頭脳派の侵略者について

　先日のメビウスに登場したデスレムは姦計を用いてメビウスを
追い詰める頭脳派の侵略者だった。
　1つ前のヤプールもそれ系の侵略者だったが、歴代のウルトラ
ヒーローが戦った侵略者で頭脳派はかなりヒーローを追い詰めて
いる。
　最初がザラブ星人あたりでニセウルトラマンに化けてウルトラ
マンの信用を失墜させて地球人同士を争わせて侵略しようとした。
　セブンではガッツ星人が強力怪獣アロンを差し向けてセブンの
能力を徹底的に探り弱点を発見してそこを突き遂にセブンをエネル
ギー切れに追い込んで捕獲したのだ。
　新マンでは最初に登場したゼラン星人が聾唖の少年に化けて郷を
挑発し、怪獣プルーマを倒すのに使用したウルトラブレスレットを
操って暴走させてウルトラマンを追い詰めている。
　また有名なナックル星人はガッツ星人同様にシーゴラスやベムス
ターを使ってウルトラマンの能力を探り、人間体である郷の心の拠
り所であった坂田兄妹を殺害して冷静さを失わせブラックキングと
の共同作戦でウルトラマンを倒しているのだ。
　エースに登場したヤプールはこのタイプの大元みたいなものだ。
　いずれもヒーローをあと一歩まで追い詰めている。
　ただしこれらの侵略者にも弱点がある、それは直接対決には弱い
ことだ。
　ザラブ星人は捕らえたはずのハヤタが脱出に成功し本物のウルトラ
マンが登場するとあっさりやられてしまったし、ガッツ星人も復活
したセブンからはなす術もなく円盤もろともやられてしまった。
　ゼラン星人は郷の言い残した言葉を信じた伊吹隊長からあっさりと
射殺されたし、ナックル星人も決して強くはなく巨大ヤプールも然り
である。
　レオを捕らえて氷付けにし、バラバラに解体したブニョも復活した
レオには歯が立たなかった。
　つまり彼らは1対1に弱い事を知っているからこそ綿密に計画を立て
ヒーローの弱点を徹底的に探りそこを執拗に突いて攻撃し追い詰める。
　それでも失敗するのはそこに人間の知恵と勇気という彼らにしてみ
れば計算外の事が起こるのだ。
　ザラブ星人の計画はホシノ少年がベーターカプセルを危険を顧みずに
届けた事によるし、ガッツ星人のセブン処刑計画はウルトラ警備隊が
マグネリュームエネルギーの抽出に成功し囮作戦まで用いてセブンの
居場所を突き止めた事によるもの。
　ゼラン星人の計画も最後は郷の言葉を信じた伊吹隊長によって失敗
するわけで、巨大ヤプールと異次元空間で戦ったエースも異次元に行け
るマシーンをTACが作って北斗が乗り込んで行ったからこそゾフィが
南を異次元空間に運んだものだ。
　そう侵略者にとって取るに足りないと考えていた人類の智恵と勇気、
信じる心が彼らの綿密な計画にイレギュラーを起させてヒーローを救
っている。
　これを考えると先日のデスレムもメビウスと1対1の勝負になれば思
ったより強くはない。そしてデスレムの計画を狂わせたのは何よりも
GUYSの勇気にある、あのひ弱そうなテッペイが‘僕の最後の仕事’と
言ったあらゆる手段を通じてメビウスとコンタクトを取った結果がメ
ビウスに戦う力と勇気を思い出させたのだ。
　やはりメビウスとGUYSは本当のチームであるのだ。