平成23年12月15日の北海道新聞朝刊・平成23年12月20日の北海道新聞朝刊(札幌版)に
札幌冬季オリンピック フィギュアスケート女子シングルで銅メダルを獲得したジャネット・リンさんの記事が
掲載されていました。
なぜ、落書きを残して行ったかの経緯が記述されていました。
こちらでは、ジャネット・リンさんからの手紙が載っている、12月20日の記事を抜粋したいと思います。
日本の皆さんが今なお、私のことを覚えていてくれるのは驚きですし、言いつくせないくらいの喜びです。さっそく
質問にお答えしましょう。
選手村での生活や会場の真駒内アリーナは快適でした。チームメートと滞在したアパートも居心地がよく、種類
豊富な料理も楽しみでした。選手村の周りに五輪旗が何本もはためいていたのを覚えています。サッポロ、そして
選手村と真駒内アリーナは、私にとって今でも特別な場所です。
日本の皆さんは規律正しく、心が広く、親切で、情に厚い。何事にも高い完成度を求める国民性だと、感じました。
どこに行っても接待を受け、、1万5千人ものファンから、手紙や心温まる贈り物をいただきました。
大会中の一番の思い出は、尻もちをついて銅メダルに終わったのに、次の日には多くのファンができていたこと。
選手村の外には、サインや握手を求めるファンがたくさん来てくれました。4分間の演技であんなに注目されるなんて、
若かった私は戸惑いつつも、幸せでした。
選手村の部屋の壁に書いた「落書き」のこと、覚えていますよ。帰国の準備をしていたら、ルームメイトが、大量の
ファンレターをもらっていた私を冷やかして、「サインを残したら」とペンをよこしたのです。女の子にありがちな、いた
ずら心からですね。
そこで私はメダルをもらった年である「1972」と「Pease and Love, Janet Lynn」の文字を書きました。部屋を
賃貸する時には当然壁を塗り直すだろうと思って。
翌年、公演の為に来日した際にこの部屋を訪れ、住んでいる方が消さずに残していることに、びっくりしました。最初
のサインの横に再びサインするよう求められ、今度は「Life in Jesus Christ」の文字を加えたサインを書いたので
す。その後も入居者が全員、サインを大切にしてくれていることに、深く感謝しました。
日本のジュニアスケーターへアドバイスしましょう。
コンパルソニー(規定)の練習を通じ、基礎を徹底的に身につけてください。声を大にして伝えたいのは、近年の高得
点を得る為に組み込まれた技は、成長期の身体にとって、時に危険であるということです。
表現力を磨く上で、バレエレッスンもお勧めです。音楽をよく聴き、腕ではなくあくまでも氷上の足で、音楽を表現して
みてください。何より、スケートを楽しんでください。
私は金メダルのため、そして家族やコーチ、応援してくれる人たちや祖国のために勝ちたいと思う女の子でしたすぎ
なかった。なのになぜ、試合中、尻もちをついて銅メダルに終わったアメリカの女の子を、日本の皆さんはあれほど好
きになってくれたのかしら? 今でも、その理由が知りたいのです。
では、40年を経てもなお私を慕ってくれる日本の皆さんに、くれぐれもよろしくお伝えください。
ジャネット・リン
表彰台に上がる 銅メダル ジャネット・リン選手 アメリカ (右)
金メダル ベアトリクス・シューバー選手 オーストリア (中央)
銀メダル カレン・マグヌセン選手 カナダ (左)
(第11回オリンピック冬季大会札幌市報告書より)
現在、ジャネット・リンさんは58歳。3人の男の子を育て、アメリカ東海岸の街にお暮らしとのことです。
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