温泉におんねん！・１８

温泉におんねん ・１８ 

透明「女将さんは、そんなに怨念のことを

 　　　聞かされていたのですか」

主人「ええ私のいないところでもしていた

　　　ようですから、ほぼ、毎日のように

　　　聞かされていたのではないでしょうか・・・。」

透明「う～ん・・・・お母様の怨念に対する考えは、

　　　かなり強そうですね・・・

　　　それを毎日のように聞かされていたら、

　　　確かに、洗脳されそうです・・・。」

主人「そうなんです最近は、妻の言動が、

　　　母と似てきてしまっている気もします・・・。」

ご主人が子供の時、お母様に助けてもらいたかった想いは、

トラウマになっているように感じる・・・。

この心の傷が、大きく関わっているのは、間違いない

透明「なるほど・・・わかりました

　　　色々質問してしまってすみません」

主人「いえいえ」

透明「それでは、本題に入りたいと想うのですが・・・。」

主人「あっその前に、少し空気の入れ替えをしませんか」

透明「」

主人「この時間は、気持ちのよい風が入ってくるので、

　　　気分転換にもなると想います」

透明「そうですかそれでは」

私と、ご主人は部屋の窓を空け、外気を取り入れる・・・

透明「うわ～っ本当に良い風が入ってきますね

　　　自然の香りも良いですね～」

風が心地よい・・・

主人「私は、この土地が好きなんです

　　　小さい頃から、この土地の空気で育って、

　　　沢山の想い出もあります

　　　一時は、東京に出てサラリーマンをしていた

　　　こともあるのですが、どうしても自分の産まれた

 　　　土地に帰りたくて・・・・。

　　　妻とは、東京にいる時に出会って、結婚と同時に

　　　こちらに戻ってきたんです」

透明「それは、旅館を継ぐためですか」

主人「それもあったのですが、妻に私の産まれた場所を

　　　見てもらいたかったのもあります・・・

　　　でも、結果、妻には苦労をかけることになって

 　　　しまっていて・・・申し訳ない気持ちです」

透明「・・・・・。」

後悔している・・・わけでは無いのだろうけど、

何故か、物悲しい感情が流れ込んでくる・・・。

主人「子供がいれば・・・・」

透明「」

主人「私は、自分の子供を、この自然の中で

 　　　育てたかったんです・・・

　　　子供と一緒に、私がしてきた遊びを教えたり、

　　　色々なことを教えてあげたかった・・・。

　　　きっと、妻も子供がいれば、もっと穏やかに

　　　過ごせると想うんです・・・」

透明「ご主人は、女将さんのこと、大好きなんですね」

主人「えっあっ、あははっ

　　　こんなこと言うなんて変ですよね・・・。」

透明「でも、今の女将さんに対して、何か想うところが

 　　　あるようにも聞こえます」

主人「」

透明「ご主人そろそろ本題に入りましょう」

主人「は、はいそうですね

　　　妻も待っているでしょうし・・・。」

木人図で確認し、まだ予測の範囲だった原因は、

 今までのご主人の言葉で核心に変わる・・・。

後は、持って行き方だな ・・・・

(皆さん、原因はわかったかな)

　　　　　　　　続く ・・・。

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