アニメ版月光仮面の武器はムチとベルトに装着した星型手裏剣と
バックルの半月型ブーメランがメインで、腰に拳銃を挿している
ものの殆ど使われる事はなかった。
またドラマ版では頭に巻いているターバンがヘルメットに変更さ
れただけでなく、バイクもフルカウルになったのは当時ヒットして
いた仮面ライダーの影響だろうか。
この変遷を見て思い出すのはバットマンでアダム・ウェスト版の
バットマンは全身タイツで腹も出ており見るからにB級的な作品だ
ったのが、ティム・バートン版以降のバットマンはヒーロー然とし
ているわけでアダム・ウェスト版を見慣れた我々には衝撃的だった。
こうしてみるとアダム・ウェスト版を知っている層の方が希少
なのだが、月光仮面の場合は逆にドラマ版の方が未だにメインの
イメージでアニメ版を知っている層の方が珍しいという事になる
わけだ。
個人的な憶測するのは月光仮面以降の等身大ヒーローは仮面ラ
イダーをはじめとした東映ヒーローがメインになり、アニメでの
等身大ヒーローに対する慣れがなかった事もあったのではないか。
どうしても敵怪人を完全に倒してしまう仮面ライダー以下の東
映ヒーローを見慣れると、懲らしめても止めを刺さず必殺技もな
い月光仮面は子供達にとって物足りないだろう。
とはいえアニメ版のように手裏剣やブーメランを実写版として
使用しても当時の技術では見栄えが今ひとつで、ウルトラセブン
のアイスラッガーやミラーマンのミラーナイフなどを見慣れてい
る子供達が喜ぶはずもない。
こうしてみるとバットマンはキャラ的にもリメイクしやすいの
に対し、月光仮面というのは昭和30年代だったからこそ絵になっ
たキャラかもしれない。