スポーツにおけるテンポの違いに ついて

 3月に行われた野球のWBCで日本はプエルトリコに敗れたのだが日本打線が
3Aクラスのプエルトリコ投手陣を打てなかったのはキャッチャーのモリーナが
投手にボールを受けたら20秒以内に投げるよう指示していたため、日本の打者は
慣れない早いテンポに構え遅れてリズムを崩されたのが原因の1つだろう。


 ラテン系のリズムがラップやサルサなどの早いテンポなのに対して日本の伝統
リズムは民謡や演歌のリズムなので、基本的に ゆったりと間合いを取る傾向が
強く投手が打者のリズムを崩すのに長くボールを持ってなかなか投げない
‘じらし’をやっても早いテンポで投げるケースは 殆ど見ない。


 以前ボクシングマッチメーカーのジョー小泉が著書・ボクシング讃歌の中で
‘フラメンゴダンスのような速いリズムの音楽で育った人間と、浪花節のリズムが
滲み込んだ日本人が戦うのはリズムが違うから厳しい’と あるジムのマネー
ジャーが語っていたという記述がある。


 実際に日本人ボクサーの一発強打型の選手は特に対中南米の成績は捗々しく
なく独特のテンポに翻弄されて強打が炸裂しても芯を外されているので倒せずに、
日本人ではありえない角度やタイミングで打ち込んでくるパンチを受け続けて完敗
というケースが多い。


 また最近 苦戦している柔道も攻防がテンポアップしているのが目立つので谷亮子
や野村忠宏ら軽量級の選手は それなりに対応できても、重量級の選手には対応し
づらいのではないかと思う。


 柔道など日本発祥の競技には日本独特の優雅ともいえる ゆったりしたリズムを
よしとする考えが一般的で、国際試合でアップテンポなリズムの試合運びだと
‘落ち着きがない’と批判的な扱いを受けるケースが多いから国内の試合と国際
試合ではダブルスタンダードで試合をする事になる。


 これは野球でも然りで日本人バッテリーがWBCのプエルトリコ投手陣がやった
のと同じようにアップテンポのリズムで投球しても評論家という名のOB達は例え
抑えても‘頭を使わずに野球をしている’と褒められる事はないし、打たれたら
批判の声は更に大きくなり打たれたバッテリーも悔いが残る感じなので早い
テンポで投げる投手が なかなか出て来ない原因の1つでだろう。


 だからアップテンポな試合リズムのギャップを克服しようと思ったら そういうリズム
の中で日常を過ごすのが理に適っているし、特に格闘技系の選手達は意図的に
海外での試合に出場して慣れて行くのがベストではないだろうか。

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