臍帯血、同意なしの提供容認 iPSの研究用に
厚生労働省の委員会は18日、臍帯血(さいたいけつ)バンクで保管している一部の臍帯血を、提供者の同意がなくても、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究用に提供できるという見解をまとめた。再生医療に使うiPS細胞を備蓄する計画に協力するのがねらいという。
現在の臍帯血は、主に白血病治療のための移植や研究に使う前提で、提供の同意を得ている。iPS細胞の研究に使うのは想定していなかったが、将来の移植医療のための備蓄なので、提供時の同意内容を超えないと解釈できる、とした。
実際に協力するかは各バンクの判断に委ねられるが、この見解が普及すれば臍帯血が別の組織や臓器に姿を変えられて移植に使われる可能性が出てくる。このため今後については「法整備が必要」としている。