ミラーマン1話:ミラーマン誕生

 最初にサブタイトルの文字がテレタイプのように出てくるのが‘オッ’と思わせ
たし、これは後から知ったのだが帰ってきたウルトラマンに続いてゴジラシリー
ズの本多猪四郎監督が演出を担当している。

‘1980年代・・・・私達の地球は重大な危機に直面していた、
何とも説明のつかない異常な現象が この地球上で続発して
いた’
というウルトラセブンのナレーターでもあった浦野光の冒頭のナレーションを
聞くと
‘1980年すでに人類は地球防衛組織SHADOを結成していた’
という謎の円盤UFOを髣髴させるし、事実UFO同様 世界各地で起こる大旋風
などの異変がインベーダーの仕業だったという形で既に侵略者から地球が攻め
込まれているというのがミラーマンの世界というのを実感する。

 新聞社のカメラマンである主役の鏡京太郎は 大旋風で街が1つ吹き飛んだ
現場に急行して取材中 何者かに襲撃されたのだが、鏡の破片が反射した太陽
の光で助けられ しかも鏡の破片を投げつけると壁から緑色の液体が流れ落ちる
というシーンも秀悦だった。

 つまり壁にはインベーダーが隠れていたのだ。

 ちなみに これが京太郎とインベーダーのファーストコンタクトになるのだが、
そこに調査に来ていた京太郎の育ての親・御手洗博士が主宰するSGMのメン
バーがやって来て半透明の円盤を確認し京太郎は写真撮影に成功する。

 その話を聞いた御手洗博士は京太郎を部屋に呼びミラーマンの子供だという
衝撃の事実を告げる。

 京太郎は2次元の住人だった父と地球人で御手洗博士の助手をしていた鏡
優子との間に生まれたのだが、母は京太郎に危害が及ぶのを恐れて博士に京太
郎を預けて姿をくらましているという。

 動揺する京太郎は部屋の鏡に吸い込まれ ここで死んだはずの父親と遭遇し
‘お前がミラーマンとなって人類をインベーダーから守れ’と告げ、形見の
ペンダントを託した。

 やがて御手洗邸にインベーダーが侵入し円盤を撮影したフィルムを盗み出し、
追い詰められると円盤からの光線を受けてアイアンに変身し街を破壊し始めた。

 京太郎は父の声を聞きミラーマンに変身してアイアンと戦い、苦戦するものの
父のアドバイスでミラーナイフを発射して倒したのだった。

 サングラスをかけて黒づくめの姿で壁をすり抜けたりしながら暗躍するインベー
ダーはインパクトが強く、人間体から円盤からの光線を受けると怪物化するという
のも これまでの円谷作品では珍しかった。

 仮面ライダーのショッカーみたいなシリーズを通じての敵といえば円谷作品では
ウルトラマンエースの異次元人ヤプールが有名だが、ヤプールよりも4ヶ月前に
レギュラーの敵が最初に登場しているのも画期的だろう。

 しかもガッツ星人の円盤のような半透明のデザインの円盤も素晴らしいし、夜の
街中で銀色を基調にしたミラーマンと金色の金属生命体のようなアイアンの対比
も秀悦だ。

 また御手洗博士が提唱して作った分析チームのSGMの紹介もSGMのテーマを
スローで流す演出で重厚さを醸し出しているし、博士の邸宅の地下に基地がある
というのも人知れず侵略してくる敵と秘密裏に戦っているという感じを訴えている。

 こうして次回以降に期待を持たせてミラーマンは始まったのだった。
 

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
今思うと… (柴田真紀)
2011-12-07 01:21:33
一生懸命『ウルトラ』とは違う路線の、巨大ヒーロー物を創造開拓しようと頑張っていた、
 という印象です。
主人公の正体を知っている人が他にいる、とか。
主人公が防衛チームに所属していない、とか(この設定は、『ジャンボーグ』の方が生かされていましたね)。

ミラーマンを見ても、御手洗博士が「京太郎くん」と呼ぶところも新鮮です。
だけど結局、ああなってしまったんだなぁ~って、感慨深いです。

敵も味方も、「人知れず」暗躍(活躍)している、というシノプシスは、『ネクサス』に近いものを感じます。

 
 
 
まさしくです (こーじ)
2011-12-07 23:30:51
>柴田真紀様
 まさしくネクサスの原型でもありますね、ミラーマンは。
 
 またジャンボーグAはミラーマンの世界を発展させたものと言われてますし、実際SGMの村上チーフがPATの
隊長に就任したりします。

 それと御手洗博士って、いい味出してますよね。
 
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