水木一郎氏の49日に思う

　早いもので水木一郎氏が亡くなって昨日で49日となるのだが
レジェンド歌手だった事もあり、いろんな番組で取り上げられ
たり特集があったりしており今さらながら水木氏の偉大さが分
かる。

　思えば水木氏は当初‘君に捧げる僕の歌’などのレコードデビュー
しているのだが売り上げも捗々しくなく、アニメ原始少年リュウ
の主題歌を歌った事からアニメ&特撮などヒーロー作品の主題歌や
挿入歌を歌い始め特にマジンガーZは代表曲となったわけだ。

　とはいえ70年代のアニソンは‘マンガの歌’と通常の歌謡曲よりも
下に見られ、いくらアニメソングが売れても歌番組などには出演で
きず忸怩たる思いを抱えていたと思われる。

　個人的にも水木一郎という名前を知ったのは以前も記したように
声優・神谷明のオールナイトニッポンの中で氏の歌が流れており、
当時OAされていたスカイライダーのOPやEDを歌っていた事を知っ
たぐらい。

　その後99年の快進撃TVうたえモンに出演し始めて一般的にも有
名になったのだが、90年代半ばあたりから声優達もメジャーになっ
てコンサートを開いたりアイドル並みになり世間にも認知され始め
アニメソングも80年代から名探偵コナンなどZARDや倉木麻衣らJ
ポップ歌手が歌い始めてヒットチャートに上位に入るケースも多々
見られるようになった。

　当時アニソンの女王と言われた堀江美都子がトーク番組で‘アニ
ソンがメジャーになるのは嬉しいけど、タイアップ曲が増え過ぎ
て作品の内容とは関係ない歌が起用されているのは感心しない’と
語っていた。

　つまりアニメなどヒーロー作品がメジャーになった反面、Jポッ
プ歌手が歌う作品内容とは関係ないタイアップソングが増えてお
り純粋なアニメ歌手の領域を犯している事を憂いていたのだろう。

　草創期からアニメや特撮などヒーロー作品を見続けている私に
とって、その意見は完全同意で作品に関係ないタイアップありき
の歌が起用されるのは感心しないわけだ。

　水木一郎氏らベテラン歌手達が今だに師事されるのは作品のイ
メージソングを歌っているからであり、タイアップソングを歌っ
てもここまで人気は出なかったのではないかと思う。