水島新司氏の漫画家引退宣言に ついて


gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/nikkansports/nation/f-so-tp0-201201-202012010000868

 男どアホウ甲子園やドカベンなど、多くの野球マンガを執筆して
きた漫画家の水島新司氏が引退宣言をした。

 昨日のスポーツ紙は一面どころか2・3面まで水島氏の記事で占め
られるという凄さで氏の野球界への影響力の大きさを物語っている
し、実際に清原和博などは理想の打者は山田太郎と言ってはばから
ないほど影響を受けているのを実感する。

 個人的に最初に水島作品を読んだのは男どアホウ甲子園だが、や
はりドカベンが最も印象深いものの当初は柔道マンガだったのが突
然野球マンガになったのは驚いたわけで特に高校野球編になってか
らは毎週読むようになった。

 もっともマガジンで野球狂の詩をサンデーでは一球さんを併読し
ていた一方、あぶさんは大人系マンガなので読む機会が少なかった
のが現状だ。

 ドカベン連載当時の野球マンガといえば巨人の星やアストロ球団
のような魔球やスーパー打法が入り混じった作品が多い一方で、設
定や試合展開に練習風景などを見ると野球に詳しい人が書いたとは
思えないような作品が多くルール無用の作品の方が人気があったの
も事実。

 そんな中でドカベンはリアル度が高い中に多少のフィクションが
入っている感じだったが、12年夏に済々黌が鳴門相手に奪った3点
目のプレー
は明訓ー白新戦であったプレーなど大いに影響を与えて
いる。

 また作新学院をモデルにした江川学院という学校が登場するのだ
が水島キャラの高校オールスター作品となった大甲子園では、福岡
の代表が松尾商になっており73年夏に江川と投げ合った柳川商の松
尾勝利の名前をモデルにしたなとピンときたものだ。

 ちなみに個人的に最も印象に残っている水島作品のエピソードで
一球さんの巨人学園が、東京大会準決勝で
火桜男子校相手に12時間
にわたる壮絶な打撃戦を挙げたい。

 しかも球場使用の契約で9時間後?に神宮高校と決勝戦を戦うとい
うムチャは凄まじかったが、それなりに楽しめたのだから不思議だと
思う。

 氏の漫画家引退についてはちばてつや氏など‘線引きしなくても’と
いうコメントがあったのだが、さすがに水島ワールドも最近の野球の
流れについて行くのが大変だったのではないかと思う。

 つまり20世紀までは何とか昭和時代のセオリーで引っ張ってきたの
だろうが、球数制限やオープナーにフライボール革命など最近のトレ
ンドと水島ワールドとは対極にあるものが主流になっていたのを考え
ると潮時だったのかもしれない。

 それでも水島作品を読んで野球を始めた野球人は数多くいるのを考
えると、氏の影響力の凄さが分かるし野球界の裾野を広げた功労者の
1人だと実感するのだ。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (Bill McCreary)
2020-12-03 23:53:53
私もこの件で記事を書きました。

https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/fd4b418145601bfa488adc1faf572aea

>ちなみに個人的に最も印象に残っている水島作品のエピソードで
一球さんの巨人学園が、東京大会準決勝で火桜男子校相手に12時間
にわたる壮絶な打撃戦を挙げたい。

あれは少々悪乗りが過ぎましたね(笑)。さすがにサスペンデッドでしょうし、またいくらなんでも翌日(実際には同日)に決勝はしないでしょう。したら大問題(苦笑)です。

正直特に「あぶさん」は、やめるタイミングを間違えましたね。あれは、拙記事でも引用しましたように、パシフィックを応援する趣旨が強かったのでしょうが、それにしてももっと早く打ち切れよという気はします。

いずれにせよ野球人気の低下もそうですが、特に肖像権がうるさくなっていますから、ああいうおおらかに実在の人物が登場する漫画が描かれ世に人気を博すということはもはやないわけで、そういう意味では漫画の歴史とかでも1つのエポックメイキングな人ではありましたね。
 
 
 
流石に (こうちゃん)
2020-12-04 00:15:16
水島氏は昭和野球世代だけに、近年のメジャーや日本のプロ野球の緻密かつ壮大な野球観は受け入れ難い本能があったかもしれない。だからペンを置いたのでしょう。喝氏の様に意固地な考えをひけらかさない所は流石と言えると思う。
 
 
 
昭和ならではの (こーじ)
2020-12-04 20:43:12
>Bill McCreary様
 確かに水島作品は昭和ならではの設定が多く、特にあぶさんはそういった昭和野球賛歌が凄かったのが野球狂の詩の岩田鉄五郎並みに景浦がなるのはやり過ぎだとは思ってました。

 パ・リーグ人気を盛り立てた功績は大ですけどね。
 
 
 
たしかに喝氏よりは (こーじ)
2020-12-04 20:45:38
>こうちゃん様

 たしかに喝氏よりは引き際を考えてはいましたね。

 ただマスコミが煽り過ぎたのも確かですし、徐々にフィクションの割合が高くなってました。
 
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