「あほリズム」

2010-07-06 07:29:10 | アフォリズム(箴言)ではありません
          「あほリズム」


             (11)

 「パラグアイ」と書いてあるのに「バイアグラ」と読んでしまう

のは、私自身に何か問題があるのだろうか?


            (12)

 ある人は東京から新幹線に乗って3時間足らずで大阪に着いた。

また、ある人は東京から自分の足で歩いて10日間かかって大阪に

着いた。さて、どちらが進化した動物でしょうか?

 我々は多分「効率」を「進化」だと勘違いしている。やがて身体

能力の退化が凄まじい勢いで忍び寄っても一向に気にしなくなり、

何れ効率性だけが重んじられ「進化した人間はさらに小さくなる」

と説かれるに違いない。

(ゴキブリと呼ぶには小ぶりな、アブラムシと呼ぶには油ぎってない

チャバネゴキブリが蔓延る一方で、嘗てはその大きさからゴキブリ

の代表として君臨し、黒光りした不気味な姿やふてぶてしい態度、

更には挑戦的な現れ方で人類を驚かし、その結果見つかると執拗

に追い回されて、遂には新聞弾やスリッパ弾による圧死か、さもな

くば毒ガスまで持ち出されて止めを刺されるクロゴキブリはさすが

に少なくなったが、代わって慎ましさを装い無害を訴えてそれらの

危機を免れた彼らが、ほぼ都市の住居の隙間を征服したのではな

いかなどと思いながら、さほど嫌悪を感じずにその姿を目で追って

いると、人口爆発を果たした人類にも何れそういった生存適性の陶

汰の波が襲ってくるのでないかと想像して。)


             (13)

 世界で自分独りが取り残されたことを想像する。社会(他者)が消

滅し、美徳や正義や義務や責任といった一切の社会性が意味を失く

し、やがて自由すら無意味になる。それでは自己とは他者が存在し

なければ意味がないのだろうか?

 やがて私から「意味」そのものが消滅した。



              (14)

 「自分の弱点を克服したい」とか「もっと成長しなければ」とか、

一体どんな人間を理想にして語っているのだろうか?今の自分を見

失って理想の生き方もないもんだ。断言してもいい、自分の理想は

自分の能力の中からしか生まれて来ない。



              (15)

 脳からの指令を受けて体内の血管を収縮させ体中の血液を集めて、

ペニスは勃起する。彼女は「すごいっ!」と言うかもしれないが、

その時、男の脳にはほとんど血が廻っていない。ある部分を膨張さ

せればそれ以外の処で萎縮が起こる。我々は人の長所にばかり気を

取られて隠された短所には気付かない、か、若しくは短小ばかり見

て長所を見落とすかのどちらかだ。


              「閑話放題」

 パウル君、すごいっ!

 「パウル君」・・・ドイツ西部オーバーハウゼンの水族館「シー・ライフ」のタコ。
           ワールド杯サッカーの勝敗を予想するタコ。水槽内に好物
           の貝が入った二つの容器を対戦国と自国に見立てて分け
           て置き、パウル君がどっちの容器の貝を取るかで勝敗を
           占ったら総べて的中して、予想通りドイツはスペインに負け
           てしまった。


                 (16)

          PCばっかりやってると気が短くなる。


                  (17)

 神であれ仏であれ、来世での救済が約束できるなら、なぜ現世を

救おうとしないのか?無辜の人々を誑(たぶら)かして在るやら無い

やら解からん「来世」での救済を説いて信仰に陥れ布施を巻き上げ

るやり方は、「金を買いませんか、いま買っとけば必ず値上がりし

て将来儲かりますよ」と言って勧誘する悪徳商法と何ら変わらない

ではないか。


                  (18)

 ある夜、寝ていると夢の中に、私の訴えを聞いたのか、神なのか

仏なのかよく解からないが語りかけてきた。

「よく解かった。お前のこの世での望みを叶えてやる。その代わり

お前の魂は今生限りと思え」

「もちろん願うところだ!」

ところが、望みを告げようとして咄嗟に気が変わった。私の望み

とは私が叶えてこそ価値がある。神仏に頼って成就したとしても

疚しい思いが付き纏う。

「いやっ!やっぱり止めよう」

「どうした、望みはないのか?」

「そうじゃないけど、やっと今解かったんだ。神仏に現世利益を願

うのが如何に忸怩(じくじ)たる思いであるかを」

そう言うと、声の主は何も言わず夢の中から消えた。

  

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「閑話放題」(完)

2010-07-06 01:15:27 | 「閑話放題」
                 「閑話放題」(完)


 1974年のサッカーワールド杯西ドイツ大会の決勝戦は、皇帝

ベッケンバウアー率いる開催国西ドイツチーム[対]トータルフット

ボールの申し子ヨハン・クライフが率いるオランダチームの戦いだ

ったが2-1で西ドイツが勝った。ヨハン・クライフの「斜め攻撃」

に痺れていた私は、何としてもオランダに勝って欲しかった。それ

までのサッカーは右側の選手が左側にまで来て守備や攻撃をするこ

とは無かった。左キックが得意の選手は左ばかり任され、右キック

の選手も同様だった。もちろん守備も所謂ゾーンディフェンスでク

ライフはその弱点を衝いて斜めに攻め上がった。すると守備選手が

入れ替わる為チェックが遅れ、その間隙を抜いてドリブルで振り切

りゴール前にクロスを上げた。現代サッカーのマンマークはクライ

フのような自在な選手をマークする為の対応から生まれたのだ。

 チームプレイの西ドイツ[対]神出鬼没のクライフの個人技の戦い

だったが、結局、ヨハン・クライフは西ドイツの執拗なマークに遭

って潰されてしまいオランダが負けてしまったが、あの大会は「ヨ

ハン・クライフの大会」であり、またそれまでのポジションに拘っ

たサッカーを大きく変えた大会でもあった。

 ところが、今度の南ア大会ではその両チームがベスト4に残って

いるではないか。オランダとドイツには何としても勝ち残ってもう

一度あの決勝戦を再現をしてもらいたい。そして、オランダチーム

には何としても皇帝ベッケンバウアーの目の前であの時のリベンジ

を果たして欲しい。と言うのはベッケンバウアーは大会前からドイ

ツの優勝を宣言していたのだ。私は彼の自国贔屓だとばかり思って

いたが、さすが「皇帝」である、よくその実力を知っていたのだ。

オランダ代表には是非とも、嘗(かつ)て辛酸を嘗(な)めさせられた

相手チームの主将を務め、「皇帝」とまで呼ばれた大口をたたく彼

の目の前で鼻を明かして唇を噛む姿を見させてもらいたいものだ。

 という訳で、ワールド杯終了後の結果からこの記事があまりにも

的外れだった場合でも不明を恥じることなく、というのはもうどの

国が優勝しても全くおかしくないからですが、記事は削除しません

ので悪しからず。

 これを以って私のサッカー記事は終わりにします。4年後のブラ

ジルでまたお会いましょう、アデウス!

 オランダ!がんばれっ!ドイツを破って今度こそ優勝しろ! 


                                  (完)完