沢村賞選考委員の時計は止まっているのか?

 今年はプロ野球の沢村賞受賞投手はバファローズの山本由伸が
18勝、防御率1,39、206奪三振を挙げ11月22日に受賞した。

 もともと沢村賞は最も活躍した先発完投型投手に与えられる賞
で以前は東京運動記者クラブ部長会の記者投票という形だったの
だが、最近は先発投手のOBが選考委員になっており彼らが選出す
る形になっているからか選考委員達のコメントに違和感を覚える
事が多々ある。

 必ず彼らが言うのは‘完投数が減って嘆かわしい’というものだが、
それが果たして今の時代に合っているのかという疑問が湧くわけ
で下手すると彼らの時計は止まってないかと思ったりするのだ。

 確かに以前ならば完投というのは先発投手のノルマという事に
なっていたのだが、選考委員の方々が活躍した頃とは打撃レベル
が格段に上がった事例を分かっているのかと思うのだ。

 基本的に監督をはじめとした首脳陣はチームの勝利を最優先に
考えるわけで、先発投手が少しでもへばって来ると打たれるリス
クがあるためリリーフ専門の投手にスイッチするのは当然だ。

 つまり選考委員が現役時代は先発投手への依存度が高かったた
め、リリーフ投手は先発失格した投手が務めるものという意識が
あった。

 ところが特に21世紀になりリリーフ投手が1イニング専門のよ
うになると‘エース投手の120球目よりもリリーフ投手の初球の方
が打者を抑える確率が高くなったという事。

 だからか15年からホークスの監督に就任した工藤公康は当初
‘先発投手の完投数を増やしたい’と語っていたが、昨年の日本シ
リーズのG3ではマット・ムーアが7回をノーヒット無失点に抑え
ながらリバン・モイネロ~森唯斗のリレーに拘った事などを見て
も今は絶対のリリーフ陣を常備しなければ優勝は望めないという
時代だ。

 それだけ信頼できるリリーフ陣を擁すると全盛時の江川卓の
ような徐々にペースを上げて6回以降凄い球を投げるというスタ
イルより、100球を全力で投げ切るスタイルの方がチームが勝つ
確率が上がるので完投が減っても仕方ないと思われる。

 選考委員のメンバーを見ると堀内恒夫・平松政次・村田兆治に
山田久志らだが、彼らの中で監督を経験したのは堀内と山田の2
人で優勝経験がないのを考えると彼らの主張は結構だが実行に移
すとなると勝つ確率が低いという事になるのではないか。

 今年の山本由伸の成績は現代の先発投手では神の領域とも思わ
れるような投球をしているにも拘わらず、完投数や投球回数の規
定に達してない事に対する不満のコメントがあったわけだから彼
らの時計が止まっているというふうに感じるわけだ。

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