ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

老夫婦の今の生活 

2018-06-02 02:18:32 | エッセー
久しぶりに旧友からの電話があり、開口一番こう言ったのは「神様は元気?」
だった。友人は一応元気だが10年ほど前にご主人を亡くし、今は娘の家族と
地方に住んでいる。心理学の友人達は夫を「ちょっと神様」とからかったが、今
でもそれを覚えているようだ。最後にこう褒めてくれた「ホントよく頑張って
いて偉いわ、でも自分を大切にして無理しないで」と。
いつも時代の先端を先取りし、経営者としてもかなりの収益も上げた時代も
あったが、何より恵まれていたのは、夫のさりげないサポートで、包容力のある
彼は、私のすることにまったく干渉しなかった。無論私もそれに応えるべく、家庭を
大切にしたのは言うまでもない。そのため、自営業でいつも家にいる夫を、海外へよく
出かけていた時代、また現在も「お付き合い以外の外食はたったの一度もさせたこと
がない」のが、私の自慢かも知れない。
※1日だったので神社にお参り

また、私が絶えず心していたことは、「いつも夫のプライドを満足させる妻でありたい」
ことだった。言葉に出さなくても、彼は私の気持ちをしっかり理解しているから
こそ、私を自由に羽ばたかせてくれたのだと思っている。
そして認知症の現在でも、彼は認識していて、子供のような私がときには言い
たい放題でも、ある程度は黙って笑っている。そんな夫だから、現在まで何の確執
もなく、素直に介護ができるのだと思う。認知症と診断されてから早や9年、時には
どうしようもない気分になることも、正直に言うとある。このままの状態で長生きして
欲しいけれど、少しずつだが確実に体力が落ちてくる夫は、これからどうなるのだろう?と不安になることも時折ある。

 いずれにしても・・・現在老夫婦は穏やかに、仲良く毎日を過ごしている。
とにかく私が絶対的に、健康でなければならないのは、一緒に住んでいる息子も
近くに住む娘もまた同じだが、あまり子供達に頼りたくないからだ。
近所に住む未亡人で、難病指定の病気で一人暮らしの同世代の女性も、近くに住む
息子夫婦も滅多に顔を見せない。でも介護保険を使って賢く一人暮らしをしている。
 今はそんな時代なのだろう。でも、私は淋しいと思わないのは、自分が元気で割合
自由に行動できるからだ。明日は学会で話をするが、その前に理事会があり、会場は
都内だが遠いので、8時前に家を出なければならない。そんな時は無論夫の食事は二食
準備をする。学会後の懇親会に出席は当然だし、たとえ二次会は出なくても、帰宅
時間は早くても9時過ぎになるだろう。でもそんな知的な知人達との交流、発表する
機会などが、私には最も心にエネルギーがチャージされる。
そんな意味でも、夫に一人で留守番できる精神状態を、いつまでキープして欲しいと
思っている。
※都内でも有名なパワースポットのため、若い人が多く賑やかだった
  

コメント
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