのバンバやバロム1のドルゲなども
人間ではないのに対しギルは最後まで変身しないという特徴を持つ。
当時のボス系は最後は怪人体となって最強の敵キャラとしてヒーローと最終
決戦に挑むというパターンがあった。
このパターンでは人間体よりも変身した怪人体の方がインパクトが強いのに対し、
ギルのように人間体のみのキャラは演じる役者の演技力が絶対条件だ。
そのギルを演じた安藤三男は見るからに迫力満点だったし
‘ギルは日の当たらないところで機械に囲まれながら暮らして
いるのだから、放映回が重なるごとに顔色を蒼白に、痩せて
見えるメイクをして欲しい’
とメイクスタッフに注文したというらしいのだが、実際に後から見直すと番組前半と
後半では表情に鬼気迫る雰囲気になっている。
最後はキカイダーと戦う事なく追い詰められて基地と共に自爆したという結末も
他の作品とは一線を画していた。
こういった怪優は天本英世や地獄大使の潮健児らがいるのだが安藤三男のギルを
見たら、天本氏らのイメージが沸かないものだ。