じいの徒然日記

内野聖陽さんにfall in loveしたじいのおバカな毎日を綴った日記

向日葵の柩

2008-12-16 22:25:28 | 観劇記
今日は新国立劇場の小劇場にて、柳美里さん原作の舞台「向日葵の柩」を観てきました。2年ぶりの新国立実は「箱根強羅ホテル」以来だったんですわ 今までも観たい演目はあったんですが、初台は不便 京王新線も乗りにくい そこまでして、という気力がなかったので

あらすじ&キャスト等々の詳細はこちら 予想通り 話はやっぱりとことん暗かったです←いちおうあらすじと作品の舞台は読んで行ったので。救いようのないというか心にグサッときました。とにかく“普通”(何をもって普通か否かは?ですが…)の人がいないんですよ~~主人公の家族である李家の人たちは 父親はどうしようもないオヤジだし、普通の浪人生だと思ってた長男の栄敏は狂気と正常の狭間にいて(保健所に連れて行かれていないはずの飼い犬が今も家にいるように思っている話のくだりとか…)それが時折爆発して大変なことになるし……妹の栄貴は健気なんだけど本音を押し殺して生きているがゆえに現実じゃない世界に生きているのでは?と思わせるような部分が節々に垣間見られる。。。でも、こういう闇の部分が単に衝撃的なだけじゃなくて、切なくなってくるんですよね~~何かを求めている……多分それは愛 じゃないかなぁ~~と。作品のコピーは「あなたは私を愛していますか」だったし。母親が男と家出したことに対する欠落感から夫婦愛、男女の愛、兄弟愛、家族愛、親子愛、、、いろ~~んな愛を欲していたんじゃないかなと 最後は兄の友人にレイプされ憔悴しきった妹を手にかけ、好意を持っていたコリアンバーのホステスが他の男と関係を持っていた現実を知って逆上して殺してしまうんですが、目の前の残虐さもさることながら、そこに込められた満たされない思い、鬱屈した思いに触れて辛かったです

セリフはハングルで話される部分もかなりあって、勉強しとけば良かったとちょっぴり後悔 「あなた」「愛してる」以外はさっぱり理解不能……良いことor悪いことを言っているというニュアンスは話の流れで分かるんだけど、やっぱり言葉に込められた感情っていうのは大事だと思うので、それを感じ取れないのがもどかしくて。。。それに、在日コリアンの話ということで、どんなに努力しても入り込めない、理解を超える「何か」があるんですよね~~日本で、日本人として生きてきた身には本当の意味では絶対に分からないモノが

主人公の栄敏を演じた山口馬木也さん、素敵でした~~ 写真のイメージ 美しいとかカッコイイとか、そういうのじゃなくて、役柄もあったんだと思いますが、逞しくて可愛いところもあって、役の性格?ちっぽけな器の部分もちゃんと表現してて……あと、狂気の中に垣間見える危うい正常さというのかな~~そういうところも感じました。あと、妹役の山田ひとみさん、栄敏が恋するホステス役の松山愛佳さんも素晴らしかったです。舞台での存在感が凄く自然なんですよね~~場の空気をしっかりと作っていたと思います。妹・栄貴と栄敏がラスト近くに昔の良い思い出を語りながらキャッチボールの真似事をしたりしてはしゃぐところ、悲劇の前の暖かさが哀しさを強調してて……その雰囲気には釘付けでした あと、松山愛佳さんの片言日本語とハングルの発音 ビックリ~~全然違和感なくて(他の方々は「あちゃ」というところが結構あったので)その感性、脱帽でございますぅ~~

ただし ここからはハバネロ並みの激辛で 演出に耐えられなかった~~~ 失礼ながら、学生演劇か自治体主催の素人な市民参加の演芸会か文化祭かと思うようなレベル。。。アマチュアで皆頑張って作りました!で満足するような「発表会」なら許せますよ……っていうか、アマチュアで頑張っているとか、プロを目指して自主公演やってる方々の方が遥かにイイ活動をしていると思いますわ。自己主張的なセリフは必ず立ち位置がセンターで、大声を張り上げて目を見開いて客席を見る、照明や装置の転換も素人芸で露骨すぎ 昔、じいが「演劇って苦手なんだよなぁ」と思っていた理由のスイッチを尽く押された感じで、思わず喧嘩を売られたような気分になりました こんなんじゃ、役者さんたちが勿体無い もう少しどうにかならないものかと。。。自治体絡みの財団法人?のダッサ~イ部分が出ちゃった気もしないではないのかな~~なんて
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