昨年の今頃はWBC開幕前夜

　日本中を熱狂させたワールドベースボールクラシックから
早くも1年が過ぎようとしている。
　実は昨年の今頃はこのイベント全く盛り上がってなかった
のだ。
　そもそもシーズン開幕前に行われるイベントだから先発ピ
ッチャーには球数制限が付くし、下手すると同じ対戦が3回も
行われる可能性があったし（実際日韓戦はそうだった）カリブ
勢とはファイナルまで対戦がないなどシステム自体が？の連続
だった。
　ただし私的に冷静に考えるとはWBCのシステムは１つを除き
許容範囲だと思っていた。
　まず開催時期だが全く実績がなく手さぐりの状態でスタート
しているのだからMLBサイドにとって最も都合のいい時期にやら
ざるを得ない。基本的にアメリカでは野球は10月一杯で終わる
という不文律があるので現実的に開幕前の3月に行うしかない。
　3月に行われる場合怖いのはケガで大会出場したためケガで
シーズンを棒に振るという事は絶対に避けたいので特に故障し
やすいピッチャーには球数制限が付くのは仕方ない。
　続いてドミニカ、プエルトリコ、ベネズェラ、キューバなどの
中米カリブ勢との対戦がファイナルまでない理由はこれらの国が
ウィンターリーグをやっているのでアメリカやメキシコ、カナダを
含めた国とは仕上がり具合が違うため、ハンディがある事。
　更にアメリカはトーナメントでも‘先に○勝した方が勝ち上が
り’というふうに一発勝負での優劣を嫌う傾向が強いので、こう
いうシステムになるのは仕方がない。
　ただし１つだけ注文を付けるとすれば1次リーグでの対戦成績が
そのまま2次リーグに持ち越しになるようにしておけば1次リーグ
からわりあい力が入るだろう。
　今回で言えば2次リーグの日本はアメリカ、メキシコ相手に既に
1敗している状態で臨むわけだ。
　だから結果的に3月5日に行われた1次リーグ最終戦の日韓戦は、
共に2連勝同士での対戦になったため妙に空気が弛緩していたように
思える。となると03年のアテネ五輪予選で日本はおろか台湾にも敗
れて本選の出場権をなくし、昨年のアジアンシリーズでも千葉に
完敗した韓国がリベンジに燃えて必死に来たというのもうなづける。
　勝敗に拘わらず…となればモチベーションが高い方が勝つに決ま
っているのだ。
　そういうわけで3月5日に韓国に逆転負けしたものの2次リーグ進出
を決め、アメリカ西海岸に旅立っていった。ただし前記した理由で
韓国戦の逆転負けは後を引かないはずだったのだ。