‘サラリーマンヒーロー’スペクトルマンの悲哀

 今から50年前の昨日始まった宇宙猿人ゴリだが登場するヒーロー
・スペクトルマンが他のヒーローと違ったのは、彼を地球に使わし
た遊星ネヴュラの許可なしに変身できないという存在だった事では
ないだろうか。

 まずネヴュラが見えないと変身できないし自らの意志では変身で
きず逆らうと最悪の場合、解体されてしまうという気の毒な存在だ
ったため見ていて‘何じゃこりゃ’と思っていたわけだ。

 自らの意志で変身できないといえば3か月後に始まった帰ってき
たウルトラマンを思い出すがコチラは変身する郷秀樹が自らの力を
過信し、強引にウルトラマンに変身しようとした場合で後半は特に
ナックル星人&ブラックキング編では完全にウルトラマンと郷の心
がシンクロしているのが分かる。

 しかしスペクトルマンの場合はネヴュラの大義のためには民間人
殺害の指令が下る事もあったし、それゆえに蒲生譲二として苦悩す
る描写が前半は目立っていた。

 どのEPかは忘れたが蒲生譲二がダメージを追った腕を吊っている
時に変身を要請するとエネルギー不足を理由に断られるものの、強
引に変身させてもらうと顔だけが蒲生譲二のままで変身を断念する
という事があった。

 またネオへドロン編ではネオへドロンが噴出した毒ガスに空が覆
われたため変身したくても遊星ネヴュラが見えず、やむなく譲二は
セスナに乗ってへドロンに体当たりする寸前に脱出し爆発による爆
風でガスが散ってネヴュラが見えたため何とか変身に成功するシー
ンなど他のヒーローには見られないものだ。

 もっともネヴュラという上司がいる故に助かるのが武器の転送で
スペクトルフラッシュやネヴュラスライスといった武器を持ってい
るだけでなく、ナイフとドリルが武器の怪獣ギラギンドとの戦いで
は剣と盾がサタンキング戦ではスペクトルガンが転送されている。

 とはいえスペクトルガンはサイルの数百倍もの破壊力を発揮する
ため市街地が厳しく、山中で射撃訓練を行ったうえでの実戦を余儀
なくされるなど決して便利なだけではなかった。

 上司に絶対逆らえないヒーロー・スペクトルマンに対して上司に
逆らって惑星Eから脱出し、地球侵略を目指したゴリ博士という対
照的なキャラが相まみえた宇宙猿人ゴリ=スペクトルマンは そう
いう意味でも異色なヒーローだったといえる。

 

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