粟生の相手がドーピング=試合は無効に―ボクシング
日本時間の5月2日にラスベガスで行われたWBOライト級タイトル
マッチで粟生隆寛に2RでTKO勝ちしたレイムンド・ベルトランが、
ドーピング検査で筋肉増強剤の陽性反応が出たため粟生との試合は
無効試合という事になったようだ。
5月のベルトラン-粟生戦では試合前日に行われた計量でベルト
ランが0,5ポンドオーバーで失格し、試合はノンタイトルとして行
われたものの粟生はベルトランのパワフルな攻撃の前に2Rでダウ
ンを喫し最終的にTKO負けという形になったのだが粟生が打たれ
強いタイプなので驚いたものだった。
最近のボクシング界では前日計量で体重オーバーとなっても
無理に落とさずに失格し、翌日の試合ではしっかり勝って次の
チャンスを待つという本来ならボクサーとして恥ずべき行為を
平気で行う選手が多々見られる。
日本ではWBAフェザー級王者だったフレディ・ノーウッドが
まさしくそれで、一旦王座を剥奪されたものの決定戦では松本
好二にTKO勝ちしてタイトルは空位のままとなり後日取り戻す
という後味の悪いものだった。
その後も世界的に‘体重を無理して落とすより一旦失格に
なっても減量での体力消耗を極力避け、試合では勝って好成
績をキープして次のチャンスを待つ’という輩が目立って
いた。
今回のベルトランも勝った後に悪びれもせず にこやかに
インタビューに応じ、6月にはウンベルト・ソトとの試合も
決まっていたわけだが筋肉増強剤によるドーピング違反まで
やっていたとは思わなかったしタフな粟生が一撃で倒される
のも当然だろう。
とりあえず無効試合となって粟生にも もう1度チャンスは
あるようだから、今度こそ しっかりと仕上げて勝って欲しい
ものだ。