浅村栄斗が崩したもの

 コロナ禍のため6月19日に開幕した今年のプロ野球が、昨日で
開幕してから1ヶ月を経過した。

 今シーズン目立つのがイーグルスの4番を打つ浅村栄斗で26試合
を終え打率こそ、301で8位ではあるものの、ホームラン11本&打点
31と2冠でパ・リーグ首位を走るイーグルスを牽引している形だ。

 たた個人的に浅村のイメージとしてはシングルヒットではあるが
5打数5安打のアベレージヒッターという感じで、まさか本塁打&打
点をここまで稼ぐ打者になるとは思わなかった。

 浅村を最初に見たのは08年夏の大阪桐蔭3年の時で1番ショート
だったのだが、初戦の日田林工戦で5安打を放ったのを見てアウト
になる気がしないぐらい強烈なイメージを持った。

 2回戦の金沢戦ではホームランを打つなど6試合で29打数26安打と
いう素晴らしい成績で91年夏以来の16年ぶりの優勝の文字通り牽引
車となったわけで、桐蔭としては05年に辻内崇伸や平田良介に1年
の中田翔を擁してベスト4止まりだったし中田の時代も岡田雅利ら
好選手を擁しながら優勝できなかったのが彼らが卒業し浅村が1番
を打ったチームで優勝するのだから高校野球は面白い。

 ライオンズ入りした時も先述したようなアベレージヒッター系と
思っていたしショートではなく2塁手として出場していたから余計
にそんなイメージを持っていたのだが、最近は1塁手としてプレー
するケースが目立ち始め長打力の方が伸び始めたのには驚いた。

 日本では‘ロングヒッターは生まれ持った物がモノを言う’と言わ
れており、ロングヒッターは育てられるものではなく素質だという
理論が主流を占めていた。

 実際に高校時代に4番を打ち甲子園でもホームランを含め長打を
打ちまくっていた打者がプロ入りすると俊足を生かしたアベレージ
ヒッターになってしまうケースを度々見ているのだが、プロ入りし
た時にアベレージヒッターと思われていたのにキャリアを積む毎に
長打力を進化させていく選手というのは珍しいと思う。

 個人的に浅村がライオンズ入りした時に足が速くて打率がよく、
長打力もあるので理想的な1番と思っていたのだが本塁打数が18年
に32本打つと昨年も33本打つなど2年連続30本以上打っている事に
なる。

 これを見るとスピード系の選手がパワー系になるのは無理という
プロ野球OB達の説は間違いになるし、スピード系の選手に‘オマエ
はバットを短く持ってコツコツ当てていけ’という指導は選手の能力
を阻害している事になるのだから埋もれた長打力を他の選手が持っ
ているかもしれないのではないか。

 それにしても私的な意見で‘強さを長く維持するチームは日本人
選手が打線の中心に座る’という説を唱えているのだが、イーグルス
にとっては浅村は山崎武司以来の日本人4番打者なのだから今年は
強いはずである。

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