日本ラグビー史上初の快挙から1年経ち

 昨年の今日19年10月13日に横浜国際競技場で行われたラグビー
W杯予選プール最終戦で、日本代表はスコットランドに28-21で
勝ち4戦全勝で史上初のベスト8進出を決めた日である。

 試合を許すものの松島幸太朗のトライで追い付くと稲垣啓太の
トライで勝ち越し前半終了間際と後半開始早々に福岡堅樹の2トラ
イで28-7とするが、そこからスコットランドが反撃し28-21まで
追い上げられるが残り25分の猛攻を凌ぎ切って逃げ切ったのだ。

 思えば4年前のW杯で両国は対戦したのだが日本戦が初戦だった
スコットランドに対して日本は南アフリカに奇跡の勝利を挙げた61
ものの、中3日という短いインターバルで対戦する事になり完敗し
たおかげで3勝挙げながら予選プール敗退という事になったのだ。

 それから4年後に行われた再戦は日本がサモア戦から中7日なの
に対しスコットランドは中3日とコンディション的には逆になった
かに思われたが、4日前のロシア戦でのスコットランドはサモア戦
から1人を除いて控えばかりのメンバーだったのでベストメンバー
にとってはコンディション的には上だったのだ。

 スコットランドにしてみると初戦が世界ランク2位と格上のアイ
ルランドだったから次に対戦する日本も敗れるのを想定し、立ち
上がりに大量失点すると主力を引っ込めてサモア相手にきっちり
勝って3試合目は先述したようにロシア相手に控えメンバーで臨み
61-0で大勝しての日本戦だった。

 ところが2試合目で日本がアイルランドに勝ったのがスコットラ
ンドにとっては大誤算だったようで、大いに動揺していた証拠に前
日の台風19号で試合が流れると敗退になるため再試合要求や中3日
のスケジュールに対する不満を強調するなど不穏な雰囲気が流れて
いた。

 しかも日本がアイルランド戦以外はBPを挙げて勝っている事から
スコットランドは4トライ以上のBPを挙げ、8点差以上の差をつけて
勝つ必要があるというハンデを背負い込む事になったのだ。

 スコットランドは前半はSHグレイグ・レイドローの絶妙なボック
スキックで距離を稼ぎ相手のミスを誘うと、レイドローが確実にPG
を積み上げてリードを広げるというのが必勝パターンだったがBPが
必須という事でトライを狙うためPGを積み重ねるという戦い方をし
辛くなる。

 一方で推測するならば日本にとって最後の大一番になるスコット
ランド戦ではなく、2試合目のアイルランド戦をコンディションの
ピークを持って行ったようで実際に次のサモア戦はアイルランド戦
ほどの精度がなく今回も後半の多くはスコットランドにボールを持
ち続けられ28点目を挙げた時点で勝負ありと思われたのが残り25分
以上あるのに1トライ&コンバージョン差の7点差に追い上げられて
いたのだ。

 つまり前半の20分過ぎからは一方的に攻めまくれたのは前半から
エンジン全開だったが、後半は4試合目という事もあって疲れが出
始めていたというのがあるだろう。

 スコットランドをはじめ日本のファンも最終戦がアイルランドに
敗れて1敗同士の大一番という事を考えていたのに、ジェイミー・
ジョセフHCをはじめとした日本の首脳陣は2試合目のアイルランド
が最大の山場と捉えて仕上げていたのだろうと思う。

 ちょうど台風19号絡みで大変な被害を受けて沈み切っていた日本
をラグビー日本代表が救ったと言っても過言ではない勝利で、ここ
から1週間はラグビーファン達は最も幸せな思いをしていたと思う。

 

 

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« オオタ ユカ主... あしたのジョ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。