サポートロボの功罪

 電光超人グリッドマンはコンピューターワールド内で戦うという
設定なので円谷作品特有の防衛チームや、彼らが搭乗する戦闘機を
含めた超兵器というのは出て来ない代わりにグリッドマンの戦いを
サポートするアシストウェポンが登場する。

 ゆかと一平が使うサンダージェットやツインドリラーが戦闘機や
地底戦車という事になる一方、バリアーシールドやプラズマブレー
ドといった楯や剣を駆使してグリッドマンは戦っていたのだがツイ
ンドリラーやサンダージェットというメカは合体雷神ゴッドゼノン
の一部になり更にグリッドマンが合体しサンダーグリッドマンにな
るわけだ。

 こうしてみると途中からサポートメカが投入されてバージョンア
ップしていくという要素は、ロボットアニメ系の要素が入っている
一方で懸念されるのがグリッドマン自体の素の強さだ。

 理屈的にグリッドマン単体では勝てないので一平らのサポートを
受けてバージョンアップして行くのだが、こういったサポート系ア
イテムの元祖は帰ってきたウルトラマンが使っていたウルトラブレ
スレットあたりになるだろう。

 ご存知のように帰ってきたウルトラマンは初代ウルトラマンと同
じ能力を持っていたのだが、スペシウム光線をはじめとした光線技
を吸収してしまうベムスターの出現で窮地に立たされたウルトラマ
ンにセブンから届けられたのがウルトラブレスレット。

 セブンのアイスラッガーと同じような能力を持つ切断兵器のウル
トラスパークをはじめ槍状のウルトラランス&クロスに楯状のウル
トラディフェンダーだけでなくバラバラにされたウルトラマン自身
を再生させる能力など正しく万能武器という感じだが、これにより
初代ウルトラマンとの差別化ができただけでなくセブンに届けさせ
る事によりウルトラ兄弟の設定もハッキリするなど一見地味だった
帰ってきたウルトラマンが一気に華やかになった感がある。

 とはいえブレスレットが万能過ぎるので特にスノーゴンの冷凍ガ
スで凍結させられただけでなく、バラバラに解体されたにも拘わら
ずブレスレットの力で再生したのには子供心に‘そんなのアリか!’
と驚愕したものだ。

 ロボットアニメの金字塔であるマジンガーZは物語の途中から武
器が増えたりジェットスクランダーのおかげで空を飛べるようにな
るなどバージョンアップが全くマイナスにはなってないのだが、ウ
ルトラでは万能過ぎるアイテムは手放しで喜べなくなっているのは
面白い。

 ロボットアニメは操縦者が生身の人間という事でバージョンアッ
プも悪くないが、ウルトラなど元々強いのにバージョンアップする
と万能過ぎる事になり少しばかりありがたみがなくなってくる。

 つまりグリッドマンが強くなるのは悪くはない一方で、グリッド
マン自体が弱いという事になってしまうわけでアシストウェポンや
サポートロボの頻繁な登場はグリッドマン自体の強さを目立たなく
してしまうというリスクがあったようだ。

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