月夜の晩に…。・鑑定９０ー１３

月夜の晩に・・・。 ・１３ 

透明「井土さんひとつ伺っていいですか」

井土「」

透明「リストラされたのは、何人ですか」

井土「」

井土さんの顔が曇る・・・。

井土「・・・結局・・・私一人でした・・・」

千香「」

泉美「ひ、非道い 」

恵那「・・・・・。」

真奈「そんなことって」

透明「あ、あの～申し訳ないんだけど

　　　黙っててもらえるかな」

all「ご、ごめんなさい」

やっぱりか

私がどうしても引っかかっていたのは、

リストラされた井土さんが、リストラに対して

 強すぎる執着をしているように思えたからだ

最近では、会社の存続のために、リストラをする

会社もある

それは、井土さんも分かっているはず

もちろん、リストラされるのは嫌だとは思うが

理由が不況と言われてしまえば、給料ももらえない

可能性もあるため、納得せざるをえない・・・。

リストラの理由と結果のギャップ

これが今回、井土さんを精神的に追い込んだ

原因でもある・・・

透明「それは、非道いですね・・・」

井土「・・・結局、私は会社に裏切られたんです・・・

　　　不況と言われ、会社のためにもリストラを

 　　　承諾したのに・・・最終的にはリストラされ

　　　減ったのは、私だけ・・・これって、

　　　どう考えても」

呼吸が荒くなる・・・

透明「井土さん、落ち着きましょう

　　　先ずは、呼吸をゆっくりしてください」

井土「あっす、すみません

　　　す～っはぁ～っ」

確かに、井土さんじゃなくても、この現状は

会社の不況が理由とは考えにくい・・・それに、

就職活動中に、問題があるのでは無いか

と疑われるということは、会社も不況でリストラした

 ということを、うたっていない可能性もある・・・。

しかし、こうしたことを引きずってしまっていては

パニック障害は治らない・・・さて、どうするか

透明「井土さんのお気持ちはわかります

　　　ですが、このまま会社の所業に対して、

　　　固執してしまえば、パニック障害は

　　　治らなくなってしまいます」

井土「・・・・・そんなこと分かっています 

　　　でも、でも、私は

　　　・・・透明さんにも、私の辛さなんて分かるわけ

 　　　ないじゃないですか 

　　　簡単に、気持ちが分かるなんて言わないで

　　　ください」

千香「・・・・・」

泉美「うっ・・・」

真奈「そ、そん・・・な・・・」

恵那「ちょっと井土さん先生は」

私は咄嗟に、恵那の前に手を出し遮る

透明「もちろん、わかりませんよね

　　　安易なことを言ってしまってすみません」

私は、自分の非を素直に認め謝る・・・。

井土「えっ」

千香「えっ」

泉美「」

真奈「うそ」

恵那「」

透明「もちろん、井土さんの人生は井土さんのものです

　　　井土さんが感じるようには、私は井土さんの

 　　　辛さを感じることはできません

　　　ですが、パニック障害の辛さならわかります」

井土「えっ」

透明「私は、長い間、鬱病を患っています

　　　もちろん、パニック障害も経験しています」

井土「」

千香「(うそ)」

泉美「(ほ、ほんとうに)」

恵那「(・・・・うん・・・。)」

真奈「(・・・・そうだったんだ・・・)」

透明「だからこそ、今の井土さんが危険な状態だと言うことが

　　　分かるんです

　　　幸い、井土さんは、まだパニック障害を

　　　発症したばかりですから、他の症状を併発して

 　　　いません

　　　今なら、パニック障害は自分の力でも

　　　治すことができます

　　　しかし、このままなら、他の症状を併発してしまい、

　　　パニック障害を含む心身症複合型の典型つまり、

　　　鬱病になってしまいます

　　　鬱病は、パニック障害単体に比べ、治すのに

　　　時間がかかってしまう病気です

　　　私は、そのことを知っているからこそ、

　　　井土さんが心配なんです

　　　井土さんどうか、私を信じて話を聞いて

 　　　くれませんか」

井土さんは、目に涙を浮かべて首を縦に振ってくれた・・・

先ずは、井土さんのパニック障害の元凶から

 取り除いて行かなければ 

私は、覚悟をもって言葉を紡いでゆく ・・・・。

　　　　　　　　　　　　　続く ・・・。

昴と透明先生のお店 
Guardian Jewelry Access 
是非ごらんください 



https://guardian-jewelry.com/

ポチしてくれると励みになります

応援よろしくお願いします

　↓　　　　　　　　↓

にほんブログ村ランキング

　↑　　　　　　　　↑

応援ボタン２箇所ポチッとよろしくお願いします