今から18年ほど前に出版された空想科学大全の中で、ヒーローの
法則として「ヒーローは卑怯な戦い方をしてはならない」いう項目
があった。
これはウルトラセブンのように等身大から巨大化と体のサイズを
自由に変えられるヒーローが等身大の敵を巨大化して踏み潰すとい
うような戦い方をしておらず、仮にそういう戦い方ができてもヒー
ローはやるべきでないという形で記されていた。
たしかにウルトラセブンは等身大でしか登場しない敵に対し巨大
化して踏み潰すようなマネはせず同じサイズで戦っていたのだが、
その禁を破り敵を踏み潰しはしないものの富士山よりも巨大化して
戦ったのが宇宙猿人ゴリに登場したスペクトルマンだ。
20話の怪獣バクラーの巣をつぶせの中に白アリのような怪獣・
バクラーの巣をスペクトルアイで富士山の火口にあるのを発見し、
富士山よりも巨大化して数個のガスタンクを投げ入れて爆破させ
バクラーの巣を潰す事に成功するという荒技を披露した。
もっともこれだけの巨大化は当然のようにエネルギーを著しく
消耗させるようで、しばらく戦闘不能になってしまった。
更に富士山よりも巨大化するというパターンは このEP限りだっ
たのを考えると、巨大化し過ぎる戦い方というのは特に小よく大
を制するという日本人の美意識に沿わないようで強いて挙げれば
ウルトラマンネクサスのEP1で等身大のペドレオンを巨大化した
ネクサスが叩き潰すというシーンがあったぐらいである。