怪獣大戦争と怪獣総進撃の間に

 昨年の12月28日にBSプレミアムでOAされた怪獣大戦争は怪獣
映画と地球防衛軍のようなSFメカ作品を融合させた最初の作品と
いう事になっているし、この流れが3年後の怪獣総進撃に続いて
行く形になっていると思うのだ。

 一方で怪獣総進撃の方はゴジラ映画を打ち止めにするべく怪獣
オールスター作品という形になっているのだが、この作品が作ら
れた時は既に怪獣ブームが終わりを告げる時期にあったわけで何
とも意味深である。

 つまり怪獣大戦争が公開されたのは65年の12月で翌66年1月2日
にウルトラQのTV放映が始まり、怪獣総進撃が公開された68年9月
にウルトラセブンが終了しているのだ。

 何事もブームというのは2年から3年の間にわたって続くわけで
実際に第2期怪獣ブーム=変身ヒーローブームは71年から73年に
わたっているのを見ても分かるし、それ以降は下手に続けるとネ
タがなくなって作品の質の低下も招いてしまうという事になるの
だから制作サイドも考える必要がある。

 人類にとって脅威の象徴だったゴジラ・ラドン・モスラが自ら
のテリトリーを守るとはいえ人類の味方に付き、宇宙怪獣キング
ギドラの脅威から地球を守った事で今度は侵略宇宙人から人類を
守るという形の怪獣大戦争が制作されたわけだ。

 一方65年は大映がガメラシリーズをスタートさせ翌66年はガメ
ラが敵怪獣と戦い始め大魔神が3本製作されると、67年は松竹が
宇宙大怪獣ギララを日活も大巨獣ガッパが制作されるなど特撮映
画が多く作られている。

 しかしブームも68年になるとゲゲゲの鬼太郎や妖怪人間ベムの
ような怪奇&妖怪モノと、巨人の星のようなスポ根モノがブーム
になり怪獣ブームに翳りが見えてくる。

 実際にウルトラセブンは内容が難解なため視聴率がウルトラマ
ンに比べて苦戦しているのも同じようなものかもしれないので、
怪獣総進撃のようなオールスター作品で幕を引こうとしたのかも
しれない。

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