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レンガ工場跡

2008-12-16 22:55:00 | 札幌・歴史探訪


  鉄筋コンクリートが普及する以前の建物は、レンガ造りの建物が
 多く見られます。


 
   札幌でも、道庁赤れんが庁舎や開拓使麦酒醸造所(サッポロファクトリー)
  など、明治時代に建てられた建物にはレンガが使われています。


  これらのレンガを生産していた鈴木煉瓦製造所の工場跡に行って
 みました。
         
            札幌市白石区平和通6丁目南3

    と、言っても工場は80年以上前に閉鎖されています。
   当時の工場跡を知らせるものは、この看板しかありません。
 
            現在、周りは住宅街です。


   札幌のレンガ工場は、明治10(1877)年に浦河通(現・東2丁目通り)にあった
  工藤宇三郎の工場で11000個のレンガを開拓使に納入したのが始まりです。

   明治15年に幌内鉄道(函館本線の一部)が開通し、白石沿線でレンガに
 適した粘土が駒沢小平によって発見されてから、白石でのレンガ製造が始まり
 ました。
  翌年の明治16年に遠藤清五郎の遠藤煉瓦場が2万個の煉瓦を製造したという
 記録が残っていて、この他にもレンガ工場が出来たそうですが、短命に終わって
 いるそうです。

   今回紹介する、鈴木煉瓦製造場は鈴木佐兵衛によって明治17(1884)年に
  当時の、札幌郡白石村北郷(現・札幌市白石区平和通)に造られました。

   鈴木煉瓦製造所は、開拓に入った人達の格好の稼ぎ場所だっだそうです。
 粘土を運ぶ・練る・型にはめる・作ったレンガを運ぶなどの作業は、農作業で
 生計を立てるまでの日雇いとして家計に役立ったそうです。

  

    ここで作られたレンガは、先にも紹介した

         「道庁赤れんが庁舎」   明治21年完成
     

        「開拓使麦酒醸造所」   明治25年完成
     

       「五番館」 (現・札幌西武) 明治35年完成 (建物は現存しません)
     
        
           「東京駅」
             大正3年完成
      

 上記の建物の他にも、鉄道建設やトンネルの内壁や橋脚にも使われました。

 瓦やかめ・土管なども作られて、札幌の街づくりに大きく貢献したそうです。


  しかし、明治期の後半には白石村内・隣村の豊平村や月寒村にも多くの
 レンガ工場が建ち、さらに当時、鉄道を経営していた北炭も直営のレンガ
 工場を野幌に建設しました。

  これにより、個人経営のレンガ工場は経営が厳しくなり、さらにセメントや
 鉄筋コンクリートの普及で、大正11(1922)年に閉鎖されています。

  
   有名な建造物のレンガは、この場所で作られて
 いたんだと感慨深くなりました。



 

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