長距離ランナーの速さを実感して40年

 今から40年前の今日79年1月15日は当時コチラで開催されて
いた朝日駅伝を見た日で、長距離ランナーの凄さを実感した日でも
あった。

 当時の1月15日は成人の日で14:00からラグビーの社会人王者
と大学王者が対戦するNHK杯が有名だったが、コチラでは福岡市
を出発し北九州市をゴールとする朝日駅伝が行なわれ私の地元の田
川市も中継所になっていたのだ。

 田川には飯塚から来たランナーを中継して直方まで行くランナー
がいたわけでオーダー表を見ていると80モスクワ&84ロス五輪の
代表となった宗猛がいて、トップで中継所に入って来た旭化成のラ
ンナーから襷を受け取ると颯爽とスタートして行く。

 それから少しして後続のランナー達が次々とスタートして行った
のだが、一緒に観戦していた友人の1人が‘オイ、直方に行ったら
鎌田を見られるぞ'と言うではないか。

 当時の駅伝ではオリンピックランナーの宗兄弟を擁する旭化成が
強く、対抗は伊藤国光やモントリオール五輪1万m代表の鎌田俊明
らを擁する鐘紡だった。

 鎌田は長髪にヒゲ面という独特の風貌で当時中学生だった我々の
間では意外に人気があって、前年の10月に国立で行なわれた8カ
国陸上では5千mで3位に入るなど実力もあり‘生で見たいものだ’
と言っていたら中継所のオーダー表で鎌田が直方スタートというの
を友人が見つけて来たのだ。

 今からなら自転車で走って行けば間に合うだろうと考えて追いか
けたのだが前方にランナーは見えるものの追い付かないばかりか、
むしろ後続のランナーからどんどん抜かれていくのには驚いたし行
程の半分ほど行った所で‘駅伝はこれで終わりです’と書いた回収
車から追い越されて追跡を断念したのだった。

 今にして思うと長距離ランナーは1kmを3分台で走るので時速
18㌔ほどになるわけで、我々が自転車で追いかけても10㌔前後
だろうから追い付かないのは当然だが当時そういった知識がないの
で随分と無謀な事をしたものだと思う。

 それでも何事も身をもって体験しないと分からないのだから、そ
ういう意味では貴重な体験をしたという事だろう。

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