今年のWBCの日本代表はキューバ戦からスタートし勝ち抜くと
2次ラウンドでも対戦の可能性が高いし、準決勝&決勝では前回敗
れたプエルトリコやドミニカらラテン系諸国と対戦する可能性が十
分ある。
実は過去3回のWBCで日本は韓国やキューバにアメリカなどと
の対戦はあるものの、MLB選手の供給源であるドミニカやプエルト
リコにベネズエラらラテン諸国との対戦は前回のプエルトリコ戦が
初めてだったわけだ。
こういったラテン諸国と対戦する時に最も注意すべき点は彼らを
調子に乗せない事だろう。
ラテン系の選手は調子に乗ると実力以上の力を発揮する反面、落ち
込むと早々と勝負を諦める傾向が強い。
実際に3連覇を阻まれた前回のプエルトリコ戦では1回に前田健
太が2つの四球とポテンヒットで先制点を与えて主導権を握られ、
7回には2ランを浴びて0-3とリードを広げられると8回に1点
返したものの時既に遅しという形だった。
つまりプエルトリコ戦の1回に失った1点が相手を調子に乗せて
しまったという形で、通常の試合異常に先取点の持つ意味合いが
重くなる。
ちなみにキューバ戦で日本が勝ったのは第1回WBC決勝と第2
回WBCの2次ラウンド2試合に、アテネ五輪や97年インタコン
チネンタル杯などだが1試合を除いて日本は先攻で先取点を奪って
逃げ切っているし逆転勝ちはない。
‘しっかり守って相手に点を与えず接戦に持ち込み少ないチャン
スをモノにして奪った得点を守りきる’というのが日本野球の必勝
セオリーで、終盤勝負のケースも多いので後攻の方が有利だとい
うのが定説だ。
一方先攻は常にリードを奪わないと厳しくなるため気分的にも
攻撃的になるわけで、攻撃的に臨む姿勢が相手にペースを与えな
い事になるのが却っていいのかもしれない。
日本では‘ラテン系チームには必ず先取点を’となると‘絶対に
先に点をやれない'と解釈されがちだが、むしろ‘先に仕掛けて点を
どんどん取りに行く’という姿勢で臨まないといけない。
ちなみに過去キューバに勝った試合で日本の得点は最低でも5点
取っているわけで、ラテン諸国相手に1-0で勝つというゲームプラ
ンは通じないと思っていいだろう。