タイガージョーのキャラを受け継いだのは

　先日は快傑ライオン丸に登場したタイガージョーに ついて扱っていたのだが、
タイガージョーは ある意味ウルトラマンアグルらの元祖ではないかと思った。

　タイガージョーに変身する虎 錠之介は戦国大名の嫡男だったが究極の強さを
求めて出奔して最終的に妖術を持つ大魔王ゴースンと巡り合いタイガージョー
に変身して最大のライバルとなるライオン丸と対峙する。

　正義なき力を否定する獅子丸と力そのものを崇拝する錠之介という対立の
図式だが錠之介は自らの力に自信を持つゆえ勝つために卑劣な手を使う
ゴースン一味と対立する事になり、むしろ戦いの中で心を通わせたライオン丸
との共闘という形になって巨大化したゴースンに挑むもののゴースンサンダー
を受けて失明し最後は銃の使い手であるガントドロに射殺されてしまう。

　そういえばウルトラマンガイアに登場したウルトラマンアグルに変身する藤宮
博也はガイアに変身する高山我夢を凌ぐ天才だったが、地球を守る事＝人類を
守る事と考えている我夢に対し地球を守る事のみに執着し そのためには人類
の滅亡もやむなしと当初は考えていた。

　ただし我夢と対立して争っているうちに徐々に心を通わせていき執着していた
‘地球を守るためには人類を削除’という答えを出した高性能コンピューター・
クリシスが根源的破滅招来体に汚染されて答えを改ざんしていたというのが
分かり、途中でアグルの光を我夢に与えて一旦退場するものの再びアグルの
光を受け継いで最後は我夢と共闘してゾグを倒して旅に出るというもの。

　またウルトラマンネクサスに登場した溝呂木眞也も錠之介同様‘究極の強さ’
を求めて闇の力に魅せられダークメフィストに変身する能力を持つ事になる。

　こちらは当初は孤門をいたぶりまくるなど悪虐の限りを尽くすのだが姫矢
ジュネッスとの終焉の地での最終決戦に敗れてから良心を取り戻し、最後は
自らの力でメフィストに変身するとツヴァイに苦戦するジュネッスブルーを援護
しツヴァイもろともアローレイシュトロームを受けて爆死した。

　こういう例を見ると正義なき究極の力を求め過ぎた者の末路という感じが
しないでもないし、それゆえの美学に魅力を感じるのだが その元祖である
タイガージョーというキャラを作ったピー・プロの力は素晴らしいものがある。