梨田昌孝のチームは打つようになる

　昨日 北海道ファイターズが12回にサヨナラ勝ちをして2年ぶりのリーグ
優勝を決めた。
　マジック1で迎えた昨日、10回ぐらいにGイーグルスが敗れて既に優勝は
決まっていたが やはり勝って優勝を決めるというのは嬉しいだろう。

　今年のファイターズは本当に強かった。

　もともとダルビッシュを中心にした投手陣は一流だったが、昨年は打て
ずにチーム打率が最下位で3位に終わりCSではバファローズに勝った
もののライオンズに敗れて日本シリーズに出場できなかった。

　前監督のトレイ・ヒルマンと高田GMは守りを重視したチーム作りをした
ので、ビッグバン打線の名残を残していた頃まではよかったが06年に日本
一になったチームから小笠原と新庄が抜けた07年はリーグ優勝はした
ものの日本シリーズでドラゴンズに 1勝4敗で完敗。

　特に優勝を決められたG5では山井と岩瀬のリレーの前にパーフェクトに
抑えられる屈辱だった。

 　昨年から梨田が監督に就任したが、もともとバファローズの監督をして
いて01年にはリーグ優勝をしている。
　当時のバファローズは看板だった‘いてまえ打線’を鈴木啓示や佐々木
恭介監督らが‘投手を中心にした守り’を重視したため中村紀と両外人
以外は打てないチームになり成績も低迷していた。

　ところが00年に梨田が監督に就任して‘いてまえ打線復活’を旗印に
チーム再建に着手し、ローズと中村だけでなく磯部や吉岡、川口に北川らも
打ちまくり弱体投手陣をカバーしての優勝だった。　

　強打のキャッチャーだった高橋を1塁に固定し4番を打たせたり、投手で
入団した糸井をセンターで抜擢。
　また昨年オフに二岡がトレードで加入したがサードかショートなので
サードの小谷野やショートの金子が刺激を受け打ちまくっている。
　二岡の成績自体は今ひとつだったが、小谷野は一時4番を打つし金子は
勝負強い打撃でチームに貢献。　

　特筆すべきはチーム打率が1位だけでなく得点圏打率と満塁打率もリーグ
1位。
　特に糸井と金子が得点圏打率と満塁での打率が2位と3位というのが凄い。

　ここまで打って得点が高ければ投手陣は楽だ。
　ダルビッシュの離脱があっても影響がなかったのも頷ける。

 　打撃を犠牲にしてでも守り重視のチームを作る日本人監督は多いが
打てるチームを作れる監督は少ない。
　やはり梨田を監督に招聘したファイターズのフロントの眼力には恐れ入る。