郷秀樹の戦い

　昨日のウルトラマンメビウスに郷秀樹がゲスト出演していた。
　郷はメビウスと人間の絆を断ち切ろうとするデスレムのたく
らみに苦悩するミライに的確なアドバイスを与えて励ますという
このエピソードでは重要な役どころだった。
　考えてみると郷ほど人間のエゴに振り回されたヒーローはいな
いだろう。
　有名な33話の怪獣使いと少年以外でも13,14話でシーモンス＆
シーゴラスの話ではシーモンスに居座られたセメント工場の工場
長がMATの作戦立案の猶予中に自衛隊に攻撃を要請し結果大竜巻を
起されるし、工事現場の主任などが‘工期が遅れる’といって工
事を優先した結果怪獣出現という話も多々あった。
　また民間人だけでなくMAT上層部も5、6話で地下に怪我人がいる
にもかかわらず巨大化したツインテールの卵を焼却するように命令
したり、ウルトラマンが敗北すると東京一帯を焼き払うスパイナー
を使ってグドンやツインテールを倒そうとする。
　つまり上層部は都民の命や財産より怪獣を倒せないという世界に
対して面目を潰される方が困るという思想を持っているようだ。
しかも‘なぁにいざとなったらウルトラマンが来てくれるさ’など
とうそぶくシーンまであった。
　こういうエゴ丸出しの連中を見てきたのだから人間の美醜両面を
知っており、‘だからこそ愛することが出来る’とミライにアドバ
イスする事ができたのだ。
　つまり郷ウルトラマンはある意味怪獣や侵略者だけでなく人間の
醜い心とも戦っていたのだという事がよく分かる。
　因みに昨日のウルトラマンの戦い方だが色々と批判はあるものの
私はあれでよかったと思う。メビウスがデスレムとの戦いに集中で
きるようにする事こそ最高のアシストだったと思うのだ。