今日はドイツのミュンヘンでWBCヘビー級王者のビタリ・クリチコの防衛戦が
行われる日だったが、日本人にとっては同じ日にテキサスで行われるWBA:
Sウエルター級2位の石田順裕が3位のポール・ウィリアムスとのノンタイトル戦
の方が気になった。
石田といえばWBA:Sウエルター級暫定王者だったのだが不可解な判定負
けを喫してタイトルを失った後、昨年4月に無敗だった強豪のカークランドに1R
KO勝ちして評価を上げて元WBOウエルター級王者のウィリアムスとの対戦に
臨んだ。
ウィリアムスは反対に7月にエリスランディ・ララに押しまくられながら疑惑の
判定で辛勝して評価を下げているので石田に2試合続けての番狂わせが期待
された。
ネット観戦をした人達のコメントなどを拾うと時おり いいパンチをヒットさせる
ものの手数で圧倒されたようで、どうやらウィリアムスの長いリーチを崩せずに
ラウンドを重ねた模様。
とりあえず120-108のフルマークだが1つ1つのラウンドで振り分けのツボ
をウィリアムスから抑えられた形だったようで、こればかりは日本だけでなく東洋
圏にこんな相手がいないので初体験だったゆえの敗戦だろう。
これで当然ながらランクは下がるだろうが、こういった本場の強豪相手に戦える
存在だという事を喜びたいし、幸いにしてダメージはなさそうでキャリアでも
あまり打たれてないようだから再起は可能だろう。
今後も国内での試合でなく海外の強豪と戦ってランクを上げて行って欲しい
ものだし、大いに期待したいものだ。
かつての日本でもムサシ中野がアーニー・ロペスを呼んで戦ったり、触沢公男
がジョー・ルイス・クルスに勝ったりと 世界の強豪とノンタイトル戦を戦っていた
事があったのだが、最近は国内で勝ち抜くと一気に世界というパターンが一般
的になってしまっている。
幸か不幸かSウエルター級あたりになると国内で強くても海外での層が厚く世界
挑戦というのは容易ではないのだが、だからこそ世界タイトルマッチ以外の強豪
との腕試しが見られるのはボクシングファンにとっては嬉しい事だ。
間違っても3買級制覇で2桁コンテンダー相手に小遣い稼ぎのショーばかりして
いる‘自称’世界王者よりも素晴らしいとだと思うのだ。