観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

女性はパートで働けという社会と経済政策

2018-01-03 19:41:57 | 政策関連メモ
北朝鮮有事「ある場合・ない場合」の日本経済の行方を教えよう(現代ビジネス2018.1.1 高橋洋一)

>待機児童ゼロ目標の先送りというが、確かに待機児童数は、24825人(2012年4月)から26081人(2017年4月)と増加している。

>しかし、保育所等利用率でみると、34.2%から42.4%へと増加している。つまり、施設増加が待機児童数の増加に追いついていないという状況が見えてくる。施設増という政策の方向性は間違っていない。

男女格差ランキングは、135ヶ国中の101位(2012年)から144ヶ国中の114位(2017年)と低下している。女性の読み書き能力、初等教育、中等教育、平均余命の分野で日本は世界1位のランクだが、労働賃金、政治家・経営管理職、教授・専門職、高等教育、国会議員数で世界ランク100位以下となっている。この傾向はここ10年間同じである。

>この男女格差ランキングは、2006年から始まっているが、そのとき、日本は115ヶ国中の80位。これだけみると、日本は順位を年々下げているように見えるが、実はより低い国が30数ヶ国あるという状況は全く変わっていない。社会構造に起因するものであるので、なかなか変わらないものなのだ。

>その中で、調査対象国が増えてきたが、日本は下から数えて30数番目という地位は変わってないので、順位を下げてきたということになる。

女性の就業率がアメリカ以上(安倍 晋三総裁 年頭所感 自民党HP >この5年間のアベノミクスによって、名目GDPは11%以上成長し過去最高を更新しました。生産年齢人口が390万人減る中でも、雇用は185万人増えました。いまや、女性の就業率は、25歳以上の全ての世代で、米国を上回っています)らしいですが、男女格差があって就業率が高いということは、大体パートの問題じゃないかと思います。待機児童問題は、①都会での保育園の供給が追いついていない(賃金も上昇している)②パートに出るため保育園を利用している、ということなのでしょう。

日本の最近の傾向でも、女性の専業主婦志向が強いという話もあります(「専業主婦希望」20代女子増加? 背景に「3世代の流れ」 2014.9.11 11:30 AERA)。いずれにせよ、女性は働いているかもしれないが、男女格差が大きく、要はパートが多いのが日本なのでしょう。

どうするべきかですが、女性の教育レベルの高さを考えると、専業主婦やパートにしておくのは、やはり効率が悪いのではないかと考えられます。

産めよ増やせよほどじゃないにしろ、国が音頭をとって働いてもらうのも難しいかもしれませんし、そう簡単に変わるとも思いませんが、状況が悪化しているらしいのは困ったものです。

やれることは女性のキャリア形成を助けて、出産後働けて当たり前という状況をつくっていくしかないんでしょう。

産休・育休をとって辞める方にペナルティが必要かもしれません。普通に考えれば、企業としては辞める人は辞めてから出産・育児してね?ってことでしょう。働かない人に営利企業がお金を出すという考え方に無理もある訳です。そういうシステムをつくって継続すれば、続けて働こうという人が増えるかもしれませんし、増えなくともそれはそれで仕方がないと割り切れもします。ぶっちゃけ辞めるつもりの人がお金を貰うことが(どの程度か知りませんが)あると思うんですよね。専業主婦も結構ですし、出産・育児にお金も入用かも知れませんが、辞めるつもりなのにお金を貰うというのが非常に不味い訳です。

例えば出産手当はなしにして出産一時金を増やすのはどうでしょうか?必要なお金は出産一時金で補って、以降お金は貰えないから辞めたい人はそこで辞めてもらえば、企業も計画が立てられますし、スッキリします。産休や育休をとる人は続ける人という当たり前の考えが必要だと思う訳です。出産一時金の負担に耐えられないというなら、政府が肩代わりするのもひとつの考え方ですが、あるいは産休保険のようなシステムも有り得るかもしれません(女性の雇用に負担がかかる制度設計であれば、後で言及しますが、女性の雇用枠も視野にあっていいかもしれません)し、兎に角産休している女性が働く気があるんだかないんだか分からないがお金は払っているというような日本の状況があるのだとすれば問題だろうということです。大企業や公務員はちゃんとしているのかもしれませんが、マスの話です。また、これの抜け道をつくるためにパートなどの2軍で働く形態があるのかもしれません。

女性のキャリア形成・社会進出を考える上で、雇用に女性枠を設けることも考えましたが、これだと社員数が少ない会社はきつくなりますから、少なくとも規模に合わせて例外は設けねばなりません。

そもそも結婚相手を見つけるために就職するという考え方が是かということも考えなければなりません。是だとは思いますが、大学教育や就職活動などで、そういう方をそれとして企業が理解できるようにしていかねば、企業側も損するのは嫌ですから、女性そのものを敬遠してしまうでしょう。

これにあわせて劇薬ですが、パートの部分的禁止を考えるべきです。職種にもよりますが、2軍のようなシステムが無くなれば、全ての抜け穴がなくなります。学生アルバイトや副業、別に主婦が家計をちょこっと支えるの類はいいのですが、そういうことを志向していない人(例えばその企業で1日6時間以上働く人)を皆社員にすればいい訳ですね。その場合理由無く(別に短い時間しか仕事がない職種はいいのですが)短時間労働者が多い企業には税制の優遇をしない(罰金も有り得るし法的禁止も有り得る)などのペナルティでバランスをとって抜け道を探さないようにしていきます。社会主義とか何とか絶対批判されるでしょうが、女性はパートで働けという社会を維持する限りは、高い教育レベルがほとんど何の意味もないということになります。

以上、現代ビジネスの高橋洋一氏の記事に対する筆者のfacebook投稿を加筆・修正した記事。

高橋洋一氏の「有効需要をGDP2%程度、10兆円程度押し上げ」論は理論は間違っていないんだと思いますが、実現手法がどうしても気になるんですよね。金融緩和はいいとして、財政出動が腑に落ちないでしょう。国が公務員増やすの?、何処に需要があるとか分かるの?って話にもなる訳です。日本の(大)企業はタンマリお金を持っている訳でして、需要が分かる人、商売が分かる人、優秀なサプライヤーがお金を使って欲しい訳で、それは国じゃないんだろうと思います。別に企業任せでいいとは思っていません。国の役割は山ほどあります。ただ、それが商売を始めるということにはならないんじゃないかということですね。

先にも少し書きましたが、短時間しか仕事がないから短時間働ける人を探しているというような特殊な仕事や学生の小遣い稼ぎ(勉強しろという考えもありますが、社会経験も必要かもしれませんし、家庭の事情もあるかもしれません)、専業主婦の小遣い稼ぎ(厳しいようですが、専業主婦を禁止しろと言っている訳ではありません)ぐらいは認めるにしても、それ以外は全て例外なく社員というひとつのシステムにすることは一つの考え方です。何故ならそうしないと(抜け道を許すと)、出産一時金や出産手当など、政策に関する議論が無効化されますし、同一労働同一賃金などの議論も掛け声だけに終わるのが目に見えているからです。パートでも社員と同じだけ、多少少ないにしても働こうと思えば同じだけ働ける人は山ほどいる訳で制度上の差別があること自体問題な訳です。能力と功績によって出世などで差がつくのはいいとして、平社員の下に準奴隷がいることが問題な訳です。ハコさえ整えたら、後は皆の意識で、その内年功序列で年かさの男性が偉いというような考えは旧時代の遺物になっていくかもしれません(まぁそれでも出産とかない男性は働き手としては結局強いところはあると思いますけどね。程度問題です)。また、社員は年功序列で出世するものという意識も旧時代の遺物になるかもしれません。退職金とかも大企業で出世しなかったらなしとかそんな感じでもいいんじゃないですか。

これでは体力のない中小は潰れるかもしれませんが、仕事に必要があれば誰かがやります。大企業が(下請けに出さずに)やるかもしれませんし、別の中小企業がやるかもしれませんが、まぁ大体誰かがやるんだろうと思います。こうしたことを言うと、ニッチな仕事で仕事が畳まれるケースが想起されるかもしれませんが、技術があるのが雇用者であるならば、この話には関係ありませんし、被雇用者に技術があるなら、別のところでやるだけです。

人件費上昇が嫌なら、省力化投資も一気に進むでしょう。

失業率が十分下がらなくても賃上げは起こり得るんじゃないですか?金を持っている企業が支払えば。ですから、あまり効いていないようですが、政府も賃上げ要請している訳でして(企業は少子高齢化で先が見えないから嫌とか言っているのかもしれませんし、お金のある企業ほど賃上げしなくても人が来ているのでワザワザ賃上げしないのかもしれません)。ですから企業の給与支払い総額が何らかの理由でもっと上がれば2%のインフレにも成り得る訳です。1日6時間時間給で働いている今のバイトを法的に全部社員にしてしまえば、そういう事態に成り得ます(同一労働同一賃金も達成されます)。企業はバイトは短い時間でしか雇わないから掛け持ちしてねってなるかもしれませんが、先に挙げましたように、予め対策を施しておけばそんなことは難しくなります。経理は潰れる!と思うかもしれませんが、大体大丈夫でしょう。何故ならインフレになって収益が増えることになるからです。ギリギリのところは銀行が貸してくれるでしょう。危ないところはいずれは潰れます。劇薬だとは思いますよ(マイルドにする手法もあるかもしれませんが、目指す結果は劇的な変化になります)。政権支持率もどうなるか分かりませんし。

マッドな部品メーカーが日本経済を救う?

2018-01-03 15:04:06 | 政策関連メモ
それだけではありませんが、日本の企業がお金を貯めるだけ貯めて使わないことが日本のデフレ傾向の一因だと思います。

コラム:企業の利益剰余金390兆円、経済の停滞要因に(ロイター 2017年6月12日 / 06:27)

>日本企業の利益剰余金が過去最大の390兆円台に膨れ上がっている。生産・輸出が好調で過去最高益を記録する企業が続出しているものの、設備投資を控え、賃上げも小幅で現金を積み上げているためだ。

この傾向はアメリカも同じのようです。

世界企業・日本の立ち位置(2)膨らむ手元資金、米企業も IT巨人、日本の税収超す カネ余りが世界に拡大(日経 2017/9/5)

>「日本企業は資金をため込むばかりで有効活用していない」。投資家がよく口にする不満だが、米国企業の資金量はもっとすごい。特に技術革新の波に乗るIT(情報技術)の「5大巨人」の手元資金の増え方はすさまじく、日本の国の税収を上回る規模に膨らんでいる。

日本の場合は急激な少子高齢化で高齢者に資産が寄っていることがデフレ傾向を強くしているのでしょうが、アメリカもインフレになりにくくなっていると言われ、世界的なデフレ傾向の要因のひとつに大企業への資金の偏りがあるのではないかと見られます。

だからと言って、法人税を増税しろとか、そういうことは言いません。企業が使ってくれれば、お金は国民の懐に入って、また企業に還るのですから。ここでは事実を押さえておくに止めます。

さて、中国を考えようと少し前に「超大国・中国のゆくえ 4」(東京大学出版会/2014)を買ったのですが(この本で気になったところは考察して順次記事にしていくつもりです)、パラパラ見ている時に気になる一節を見つけました。

何でも中国の電動自転車メーカーの技術進歩は、完成車メーカーが主導しているのではなく、蓄電器やブレーキの専門メーカーが独立に研究開発を行うことで進歩しているのだそうです(142p)。これは中国の特殊事情ではなく、世界のパソコン産業においても、基幹部品メーカーのインテルと、基本ソフトメーカーのマイクロソフトが技術進歩をリードしており、完成品メーカーのの側の主導権が失われて久しいとも指摘されています。

この辺の話は垂直統合型の日本と水平分業型の中国で日本が斜陽、中国が伸びるという文脈でも語られてきたと思いますが(この本のこの箇所でも中国と日本の違いが強調されています)、筆者の言いたいことは少し違います。何故部品メーカーが強いという現象が起こったのかを考えるべきでしょう。それはやはり完成品メーカーが技術開発動向の本当のところが分からない、分かりにくい、あるいは分かっても思い切った資源配分ができないからではないかと思います。部品メーカーは自分の強みの分野でいけそうなところに注力するだけです。伸びない分野の部品メーカーは潰れるだけです。技術が分かるところに決定権があったら、リスクはあるでしょうが、リターンも大きいということだと思います。日本もそういう力学に全く無関係という訳ではありません。例をひとつ出します。

デンソー(ウィキペディア)

>株式会社デンソー(英: DENSO Corporation)は日本の愛知県刈谷市を本拠におく自動車部品メーカーである。2009年(平成12年)以来、自動車部品世界シェア第1位を維持している。TOPIX Core30の構成銘柄の一つ。

>「エジェクタサイクル」を世界で初めて実用化に成功させた。これを搭載した冷凍庫は、従来のシステムに比べて冷凍能力25 %、エネルギー効率は50 %向上。運転時の動力は33 %低減し、年間の消費電力を60 %も低減可能にする。電流を細かく制御することで産業装置から家電製品にまで革命を起こした「インバータ」以来の大発明と言われる。

>2018年度四季報によると、海外勤務者数がトヨタ自動車に次ぎ、日本で二番目に多く、これは丸紅、三菱商事など大手の商社よりも多い。

デンソーは部品メーカーですが、勿論単一の商品を扱っている訳ではありません。ですが、その辺はインテルもマイクロソフトも同じでしょう。ですが誤解を怖れず言えば、経済において大事なことは、顧客のニーズを掴むことというより、いや勿論顧客のニーズは大事なのですが、顧客のニーズを理解した技術者が技術的ブレークスルーを起こしていくことではないかと思う訳です。そういうことができるのが部品メーカーなのかもしれません。技術的ブレークスルーを起こすためには、その条件として何の役に立つかも分からない基礎研究の発展が必要でもあるとは思いますが、その辺は今回は経済の話なのでおいておきます(日本は今後減るとも言われていますが、今のところは基礎科学の分野でもノーベル賞をとるなど貢献しています)。別にトヨタやルノー・ニッサン、GMやフォード、メルセデスがダメでテスラの時代だ!なんてブチ上げるつもりもありませんし、デンソーがとって代わるということもないでしょう。ひとつ言えるのは、完成品メーカーにはどの技術が伸びるか本当のところは分からず、従って適切な投資ができないのではないかということです。革新的な車が爆発的に売れるということがあるとすれば、部品メーカーが開発した革新的な部品主導の車になるかもしれません。電気自動車が来るとすれば、その分野で技術的ブレークスルーがあれば、水素自動車が来るとすれば、その分野で技術的ブレークスルーがあればということになるかもしれません。まぁこの辺は何時まで資源が採掘できるかとか、多少の有利不利なら普及した方が強いとかいろいろ論点はあると思いますが、一般的な傾向の話です。

日本には強い技術・今後も伸びる技術を持つ会社が幾つもあると思います。そういう会社が本当に強い会社でドンドン投資してもらいたい会社です。対して大きいから強いとか無借金だから強いという会社は強いかもしれませんが、そんなでもない。どうせ金を貯めるだけだし、そんなに上手くも使えず、新しい技術で社会や国や世界に貢献することもないんじゃないかと思います。

筆者の今の知識ではそういうところにお金や人を集めるにはどうしたらいいか(既に十分集まっているのかもしれませんが)良く分かりませんが、日本企業が投資するところがないと言うなら、垂直統合で図体が大きく技術動向が分からない会社が多いからなんじゃないかと思った次第です。

※追記:日本の家電メーカーの敗北もガラパゴス化を言われますが、垂直統合企業ですよね。家電も何かミラクルな技術的ブレークスルーで復活する可能性はあるかもしれません。垂直統合企業ですが、ソニー復活を支えたのはイメージセンサーなのだそうです(焦点:ソニー復活支えるイメージセンサー、スマホ依存に課題も ロイター 2017年12月20日 / 16:49)。