一昨日4月から半年間OAされていた宇宙戦艦ヤマト2199が終わった。
とりあえず来年・2014年に続編の劇場版が制作されるようだが旧作と同じ
26話を要して同じような結末を迎える事になった。
基本的に名作といわれる作品のリメイク版というのは意外に難しく旧作をほぼ
トレースした内容だと変わり映えがせずに新規の視聴者だけでなく下手すると旧作
ファンにも不評を買ってしまうのに対し、全く違う内容にしてしまえば旧作からの
ファンには見向きもされなくなる可能性が高い。
だから そのさじ加減が難しいのだが感心したのは七色星団の決戦に臨んだ
ドメル艦隊が4隻の空母と旗艦のみだったなど旧作の矛盾点を見事に解消して
くれていたし、旧作にあったオクトパス星団でのスケジュールの遅れなどが
なかったものの ゆきかぜが発見されるEPで捕獲したガミラスのロボット=
ガミロイドを分析したりするのが終盤になって大きな役割を果たすなど旧作に
あって2199になくても違和感がなかった。
また旧作ではデスラーやヒスにドメルら以外は影が薄かったガミラス人が
2199の場合かなり詳細に描かれていたのも名作に魅力的な悪役が不可欠と
いうヒーロー作品の定義にしっかり合っていたのも嬉しかったし、旧作で生き残る
ために戦った結果ガミラスそのものを壊滅させてしまうという後味の悪さが
なかったのも安心した。
偉大なオリジナルのリメイク版として制作され結果的に勝るとも劣らないという
評価を受けている作品に帰ってきたウルトラマンがある。
メインライターを務めた上原正三は‘ウルトラマンはメインライターの金城哲夫に
しか作れない作品だから超えるのは難しいので、ウルトラマンに変身する郷秀樹が
最初からパーフェクトではなく徐々に成長していく物語にしてウルトラマンとの差別
化を図った’とインタビューで語っていた。
両作品とも最終回ではゼットンを登場させてウルトラマンと戦わせていたのだが
プロットは同じでも構成面を変えて勝負していた。
ヤマトでも同じく旧作では古代守はイスカンダルで生きていてスターシャと結婚し
イスカンダルに残るのに対し、2199では既に死んでいたものの魂がコスモリバース
システムの核として地球に戻るなど構成面を上手く変更しているのが評価できる。
こうしてみると旧作のトレースではなくオマージュとして残しながら、旧作では手が
回らなかった要素をふんだんに組み込んだ2199は旧作と比べて勝るとも劣らない
名作だと思ったのだ。