本日、、、イリアス初日
劇場にてしっかりと観てきました。去年のBBの時は開演数分前の客席はピンと張り詰めた空気に包まれていましたが、今回はイイ意味での「訳の分からなさ」が溢れたザワザワ感があったような
でも誰も観たことのない正真正銘のまっさらな初めての作品に触れることへの期待に満ち溢れていました
でも終演後は……
う~~ん とてつもなく大きな?マークが頭上にボヨヨ~~ンと浮かんでしまいましたよぉ~~いや、予想はしていたことだったので想定の範囲内
模擬試験を受けて実力を思い知らされ本気で勉強をしようと決意する受験生と同じ(苦笑)次回のために1ヶ月間どっぷりイリアスの世界に浸かりきろうと思いました。実感させられて難題を目の前に突きつけられないと行動できないヘタレなもので
ほ~~んと、マジ、君恋も後回し!イリアス一色に染まる覚悟でっす!!
そんなわけでおバカ丸出しの意味不明な感想になっていますのでお許しを。あと、、、初演初日からネタバレするのは憚られるのですが、器用に書く力はないので
ネタバレしますので、これからMY初日を迎える方々は読むか読まないかをココで決めてくださいませ
ではでは。。。
衣装、舞台の様子は昨日のゲネについてサンスポに記事が出ていますので
こちらへ
あと、写真はありませんが
日刊スポーツにも記事がありましたので併せてど~ぞ
チラシにあったようなシンプルで抽象的な感じになるのかな~と思っていたら、わりと正統派な衣装。アポロンなイメージ
ポワポワな頭じゃなくて良かった~~と安心したのですが、以下は超個人的な事情。あのぉ~~実はじいは男性の生足が生理的にダメなんです。スコットランドの民族衣装とかはまさに完全アウト
なのですが、今回のは……いくら愛しの君と言えども無条件に
するには難が。。。友人から「腰より上だけ見てなさい!」と激しく正しいアドバイス。でもね~~ゲンキンというか何というか
2幕で客席降りがあるんですわ。舞台上にヘクトル、客席後方にアキレウス、素晴らしい声でセリフの応酬があって、その後にアキレウスが通路を通って舞台に上がるんだけど、その時にじいが座っている方の通路を通ったので(真横ではなかったんだけど
)間近にアキレウスが~~
乗り物か何か?の効果音を自分の声で表現しながら舞台の方へ。もうぅ~~その迫力とアキレウスそのものを感じさせるオーラと、、、鎧を流れる汗
に卒倒するかと思いましたわ~~
サプライズな演出に大興奮
ストーリー自体は非常にシンプルです。
ある日、ギリシア軍の総大将アガメムノンと英雄アキレウスが戦利品の女ブリーセイスを巡って争いになり、アガメムノンの横暴な仕打ちに怒ったアキレウスは戦線を離脱してしまう。しかし、敵国トロイアの名君プリアモスの子ヘクトルが、祖国の名誉と存亡を賭けて決死の猛襲をかけてくる。英雄アキレウスを欠いて、敗走を重ねるギリシア軍を見かねたアキレウスの親友、パトロクロスはアキレウスに戦闘へ戻るよう懇願するが、断られてしまう。そこで、パトロクロスはアキレウスの鎧を借り、自ら身につけ敵に向かっていくが、トロイア軍のヘクトルによって殺されてしまう。親友の死を知ったアキレウスは、復讐を果たすためアガメムノンと和解し戦線に戻ることを決意、ヘクトルとの一騎打ちに臨む・・・。(以上、公式サイトより)
結局、ヘクトルはアキレウスに殺され、親友のパトロクロスがされたように遺体に残酷な仕打ちを与える。息子の遺体を引き取りたいと願うトロイア王プリアモスはゼウスの守護の下、アキレウスの戦陣を訪れ、息子の遺体を返してほしいと懇願し、アキレウスはその心に打たれてプリアモスの願いを聞き入れる……と、これが大まかな話。でね~~ここでスパッと終わるのかな~~と思ったんですわ。そしたら、聖子ちゃん演じるカサンドラがイリアスについて説明し、アキレウスの運命=死は描かれていないことやトロイア戦争の結末を語る。コロス役の女性5人を従えて歌う姿や、絵画のような振り付けや照明効果はとっても素晴らしかったんだけど、正直ちょいとくどい気もしたんですよね~~かなりハードルの高い舞台だったけど、どうせなら物語の始まりと終わりを尽く見せない中途半端さが活きる魅力というのかな~~そういうので終わってもいいと思ったので。でも、イリアスの世界観を表現するのに邪魔になっていたわけではないし、これはこれでホント素晴らしかったので、公演を経るにつれてこなれていくかもしれないし、じい自身がもっともっとイリアスの世界に深く入り込めるようになったら別の感じ方が出てくるかもしれないので、今後の課題ということで
まさに言葉が成立する以前、神と人間が共存し、生身でぶつかり合う世界
つじつまがあってなくて、残酷で、いいかげんで、正直で、素直で……理解不能なはずなのに心のどこかで納得してしまう感情が残る。これぞ「始まりの物語」というところなのかな~~昔から変わることのない闘争本能
というか、根源的な喜怒哀楽が舞台上に存在している証拠なのかもしれません
ふと頭を過ぎったことなんだけど、この時代の人間は知が備わる以前の存在で、知の部分を神々が司り人間を操り、一心同体ともいえる間柄ではなかったのだろうか。時代が進むにつれて人間に知が備わり神々から離れて、中には神になろうとするものさえ現れるようになった。でも、知があろうとなかろうと人間という存在は生命を宿し自ら生きる。そこには変わらない感情の動きがあるから、それを見ることによって現代に生きる我々は人間という存在と内面の本質を感じるのではなかろうかと。。。
つらつら書きましたが
実は正直なところ9割以上は理解していないわけで、多分……多分だけど、人間界の戦いがあって、更に神界の戦いがあって、権力の二重構造というか、同時進行している「面白さ」というのがあるんですよね~~だから、登場人物のセリフの中でオリンポスの神々の話を冠して喋っている部分が結構出てくるんだけど、その二重構造がちゃんと頭に入っていると関係性が理解できるから更に面白く観られると思うんだけど……哀しいかな、勉強放棄のツケ
ちゃんとセリフでストーリーを説明してくれるから展開は把握できるんだけど、踏み込んだ面白さというのが分からなくて、すっごくもどかしい気分になっちゃったのよね
次回の観劇までにしっかりと頭に叩き込んでおかなくては
出演された役者陣は実力派が勢ぞろい
13人で大スペクタクルな物語をどうやって表現するんだろう?と思っていたのですが、変な映像や大仰な演出でリアリティを出すなんて安っぽいことは一切なし!時にセリフだったり、時に歌だったり……とても上手く表現されていたと思います。声で選んだというのはホントだな~~と思いました。語られる一言一言で想像力が膨らんで、自分の中の闘争心が掻き立てられる感じ
戦いにおける名誉やプライドを勝手に想像して欲望で胸がキュ~ッとなって高揚してきて
あと、、、いかにも!という感じの演劇的な表現や動きも多数ありました。じいは演劇の技術や手法に関しての知識はないので専門的なことはよく分からないけど、体で表現しているな~というのはよく分かりましたね~~演劇のトレーニングで体操というのがあって体の柔軟な動きは演劇的にとても大事という話を聞いたことがあるんだけど、まさにその通り!と思わせる表現が満載。各キャストの皆さん、そういう動きをしていて気がついたらその世界に思いっきり没入させられていたということが何度もあったんだけど、特にコロスの方々は素晴らしかったです
まるで舞台のセットの一部を為していると錯覚させられるほど。また、時には女神、時には兵士、時にはアンサンブル的な存在としての役割を果たしていて、かなり大変だろうな~~と。お稽古中に脱臼するのも無理ない動きっぱなしな状態や無理な体勢には脱帽でっす
池内君はそのまんま素の見た目でトロイアの人そのものだったし、高橋さん演じるオデュッセウスはclever的な切れ者だったし、チョウ・ソンハさんの身体能力の素晴らしいこと!!!ちょっと危な~~い
衣装あり、マイヤーリンクな場面あり、別の意味でもドキドキだけど、そんな萌え発言をしている場合じゃなくて、アキレウスの親友としての存在感!まぁ見方によれば怪しい関係ということになるのかもしれないけど、ホモ……ってこれ、元々のラテン語の意味ね~~ヒトという意味での「ホモ」、人間という存在であり肉体を純粋に愛する関係……上手く表現できないんだけど、ギリシャ文化やルネサンス文化に通じる人間賛美的な愛情関係がこの二人の関係だと思うんだけど、そういう空気感をちゃんと作り出していたところが良かったですぅ~~
大御所2名!それぞれの重厚さに圧倒されました。木場さん演じるアガメムノンは、威張りんぼでワガママでちょっぴりおバカさん。エロオヤジ的な部分を持ち合わせつつ、総大将としての威厳もあって素晴らしかったですぅ~~
平さん!!!渋いかっこよさで……またもや惚れたかも!舞台上に現れただけでプリアモスの世界観で満たされていくなんて凄すぎ!!終盤、息子ヘクトルの遺体を取り戻すべくアキレウスの元を訪れる場面。もぅ~~内野さんと平さんのツーショットなんて贅沢すぎですよっ
思わず、ここで「死に行く者の…」なんてセリフがあったら卒倒しちゃうよぉ~と激しく失礼なツッコミが頭を過ぎってしまったのですが、、、一挙手一投足、一言一言に心を揺さぶられましたね~~
そして、、、お待たせしました~~内野さん演じるアキレウス
1幕はあまり出番がなかったかも~~でも、初登場の瞬間は、それまでずっと君恋の世界に浸かっていたので、あまりの変貌ぶりに思わず吹き出しそうになり……許して~
でも、その後はバッチリアキレウスな細胞に満ち溢れた内野さんを堪能させていただきました
竪琴を引くシーンがあったのですが、“エア竪琴”で下手側の楽器担当陣の誰かが音を出しているのかな?と思って探したんだけど……見当たらなかったので本当に弾いていらっしゃるのかも。ま、音を出すだけでその場に相応しい音楽として成り立っているので無問題かと。むしろその弾き姿に萌え萌え~と
あと、、、どの場面か忘れたけど、他のキャストが舞台中央で喋っている時等々でアキレウスが後ろで片足を立てて座っているシーンがあるんですわ。結構長い時間なんだけど、アキレウスは微動だにしないんですよぉ~~しかも、ちょっと照明が陰ってるから、その美しい座り姿がシルエットっぽく映えて思いっきり釘付け!!!その時にメインで芝居している方々には申し訳ないんだけど、そっちはスルーでその座り姿にロックオン
もちろんただ座っているだけじゃないんですよね~~アキレウスの特異な存在感だったり、矛盾しながらも共存する心模様だったり、、、そういうのをそこはかとなく感じさせてくれる空気感に思いっきり没入でした。
そうなんです!アキレウスの空気感が他の人間界の登場人物とは違っているように感じたんですよね~~神と人間の間に生まれた存在ということで、知欲と肉欲、相反するものを知っている唯一の存在なのかな~~と思ったんですわ。神々の世界にある「永遠」を実感として知っていながら、一方で自分ではコントロールできない闘争心があって、ある意味その両方を知っているからこその苦悩を秘めている存在なのかもしれないな~~と、内野アキレウスを見て感じたこと
永遠の命を求めながらも、名誉や栄光、戦いでしか得られない血湧き肉躍る快感を諦めることができない。今回は自分の内面をさらけ出して、時に相手の中に入って対話するというよりは、投げかけられた存在感だったり空気感だったり世界観だったり、それらと真っ向勝負!まさに剣を交えて戦う勢いで「共犯者」にならないといけないな~と思いました。そうそう、剣を交えるで思い出したけど、殺陣のシーンもたっぷりありますよ~~腕に盾をつけて短剣を持ってマジのぶつかり合い。もの凄い音を立ててましたね~~ちょっとでもタイミングがずれると大変なことに……ってか、殺陣の前に長い槍を振り回すところがあるんだけど、手が滑ったのか
いきなり落としてたし~~内野さん
ま、それはご愛嬌ということで(笑)この殺陣、すんごい迫力があるし足さばきが美しいです。多分バレエレッスンかな~~その辺りの訓練の賜物かと
カテコは3回。3回目はやっと少しは抜けたかな~という雰囲気の内野さんでしたが、まだまだアキレウスが抜けていないのと、演じきった脱力感でいっぱいの様子でした。でもね~~そういうところがこれまた堪んない……ってか愛が深まるのよね
こんな役者さんを好きでいられる幸せを実感
あ~~~何だか時間が経つ毎にジワジワとアキレウスの残像が。。。分からないことが快感!また観たいという危険な(笑)欲望が
とりあえず次は裏イリアス
文学座アトリエで「トロイアの女たち」で別の視点からトロイア戦争を見つめ、もう1回イリアスに戻ってみようかと思っていて……でも、やっぱ聖誕祭までは待てないな~~多分、いや、確実に増やす方向で
それまでに勉強しますよ~~
おまけ・・・
こんなチラシが入っていました。何があった、、、流よ