ウルトラQの製作時期は

 一昨年OAされていた4Kリマスター版ウルトラQは以前から記し
ているように、ほぼ全28話が完成してからの放映開始になってい
たのだが録画した番組のシーンを見ていると制作された時期が分
かる。

 例えばトドラが登場する27話・206便消滅すは制作順からいくと
9番目の作品になるわけだが、由利子や一の谷博士と小泉博演じる
金子主任が206便の安否を気遣う羽田空港管制塔のシーンで壁にか
かっているカレンダーは9月&10月になっている。

 ウルトラQの制作第1話はマンモスフラワーで64年9月27日にクラ
ンクインしたらしいから、9番目に制作されたトドラ編の管制塔の
シーンは10月下旬に撮影されたのではないかと考えられるのだ。

 コレを見るとウルトラQの製作スタッフは、東京オリンピックど
ころではなかったのだろう。

 もう1つ撮影時期が推測されるのは26話・燃えろ栄光で制作順は
18番目になっており、65年の3月から4月にかけてのものだと思わ
れる。

 燃えろ栄光はボクシングを題材にした作品だから後楽園ホールや
ジムのシーンが出て来るのだが、ダイナマイトジョーが奥井プロモ
ーターと世界戦の話をしている部屋にはボクシングの試合の宣伝ポ
スターが貼られていた。

 ポスターは関光徳と青木勝利メインで対戦相手を調べてみると関
光徳は5月30日にアナデス・シチランとの東洋フェザー級タイトル
マッチを、青木勝利は5月27日に李東春との試合を行っている事が分
かるので時系列からいけば3月下旬ぐらいから貼られるだろうから遅
くとも4月初めには撮影されたのだろう。

 またウルトラマンは66年3月16日がクランクインだったらしく2番
目に制作されたグリーンモンス編でウルトラマンとグリーンモンスが
戦う丸の内のセットは66年7月公開のサンダ対ガイラのセットを、6
番目あたりに制作されたアントラー編ではバラージの街並みなどの
セットは4月公開の奇岩城の冒険のセットを使用している。

 こういった要素を鑑みればウルトラマンの製作はウルトラQの放映
中に進んでいた事が分かるし、それでも最後は制作が間に合わなかっ
たという事らしいのでいかに手間暇をかけて作っていたかが分かる。

 こういった番組制作、今では無理だろうなと思ったりする。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
« 強烈寒波の中... 大場政夫が亡... »
 
コメント
 
 
 
Unknown (tamutamu)
2023-01-25 22:02:40
参考までですが、桜井浩子さんによると「Q」22話の「変身」の撮影の合間にトランジスタラジオで東京五輪の開会式の生中継を聞いたそうです。
また「マン」最終回の科特隊と円盤群との空中戦を撮影したのが最終回のオンエアの約3週間前だったらしく、予算どころかスケジュールの時間もかなり切迫してたらしいです。
 
 
 
変身は2話目ですから (こーじ)
2023-01-25 23:37:35
>tamutamu様

 変身は2話目ですから悪魔っ子と一緒に10月10日頃が、撮影の真っ最中でしょうね。

 ウルトラマンは、こういったスケジュールですから3クールで終わったのでしょうね。
 
 
 
Unknown (アミーゴ今野)
2023-01-31 20:59:52
最終回は、デビルマンみたいに、本放送では未放映
 
 
 
内容が (こーじ)
2023-01-31 22:54:56
>アミーゴ今野様

 あけてくれは内容が難解な上、怪獣が出ませんからね。
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。